セコイアオスギ(Sequoiadendron giganteum)栽培記録-A

セコイアオスギ実生(自宅:2012.7.21)

スギ科* セコイアオスギ属 【*APGⅢ:ヒノキ科】

Sequoia (人名:Sequo-yah) + dendron 木  giganteum 巨大な

【はじめに セコイアオスギへの補遺/栽培記録-A

◆2010年7月のヨセミテ公園・マリポサ_グローブでの自生地訪問から帰国した後、セコイアオスギの栽培を試みた。

セコイア(Sequoia sempervirens) の方は近畿一円の植物園や公園などでもごくふつうに植栽され、いずれも大きく育っているが、不思議なことに、近縁のセコイアオスギが植栽されているのを見たことがない。たとえば、「日本では生育困難で、スギと同様に赤枯病にかかりやすい(原色日本植物図鑑・木本編Ⅱ(保育社)」とか、「セコイアデンドロンは赤枯病などのため日本ではほとんど生育できない(世界有用植物事典(平凡社)」などとあるので、よほど日本の気候・環境との相性がよくないのであろう。

したがって、失敗はほぼ確実と予想されるが、それでもセコイアオスギの初期成長がどんなものか見てみたいと思い、栽培を始めてみた。自分の心覚えもかねて、記録をこのページに記載していく。栽培場所は大阪市北区中津で、15階建てマンションの12階・西側ベランダである。

★なお、この「栽培記録-A」では、2010年8月および2011年1月播種分についての記録を収録し、2012年4月に播種したセコイアオスギの栽培記録については「栽培記録-B」に集積していく。

また、Webに登載された日本における栽培記録を探したところ、いまのところ、下の2件に行き当たっている。
  (1)ぱんさのマイナー植物園(ジャイアント・セコイア)、(2)ケルテス樹芸の樹木通信

【播 種】

セコイアオスギの種子はインターネットで検索したヨーロッパの種子販売サイトに発注した。

現地で見たセコイアオスギの種子は縦横数mmで、その2/3を翼が占める非常に小さく薄いもので、種子自体にそれほど養分を蓄えている様にも見えず、発芽率も高いはずはなさそうに思えた。それで、少し多めの100粒を入手し、到着後すぐ(2010年8月6日)に約半数を、残り半数を、(種子の状態で冬の寒さに当てるため)2011年1月に、いずれも有機質を含まぬ新鮮な中粒赤玉土とバーミキュライトの1:1混合用土を満たしたプラスチック製6号平鉢に播種した。

8月播種分は播種後、2~3週間ほどしてポツポツと不揃いに発芽を始めたが、子葉の数は2枚しかないものや5~6枚のものまでいろいろあった。2011年1月播種分は4月初めぐらいに、やはり不揃いに発芽を始めた。

はじめ、発芽したものをそのまま観察していたが、子葉が数枚出たあと、ほとんど大きくならなずに枯れ出すものが出てきた。やはり育てるのは無理なのかと思ったが、考えてみると、現地では林床火災によって地表の有機物が無くなる一方で、無機塩類が供給されているのであるから、赤玉土やバーミキュライトのような養分のない播種床では、発芽してもすぐ栄養失調で枯れていくのは当然といえば当然といえる。それで、市販の粉末無機肥料(Hyponex)を水に溶かして与えたところ、枯死するものがなくなり、順調に大きくなり出した。

右上写真は8月播種後約3ヶ月経過し、大きい個体では枝が出始め、一番小さい個体で子葉の間から短い本葉が出始めた状態を示す(2010.8.6.播種/2010.10.22撮影。栽培108日目)

下の写真は2011年4月28日における状態で左は2010年10月播種分、右は2011年1月播種分である。

【植え替え】

最終的に13個体が定着した。播種数をきちんと数えていなかったので正確な発芽率は分からないが、およそ15%程度といえよう。

発芽個体の成長に伴い、個体間でサイズのばらつきが大きくなる一方、接近して発芽した個体では葉が接触するなど、一つの鉢の中で栽培を続けるのは無理と考え、一番大きな1個体を6号平鉢に、のこり12本を4号深鉢に植え替え、1本ずつを独立させた(2011年5月中~下旬)。実は、セコイアオスギが移植に耐えるかどうかかなり心配だったが、結果は案ずるほどのこともなく、全部活着した。

下の写真は移植後約1ヶ月後(2011年6月28日)の状況である。この時点での各個体の高さ、枝張り(2方向)の測定結果は表の通りであった。


個体番号 高さ(cm) 枝張り(2方向:cm) 番号 高さ(cm) 枝張り(2方向:cm)
12018.5x14 843x4
21515x12.5 93.53x3
388.5x6.5 104.52.8x6
41010x8 1133x4
56.55x6 1232.5x4
63.55.5x7 1332.5x3.5
73.53x3.5 2011.6.28.測定 


【赤枯れ病の発生】

2011年6月の終わり頃まできわめて順調に生育していたように見えたセコイアオスギの中に、7月に入って、突然、枝全体からみずみずしさが失われて萎れたようになり、枝の付け根に近いところの葉から赤く枯れる個体が出始めた。それも、ショッキングなことに、13個体中もっとも大きく、旺盛な生育をしていた個体(No.1:樹高20cm、枝張り18.5X14cm)が最初におかしくなった。

見たところ、アブラムシやダニなどの害虫が寄生したようすは全くないにも関わらず、突然の異常発生だったから、ひとつは地下部(根)が甲虫の幼虫に食害されたのか(何年か前、カリステモンが突然衰弱したことがあり、根を調べると、甲虫類の幼虫が数匹出てきたことがあった)、ひとつは、継続して与えたHyponexがいつのまにか過剰に蓄積し、浸透圧のバランスが崩れて根の吸水がうまくいかなくなったのか、などと考え、さしあたっての対策として、肥料分のない新鮮な用土に植え替えることにした。

病変個体(No.1)を掘りあげたところ、根が甲虫の幼虫に食害された形跡は全くなく、ただ、根が著しく萎凋していた。新鮮な用土への植え替えも全く効果がなく、この個体は2週間ほどで枯死し、同じ頃、サイズの小さかったNo.11個体も枯死した。

これと平行するように、他の個体にも同様の症状が現れ始め、2011年8月12日現在13あった生存個体は9月下旬までに6個体を残して全部枯死し、残る6個体のうち、1個体(No.5:右写真2011.9.26)もすでに葉色が赤くなり始め、やがて10月中旬までに枯死した。

いずれにせよ、曲がりなりにも春先から何ヶ月かの間正常に生育してきたのであるから、灌水にせよ、施肥にせよ栽培管理にとくに欠陥があったとも思えず、正直なところ、何がどうなっているのか、どうしていいのか分からず途方に暮れているうちに、枯死個体が増えていったのである。途方に暮れてはいたが、この病変はかなり生理的な原因によるもので、たとえば薬剤散布などでは対応できないと直感していたので、その方面の対策は何も考えなかった(後日、「原色樹木病害虫図鑑(保育社)」の写真と引き比べ、やっぱり赤枯れ病だったと知った)。

2~3ヶ月の間、あれこれ考えているうちに、ふと菌根菌のことを思いついた。

【菌根(ミコリーザ(Mycorrhiza))】

中学校の教科書にも載っているマメ科植物と根粒バクテリアとの共生関係とは異なり、菌根や菌根菌については高校の教科書にも記載されておらず、大学レベルでもやや専門的な話を聞いたことのない人には、あまり、なじみのないことかも知れない。

それで、比較的分かりやすいと思われる解説を下に紹介しておく。下の解説には触れられていないが、最近の研究では、病害に対する防御機能もあることが確認されている。

「高等植物の地下器官と根菌(菌根菌)の菌糸との共生体を菌根という。

地下器官は通常根であるが、ラン科では地下茎、シダ類では前葉体のこともある。共生する菌類は不完全菌、担子菌、子嚢菌などである。1種の菌が1種類の根につく場合と広い範囲の種類につく場合、逆に数種の菌がひとつの根につく場合がある。

菌類は根から炭水化物、リン脂質などを得て生活するが、菌糸はちょうど根毛のような作用をして、土壌から無機養分、その他を吸収し、根に供給する。菌類はとくにビタミンB群、アミノ酸、植物ホルモンなどを生産して植物に供給し、土壌中で可給化しにくいリン酸をよく吸収するので、植物の生育を促す。また、菌は植物によって消化される。

菌根植物は共生の仕方に2通りあり、根の皮層組織間やそれらの細胞に入り込む内生菌根と根の表面にまといつき、菌套(きんとう(菌鞘ともいう))をつくる外生菌根とに分けられる。(園芸植物大辞典6(小学館:1990。一部補足))

考えれば考えるほど、ミコリーザを仲立ちにした生き物と生き物の得体の知れない相互関係ががカギを握っているという印象が強くなっていった。

Webで検索していると、「The Role of Mycorrhizal Symbioses in the Health of Giant Redwoods and Other Forest Ecosystems(セコイアオスギとその他の森林生態系の健康における菌根共生の役割)」という論文に行き当たった 。要点は、セコイアオスギと共生する菌根菌の同定は出来ていないし、その生理や生態についてはほとんど分かっていないが、VA菌(*)を接種した土壌で育てたセコイアオスギの実生の生育は、接種されていない実生の生育に比べて劇的によく、これは同時に実験したセコイアやCaleocedrus decurrencThuja plicata でも同じだった、というものである。

しかし、仮にセコイアオスギと共生する菌根菌がカギを握っているとしても、その菌根菌はセコイアオスギの自生地の土の中にはあるが、太平洋を隔てて何千キロも離れた大阪にありそうな気はしない。せめて一握りの自生地の土さえあれば、その中にはセコイアオスギと共生する菌根菌の胞子が含まれているだろうから、弱ってきたセコイアオスギを助けることが出来るかも知れないが・・・・。もし、その菌根菌との共生がセコイアオスギの生存の必要条件だとしたら、日本でセコイアオスギを育てるのは絶望的になってしまう。日本でセコイアオスギが育たない原因はここにあるのだろうか・・・・。

(注*) VA菌:内生菌根菌に含まれ、根の内部にのう状体(vesicle)や樹枝状体(arbuscule)を形成する特徴があり、VA菌根菌胞子を含む資材が市販されている。

【スギ科樹木植栽地表土の混入とVA菌根菌の施用】

セコイアオスギと菌根菌との共生関係は、大阪でいくら考えてもすぐ答えの出る問題ではないので、そのままダーク・ボックスとしておいておき、とにかく二つのことをやってみようと考えた。ひとつは、北米原産のセコイアが植えられている場所の土壌を植木鉢に混ぜてみること、もう一つは、市販されている菌根菌を施用してみることである。

セコイアはセコイアオスギと同じ北米西海岸の冬雨地帯に自生する樹木なのに日本の気候でも大きく育っているから、きっと日本の土壌の中にうまくマッチした菌根菌がいたに違いないし、ひょっとしたら、その菌根菌はセコイアオスギとも共生関係を作れるかも知れない。いや、別にセコイアに限らず、スギ科樹木という意味ではスギやメタセコイアの菌根菌の中にもセコイアオスギと共生できるものがあるかも知れない。

それで、2011年9月下旬にある公園に出かけ、スギやセコイア、メタセコイアなどの根元の表土を少量ずつ採取させてもらい、それを混合して生き残った5鉢の根元に小さな穴を3~4カ所開け、そこに充填した。

結果は期待以上に有効で、すでに病変がかなり進行していたNo.2個体を除き、病変がまだ初期段階にあった残り4個体では病徴の進行が停止した。

No.2個体における赤枯病の進行。植木鉢は4号
左:2011.9.26撮影、右:2011.10.22.撮影(この個体は、1~2週間後に枯死)

2011年10月22日におけるその他の個体の状況は下の通りである(左からNo.3、No.4、No.6、No.13)。

スギ科植物植栽地表土の混入に加え、市販のVA菌根菌をあたえた。 市販VA菌根菌の入手については、出来れば実物を見てから購入したいと思ったが果たせず、結局、楽天市場で「菌根菌普及キャンペーン・菌根菌」というのを見つけて入手した。これは、ピートモスに菌根菌を付着させた製品で、10月25日に施用した。ただし、これの効果についてはよくわからない。

この状態で、特記すべき成長も病徴の変化もないまま、冬季を経過した。

【2012年の成長】

2011年秋に行ったスギ科樹木植栽地表土の混入により、赤枯れ病の進行が止まり、2012年4月になると新しい枝葉が伸長の兆しを見せ始めた。そこで、まず、4号深鉢から6号平鉢への移植を行った(4月14日にNo.3、4、6、22日にNo.13)。用土は植栽地表土および等量混合した赤玉土+バーミキュライトである。

4月以降、セコイアオスギの生育は順調に続き、サイズも大きくなったので、土の量を多くする目的で、7月2日に6号平鉢から6号深鉢へ移植した。用土は植栽地表土+公園採取落葉樹腐葉+赤玉土・バーミキュライト混合土であった。腐葉を加えたのは、本来菌類である菌根菌の成育・増殖に腐朽した有機物がある方が良いに違いないと単純に考えたからである。


2012年4月19日の状況(左からNo.3、No.4、No.6、No.13)


2012年5月24日の状況(左からNo.3、No.4、No.6、No.13)


2012年7月21日の状況(左からNo.3、No.4、No.6、No.13)


2012年7月31日の状況(左からNo.3、No.4、No.6、No.13)



◆生存個体のサイズ測定結果(2011年6月末~2012年8月末)

測定日 2011/6/28 2012/4/29 2012/5/22 2012/6/14 2012/6/30 2012/7/21 2012/7/31 2012/8/31
個体番号 高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
No. 3 88.5x6.51421x202028x30 23.539x342740x402944x42 3032x4329.542x42
No. 4 10 10x8 15 25x26 22 36x35 27 41x40 29 45x43 32 50x43 31 48x40 32.548x45
No. 6 6.5 5.5x7 17 23x19 18 34x29 22 37x33 23 42x35 26 47x42 25 43x38 2645x40
No. 13 3 2.5x3.5 12 16x15 16 25x23 19 29x29 22 35x30 23 36x33 23 36x33 2438x35


【赤枯れ病の再発(2012.7.27)】

2012年の成長期に入り、昨年、夏から秋に発生した赤枯れ病もなんとか鎮静し、順調に生育を続けていたかに見えたセコイアオスギであるが、ごく最近(2012年7月27日)になって、赤枯れ病のごく初期と思われる症状が発生した。

すなわち、もっともサイズの大きい個体であるNo.4が1本の枝を垂れ、触ると、弾力が無いやや萎れたように状態になっていた。これは、同じ個体の他の枝とは明らかに違っており、この枝に赤枯れ病が発生したものと判断し、幹に近い部分で切断した。切り取った枝を観察すると、葉の一部がややどす黒い紫褐色をおびていた。

一見したところ、他の個体にはまだ異常は見られないようであるが、今後、病徴が出現する可能性も考えられる。

今のところ、取るべき対応策は思いつかないのでそのまま栽培を継続している。


左:No.4 個体の枝に発生した赤枯れ病。右:切断した枝(2012年7月27日)


【赤枯れ病の進行(2012.8.23)】

前回、7月27日にNo.4個体の病枝1本を切除した後、8月12日に小枝1本に病徴が出たので切除したが、その後、1週間ほどして何本かの大きな下枝が垂れ下がり、枝全体に活力が無く、萎れたような症状が現れたので赤枯れ病が進行したと判断し、8月23日に3本の枝を切除した。


左:No.4 個体の枝に発生した赤枯れ病。中:枝先に現れた葉の枯死。右:切断した枝(2012年8月23日)




【赤枯れ病の進行-2 (2012.8.28)】

前回、8月23日にNo.4個体の病枝3本を切除した5日後、8月28日に、さらに1本の枝病徴が出たので切除した。過去の症例に類似していたので赤枯れ病と判断したものである。さらに、No.6個体の枝1本にも同様の症状が確認できたので、同時に切除した。


左:No.4 個体の枝に発生した赤枯れ病。中:No.6 個体の枝に発生した赤枯れ病。右:切断した枝(2012年8月28日)

【サイズ測定 (2012.8.31)】

8月31日に個体サイズの測定と写真撮影を行った。Dataは上の表に追加した。
 No.6 個体は下枝部分が赤みを帯び、枝も垂れ下がって全体に生気がない。
 No.4 個体も下枝の一部に赤がれが目立つ(下写真参照)。


2012年8月31日の状況(左からNo.3、No.4、No.6、No.13)

【赤枯れ病の急速な進行-2 (2012.9.5)】

9月に入り、No.4とNo.6、とくにNo.6個体の病徴が急速に進行した(右写真:No.6個体(2012.9.5.)。
 そのため、この両個体を鉢から掘り上げ、鉢底および根鉢周囲の土壌をセコイア植栽地表土と入れ替えた。その際、病徴に著しいNo.6個体の枝4本と、No.4個体の枝1本を切除した。

【赤枯れ病の急速な進行-3 (2012.9.13)】

赤枯れが進行したNo.4、No.6個体の根鉢周辺土壌の入れ替えの効果は現れず、その後も赤枯れが進行し、症状はますます深刻な状況に陥っている。
とくに取るべき手段も思いつかないので、季節の進行に伴う気温の低下により、完全枯死に至る前に病状の進行が収まることを期待したまま手をつかねている(写真左:No.4個体(2012.9.9.、写真右:No.6個体(2012.9.13)



◆生存個体のサイズ測定結果(2012年9月末~2013年4月末)

測定日 2012/9/28 2012/10/29 2012/12/1 2012/12/31 2013/1/29 2013/2/28 2013/3/30 2013/4/29
個体番号 高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
No. 3 30.541x44 3045x44 3046x46 3136x33 3039x43 3045x44 3145x43 3246x46
No. 4 枯死 - - - - - - -
No. 6 枯死 - - - - - - -
No. 13 2341x39 2441x39 2440x39 2540x40 2437x38 2140x37 2440x37 2439x39
【9月末サイズ測定結果と赤枯れ病による2個体の枯死 (2012.9.29)】


2012年9月29日の状況(左からNo.3、No.4、No.6、No.13)

2012年9月28日に、9月末の各個体サイズ測定を行った。測定結果を上記策定結果表に追加した。
No.4、No.6個体の根鉢周辺土壌の入れ替えの効果が全く現れないまま、その後も赤枯れが進行し、枝先にわずかに緑白部分を残すものの生力が無く、一応、この2個体は枯死したものと判断して、サイズの測定を行わなかった。
No.3個体、およびNo.13個体は、今のところ正常に成育し、ごくわずかであるがサイズの増加が認められた。

【2012年10月末サイズ測定結果 (2012.10.29)】


写真左から No. 3、No. 13、No. 4(枯死)、No.6(枯死)個体 (2012.10.30撮影)

2012年10月29日に、10月末の各個体サイズ測定を行い、翌日、写真撮影を行った。測定結果を上記測定結果表に追加した。 9月末時点で茎頂部にわずかに緑色部を残していたNo.4、No.6個体も完全に枯死し、ひそかに期待していた幹地際付近からの不定芽発生も見られなかった。

【2012年12月1日サイズ測定結果 (2012.12.1)】


写真左から No. 3、No. 13 (2012.12.2撮影)

2012年12月1日に生存2個体のサイズ測定を行い、翌日写真撮影を行った。測定結果を上記測定結果表に追記した。 9月末測定以後、サイズの増加はほとんど見られない。

【2012年12月31日サイズ測定結果 (2012.12.31)】


写真左から No. 3、No. 13 (2012.12.31撮影)

2012年12月31日に生存2個体のサイズ測定を行い、写真撮影を行った。測定結果を上記測定結果表に追記した。サイズの変化はほとんど見られない。

【2013年の成長】
【2013年1月29日サイズ測定、31日写真撮影結果 (2013.1.29)】

2013年1月29日に生存2個体のサイズ測定を行い測定結果を上記測定結果表に追記した。
また、1月31日に写真撮影を行った。


写真左から No. 3、No. 13 (2013.1.31撮影)

【2013年2月28日サイズ測定・写真撮影結果 (2013.2.28)】

2013年2月28日に生存2個体のサイズ測定を行い測定結果を上記測定結果表に追記した。
また同じ日に写真撮影を行った。


写真左から No. 3、No. 13 (2013.2.28撮影)

【2013年3月30日サイズ測定・写真撮影結果 (2013.3.30)】

2013年3月30日に生存2個体のサイズ測定を行い、測定結果を上記測定結果表に追記した。
また同じ日に写真撮影を行った。
なお、これに先立ち3月25日に、各ポットあたり、Hyponex 4gを与えた。


写真左から No. 3、No. 13 (2013.3.30撮影)

【2013年4月29日サイズ測定・写真撮影結果 (2013.4.29)】

2013年4月29日に生存2個体のサイズ測定を行い、測定結果を上記測定結果表に追記した。また、同じ日に写真撮影を行った。
冬の間、やや褐色を帯び、くすんだ緑白色だった葉色も、気温の上昇とともに緑色の深さが増え、枝先に淡緑色の新生部分が目立つようになった。


 
写真:上段左から No. 3、同新梢部分、下段左からNo. 13、同新梢部分 (2013.4.29撮影)

【2013年5月1日 23cm深鉢への植え替え(2013.5.1)】

前回植え替え(2012年)7月以来、約10ヶ月を経た2013年5月1日に、生存2個体を23cm深鉢へ植え替えた。
鉢底にはスギ科植物植栽地表土に含まれる細根を約5cmに切断したものを入れて鉢底排水層とし、その上に、ハイポネックス小さじ1.5杯を混入した植栽地表土と赤玉土(細粒)混合土を約3cmほど敷き詰め、古い鉢から取り出したセコイアオスギを根株をほぐさずそのまま置き、周囲に植栽地表土+赤玉土混合土を充填し、上部数cmについては、赤玉土のみを充填した。
また、植え付け後、植木鉢周辺部表面に粒状有機肥料グリーンキング約5gを撒布した。


写真:左から排水層として細根入れた鉢底、スギ科樹木植栽地の表土、移植時における根系の状況(左:A3、右:A13)

写真:移植直後の状況(左:A3、右:A13)



◆生存個体のサイズ測定結果(2013年5月末~12月末)

測定日 2013/5/30 2013/6/29 2013/7/31
2013/8/29 2013/9/29
2013/10/30 2013/12/31
個体番号 高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm)枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
高さ(cm) 枝張り
(2方向cm)
No. 3 4157x51 4960x61 4858x60 4662x64 4861x59 4661x59 4760x60
No. 13 3151x41 3656x59 3657x58 3753x60 3863x58 3757x57 3762x56


【2013年5月30日サイズ測定および写真撮影

2013年5月30日に生存2個体のサイズ測定を行い、測定結果を上記測定結果表に追記した。また、同じ日に写真撮影を行った。
5月1日の植え替え以後、気温の上昇とともに、樹高の伸長及び枝張りの増大が顕著になり、1ヶ月前測定時に比べ、樹高で9cm(No_3個体)~7cm(No_13個体)、枝張りで各10cm程度の増加があった。


写真左: No. 3、写真右:No. 13(2013.5.30撮影)



【2013年6月29日サイズ測定および写真撮影】

2013年6月29日に生存2個体のサイズ測定を行い、測定結果を上記測定結果表に追記した。また、同じ日に写真撮影を行った。
5月1日の植え替え以後、気温の上昇とともに、樹高の伸長及び枝張りの増大は順調で、2ヶ月前(4月末)測定時に比べ、樹高で17cm(No_3個体)~12cm(No_13個体)、枝張りで各15cm程度の増加があった。


写真左: No. 3、写真右:No. 13(2013.6.29撮影)



【2013年7月31日サイズ測定および写真撮影】

2013年7月31日に生存2個体のサイズ測定を行い、測定結果を上記測定結果表に追記した。また、同じ日に写真撮影を行った。
この1ヶ月間において、樹高、枝張りの増加はほとんど無かった。測定数値が多少減少しているが、測定誤差の範囲と見なす。


写真左: No. 3、写真右:No. 13(2013.7.31撮影)



【2013年8月29日サイズ測定および写真撮影】

2013年8月29日に生存2個体のサイズ測定を行い、測定結果を上記測定結果表に追記した。また、同じ日に写真撮影を行った。
ここ2ヶ月間、樹高、枝張りの増加はほとんど無かった。測定数値が多少減少しているが、測定誤差の範囲と見なす。
今年の夏は非常に暑く、猛暑日が10数日間続いたが、幸い、赤枯れの兆候も現れずに経過している。


写真左: No. 3、写真右:No. 13(2013.8.29撮影)



【2013年9月29日サイズ測定および写真撮影】

2013年9月29日に生存2個体のサイズ測定を行い、測定結果を上記測定結果表に追記した。また、同じ日に写真撮影を行った。
ここ3ヶ月間、樹高、枝張りの増加はほとんど無かった。
ただし、枝葉が非常に混み合っており、下枝の幹に近い部分で枯死するものが見られる。


写真左: No. 3、写真右:No. 13(2013.09.29撮影)



【2013年10月30日サイズ測定および写真撮影】

2013年10月30日に生存2個体のサイズ測定を行い、測定結果を上記測定結果表に追記した。また、同じ日に写真撮影を行った。
ここ4ヶ月間、樹高、枝張りの増加はほとんど無かった。


写真左: No. 3、写真右:No. 13(2013.10.30撮影)



【2013年12月31日サイズ測定および写真撮影】

2013年12月31日に生存2個体のサイズ測定を行い、測定結果を上記測定結果表に追記した。また、同じ日に写真撮影を行った。
冬季低温期のため顕著な変化は見られない。次回測定は2月末の予定。


No. 3(左)、No. 13(右)(2013.12.31撮影)



◆生存個体のサイズ測定結果(2014年3月~)

測定日 2014/3/1 2014/3/31 2014/4/29 2014/5/30 2014/6/29 2014/7/30 2014/8/30
個体番号 高さ(cm)枝張り
(2方向cm)
高さ(cm)枝張り
(2方向cm)
高さ(cm)枝張り
(2方向cm)
高さ(cm)枝張り
(2方向cm)
高さ(cm)枝張り
(2方向cm)
高さ(cm)枝張り
(2方向cm)
高さ(cm)枝張り
(2方向cm)
No. 3 4860x61 4763x58 4863x56 5064x60 5369x71 5465x64 5466x67
No. 13 3860x61 3759x57 3761x60 4163x57 4573x69 5168x67 5070x69
測定日 2014/9/29 2014/10/30 2014/11/30 2014/12/31
個体番号 高さ(cm)枝張り
(2方向cm)
高さ(cm)枝張り
(2方向cm)
高さ(cm)枝張り
(2方向cm)
高さ(cm)枝張り
(2方向cm)
No. 3 5471x63 5472x68 5570x69 私市植物園へ寄贈
(2014/12/17)
No. 13 5070x74 5071x65 5078x64 5171x67
【2014年3月1日サイズ測定および写真撮影】

2014年3月1日に生存2個体のサイズ測定を行い、測定結果を上記測定結果表に追記した。また、同じ日に写真撮影を行った。
冬季低温期のため高さ、枝張りの測定値に顕著な変化は見られなが、褐色がかった白緑色だった葉色に緑の鮮やかさが増したように感じられる。ここ数日続いた温暖な気温に反応したのかもしれない。


No. 3(左)、No. 13(右)(2014.3.1撮影)



【2014年3月9日植え替えと写真撮影】

2014年3月9日に生存2個体の植え替えを行った。
新しい植木鉢は上部口径28cm、深さ24cm程度で、鉢底にスギ科植物植栽地表土採取時に混入した細根を排水層としておき、その上に、スギ科植物植栽地土壌と赤玉土(小粒)+バーミキュライト(等量混合)+園芸用木炭(10%ぐらい)を混合した用土を3cm程度充填したところへ鉢から抜き取ったセコイアオスギをおき、周囲に上記用土を充填した。
抜き取り時のA3個体(根系写真左)根系はA13個体(根系写真右)に較べかなり少ないように見えた。
葉の色はサイズの大きいA3個体でまだ褐色がかっているのに対し、サイズの小さいA13個体で緑色が強くなっている。


No. 3(左)、No. 13(右)(2014.3.9撮影)

【2014年3月31日サイズ測定および写真撮影】

2014年3月31日に生存2個体のサイズ測定を行い、測定結果を上記測定結果表に追記した。また、翌日(4月1日)に写真撮影を行った。
高さ、枝張りはともに前回測定値とほとんど同じであったが、葉色は明らかに緑の鮮やかさが増し、低温期特有の褐色がかった白緑色を脱却した。


No. 3(左)、No. 13(右)(2014.4.1撮影)



【2014年4月29日サイズ測定および写真撮影

2014年4月29日に生存2個体のサイズ測定を、また、4月30日に写真撮影を行った。測定結果を上記測定結果表に追記した。高さ、枝張りはともに前回測定値とほとんど同じであった。


No. 3(左)、No. 13(右)(2014.4.30撮影)

【2014年5月30日サイズ測定および写真撮影】

2014年5月30日に生存2個体のサイズ測定を行い、31日に写真撮影を行った。測定結果を上記測定結果表に追記した。5月に入り、新梢・枝先に伸張が見られ、樹高・枝張りともに前回測定値をやや上回った。
なお、測定に先立ち、5月26日に各鉢あたりハイポネクス15ccを与えた。


No. 3(左)、No. 13(右)(2014.5.31撮影)

【2014年6月29日サイズ測定および30日写真撮影】

2014年6月29日に生存2個体のサイズ測定を行い、30日に写真撮影を行った。測定結果を上記測定結果表に追記した。6月に入り、新梢・枝先にかなりの伸張が見られ、樹高・枝張りともに前回測定値を上回り、特に枝張りの増大が目立った。
なお、写真撮影と同じ日に各鉢あたりハイポネクス15ccを与えた。


No. 3(左)、No. 13(右)(2014.6.30撮影)

【2014年7月30日サイズ測定および写真撮影】

2014年7月30日に生存2個体のサイズ測定と写真撮影を行い、測定結果を上記測定結果表に追記した。7月に入り、No_13個体の新梢・枝先にかなりの伸張が見られたが、No_3個体では樹高・枝張りともに顕著な増大はなかった。


No. 3(左)、No. 13(右)(2014.7.30撮影)

【2014年8月30日サイズ測定】

2014年8月30日に生存2個体のサイズ測定を行い、測定結果を上記測定結果表に追記した。7月測定後、両個体ともサイズにほとんど変化がなかった。 また。8月31日に写真撮影を行った。


No. 3(左)、No. 13(右)(2014.8.31 撮影)

【2014年9月29日サイズ測定】

2014年9月29日に生存2個体のサイズ測定を行い、測定結果を上記測定結果表に追記した。8月測定後、両個体ともサイズにほとんど変化がなかった。なお、9月30日に写真撮影を行った。


No. 3(左)、No. 13(右)(2014.9.30 撮影)

【2014年10月30日サイズ測定】

2014年10月30日に生存2個体のサイズ測定と写真撮影を行い、測定結果を上記測定結果表に追記した。


No. 3(左)、No. 13(右)(2014.10.30 撮影)

【2014年11月30日サイズ測定】

2014年11月30日に生存2個体のサイズ測定と写真撮影を行い、測定結果を上記測定結果表に追記した。測定方向の違い、測定誤差を考えれば、サイズには大きな変化はなかった。


No. 3(左)、No. 13(右)(2014.11.30 撮影)

【2014年12月11日】No.3 個体の大阪市立大学理学部附属植物園への寄贈

2014年12月11日にNo.3 個体を大阪市立大学理学部附属植物(私市植物園)へ寄贈した。No.13個体は栽培を継続し、経過を観察する。

【2014年12月31日サイズ測定】

2014年12月31日にNo.A-13個体のサイズ測定を行い、測定結果を上記測定結果表に追記した。



以後の成長経過は、2012年植栽分とあわせて「栽培記録-C」として記載を継続する