2000年7月13日(木)
札幌:クラブミラー


●セットリスト

  1. 女を捜せ
  2. ダブルバーガー
  3. 愛の薬
  4. MP
  5. セックスサファリ問題OK
  6. ハニーフラッシュ

田島貴男 (VOCAL and GUITAR)
L?K?O (TURN TABLE)



さかまき 最前列かぶりつき(田島の前)

「ORIGINAL LOVE ROCK NIGHT」 OPEN 20:00, CLOSE 23:30

TALK LIVE   (CRJ公開トークイベント O.A 7/17)
 ★田島貴男(ORIGINAL LOVE)
 ★Talk MC:Tetsuya
LIVE
 ★Merorobo
 ★アナログキック&デジタルチョップ
DJ
 ★L?K?O  and more

フライヤーには以上の予定。他に『ビッグクランチ』先行試聴パーティもあるとのこと。

 19時ごろに会場前に着いたとき、並んでいる人はいなかった。スタッフらしき人たちがいたので何時から入れるかを訊くと、「19時半に来て下さい」と言って入場整理券を渡された。No.007。
 30分後に来ると、少し人数が増えていた。が、目の前で整理券を貰った人が「20番」と言っている。出足が鈍いか? 実際に入場したのは20時ジャスト。後ろを振返ると、50人くらいには増えているようだった。

 中に入ると、キャパが150人くらいの小さなクラブだった。ステージ若干左寄りのかぶりつきを占拠。もしライヴをやったら、田島が目の前で歌うぞというようなところ(この時点では「トークライヴ」としか思っていない)。
 ステージでは皿を回している人がいて、それで30分。最後には「シャングリラ」の元ネタとか「ディア・ベイビー」を素材にしたりとかで、ほのぼのとしたプレイだった。ここで後ろを振返ると、会場はすっかりすし詰め状態。

 スピッツのギタリストみたいな頭の MC が出てきて(彼もテツヤだったっけ)、ライヴタイムがスタート。「オリジナル・ラヴをリスペクトする地元札幌の2バンド」というわざとらしい紹介だったが、演奏を聴くとどちらもそんなことはなかった(笑)。けれども、典型的で好対照な二つの"ロック"バンドがよい「前座」となって、『ビッグクランチ』の曲を聴くための準備をしてくれたと思う。今晩のイヴェントはまさに「ROCK NIGHT」だった。

 最初のバンドの演奏が終わると、ツアーで聴きおぼえのあるリフがBGMに聴こえてきた。「女を捜せ」! これがどどうやら「先行試聴パーティ」のようだ。「女を捜せ」はツアーの時とあまり変わった印象はなかった。1曲目が終わり次の曲をじっくり聴く。どうやら「地球独楽」らしい。何度も転調する曲で、かなりの大作のように聴こえた。「STARS」をさらにスケールアップさせたような曲の印象だった。次の曲は、アルバム通りにかけているなら「愛の薬」のはず、とあたりを付けて聴くと、実際にそういうフレーズが聴こえてきた。「地球独楽」もミディアムな曲だったが、「愛の薬」はさらにメロウな感じだった。どちらも音の飾り具合がものすごくゴージャス。ここまででステージが整い、二つめのバンドの演奏がはじまった。

 次のバンドの演奏がが終わると、田島のギターとL?K?Oのターンテーブルがステージに準備され始める。目の前にいつものシーケンサーとマイクスタンドが用意され、床にはセットリストが貼られる。覗き見ると6曲らしい。
 BGM のニューアルバムはさっきの続き、「愛の薬」から。ライムがよく聞き取れないが、ヒップホップの影響を受けたと言うのはこれなのか。そうなると次は例の「セックスサファリ問題OK」のはず!と構えていると、アフリカっぽいリズムが。タイトルのバカバカしさからは、ちょっと想像がつかないスケール感の大きい曲。L?K?O のサンプリングも印象的な1曲。続いてバラード。「ショウマン」なのだろう。「Crazy Love」ではなく「アイリス」以来のどバラードかなぁ…と完全に聞き取れないところで、フェードアウト。

 結局『ビッグクランチ』の「A面」を聴けたわけだが、どの曲も『DESIRE』のとき以上の密度の濃さを感じたし、緩急のバランスも取れていた。「もう!今度は!すごい傑作ですっ!」といういつもの田島の言葉も、これは額面通りかもしれない、という予感。

 ここでふたたびMC登場。トークイヴェントではなく演奏をする、という紹介!
 まずはプチ・アフロヘアの L?K?O が現れ(ってすでに自分の機材のセッテイングを行っていたのだけど)、そして田島登場。エンジ色のポロシャツに、ジーンズ、スニーカーと、絶対その格好で昼間ラーメン食ってたろう!といういでたち。

 見上げた位置に田島。合間にあるものはモニター用のスピーカーだけ。田島のギターの音はスピーカーからではなく本体から聴こえた。

1. 女を捜せ
2. ダブルバーガー

 ツアー時とほぼ同じ。そのときとは違うと言われる歌詞は、きちんと聞き取れず(そんな余裕もなかったし)。
 全体にも言えるのだけれど、ギターとターンテーブルだけというシンプルな編成ながら、音はヴォリューム感があった。『ビッグクランチ』がふたりの共同作品であるという証左なのかもしれない。

3. 愛の薬
 足を広げて太股をさすりながら歌う田島。シャツの裾をチラリと撒くしあげるたびに、黄色い歓声が。タイトルどおり、かなりエロエロな歌詞のよう。言葉を短く繋ぐあたりがヒップホップの影響か。本当にその手が自動的に「ああ」なっている。(⇒「バースト!」第56回

4. MP
 既にここまでのライヴイヴェントで演奏されていたもの、自分はまったくはじめて聴く。これはツアーの「ブロンコ」が元になってるんでしょうか。非常に複雑な曲で、身体をノせるのが精一杯。
 これもヒップホップが強く入った曲で、田島の「手」はさらに止まらない。元の田島ダンスと組み合わさって、もうわけわからん状態。

 今日はなんだか張り詰めた表情の田島。さすがに初演の曲が多いので緊張しているよう。1曲ごとに、譜面台のコードらしきものを入念にチェックする。準備にとまどっているようだったので「次の曲はなにー?」と声をかけたら、「次は、『セックスサファリ問題OK』という曲です」。

5. セックスサファリ問題OK
 ついさっき「試聴」したときは、L?K?O のサンプリングが非常にフィーチャーされて聴こえたし、アフリカンなリズムもドラムなしで大丈夫なのか?と早くも心配だったのだけど、さすがずっと二人で作っていただけあって、しっかりとした演奏だった(ドラミングはリズムマシーンを使用)。小刻みな縦ノリの曲。最後は鳥の声のサンプリングで終わる。両手で小鳥のマネをする田島(バカ受け)。

 「次で最後になります」と、ブーイングの中、いつものイントロが。

6. ハニーフラッシュ
 ギター一本のせいか、あまり刻んでませんでした。今日はアメリカン・ショースターの出番がなく(ステージには用意されていたけれども)、ずっとファイアバード。
田島の蹴りが顔面に入りそうになる。最後はステージ中央で両足を掴まれ動けない田島。(ギターのコードをブンブン振り回してました < 自分)

 「ありがとうっ!」で二人ともステージを降りる。アンコールの拍手は止まず、L?K?O のみ帰還。どうやら「DJプレイ」らしい。「ちょっと休ませて」というので「ごゆっくりー!」と答える。
 L?K?O のソロプレイははじめて観た。楽器としてのターンテーブルの役割がよくわかる絶好の機会だった。左手の指の動きがその秘訣らしい。レコードのスネアの音の部分だけを何度もコスってリズムを取ったりもしているようだった(本当にそんな風にできるのか知らないが…)。選曲よりもそういう技を見るべきプレイヤーなのだろう。みんな一心不乱に見つめるものだから「普通にDJしているだけだからねー」と恥ずかしそうに叫ぶL?K?O。しまいにはコスリで拍手をもらって照れていた。次のツアーでは、開演前にでもプレイしてくれればいいのに。

 最後にMC登場で、冬ツアーの予告をして終了。外に出ると23:00だった。
 そのあと、行き着けのビアバーへ行き、ハンバーガーをダブルで頼んで食べた。満腹。



前座バンドについても。

 「Merorobo」はスリ−ピ−スバンド。SONIC YOUTH 的チューニングでノイズをまき散らし、ドゥームっぽい音でキャッチーなリフを刻む。もしほんとにオリジナル・ラヴをリスペクトしてるのなら、相当なマニアでなければならない(笑)。ベースのTシャツが「Blanky Jet City」で、それが如実にバンドの方向性を物語っていた。音のまとまりが良かったので聞き苦しくはなかった(自分はね)。

 その演奏後、最初の「試聴」の合間に、無遠慮なガキどもが隣(最前列)に割り込んできた。「今日はオリジナルラブのイベントなんだからさぁ」とわざとらしいことを言いながら。どうやら次のバンドのグルーピーらしい。バンドメンバー自体もいわゆるスケーターズ・ルックで、やたらとチャラチャラしている。MC も「オリジナル・ラヴにタイマンを売りに言ったんだけどさぁ、『関係者以外立ち入り禁止』で控え室に入れませんでした〜」というもの。
 そんな「アナログキック&デジタルチョップ」、音楽はかなりよかった。ヘヴィネスからジャズまで扱うミクスチャーなんだけど、どの曲もイントロからキャッチーで、メロディーラインもしっかりしている上、黒いノリもしっかりと抑えてある。要は正統的な「不良の音楽」というわけだ。たぶん、オリジナル・ラヴなんて聴いたこともないんだろうなぁと思っていたら、メインの終演後、最後列で目撃した(ちゃんと聴いてたのね)。


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