考察・「オリラヴ・ジナラヴ禁止令」の背景 (2000.1.12記)

 1999年7月28日「オリラヴ(ジナラヴ)禁止令」(以下「禁止令」)が田島貴男本人より発令されました。

原文はこちら ※URL移設に伴い残念ながら消えています

 同時に、どうしても略称で呼びたい場合は「OL」(オーエル)と呼んでほしい、との「御達し」も出ました。しかし、当時 WEB で見ていた一部のファン以外には、ほとんど知られていないのが実情のようです。

 「ジナラヴ」「オリラヴ」の歴史

 そもそも、「使用禁止」となったこれらの略称ですが、歴史/由緒的には「ジナラヴ」の方が古いものでした。

 「ジナラヴ」は思いのほか古く、前身名「レッド・カーテン」から「オリジナル・ラヴ」へバンド名を変えたときのライヴにまで遡ります(1987/07/12の新宿LOFTだそうです)。このとき、ギターの村山氏が「『ジナラヴ』と呼んでください」と言ったのが始まりだそうです。

 一方の「オリラヴ」は、『ROCKIN' ON JAPAN』誌の山崎洋一郎氏が言い始めたのが最初であるようです(確認できた最も古いものは、1992年9月号の記事タイトル「オリラヴのポップスはロックを殺せるか?」です)。

 それまでの立場

 禁止令によれば、田島自身は略称の使用について「心証を害していた」と述べています。もちろん田島自身、略称を使うことはほとんどなかったことは、注意深い人ならば覚えているはずです。しかし、それまでは「どちらでもい」という姿勢であったのもまた事実。

 実際、「オリラヴの父」(?)である『ROCKIN' ON JAPAN』の山崎氏は、インタヴュー内でも「オリラヴ」と言っているのですが、田島がそれを制止したフシはありません。また、1997年頃の DATE-FM(仙台)の番組では、ファンからの質問にまさに「どちらでもいい」と答えていました。さらに禁止令の少し前、『XL』が発売された時のインタヴューでは、「ティラノザウルス」のライヴヴァージョンについて自ら「オリラヴ風スラッシュ」と言ってもいました(これは珍しい例です)。

 つまり「心証を害していた」というのは、禁止令にあたって語気を強めた言い方なのでしょう。もちろん、デビュー以来10年もの間、略称に苦しんでいたと考えるのはナンセンスなことです。なぜなら、禁止令は「FROM ORIGINAL LOVE」の5番目の記事でした。もし10年来の積念があったのなら、ツアーのお礼の後くらいには早速書いてもよさそうなものです。

 急に禁じた理由?

 しかしなぜ田島は禁止令を出したのでしょう。この号令、いくら読んでも「好ましく思っていなかった」という以外には、ハッキリとした理由はわからないままです。

 むしろ、略称などどうでもいいのですから、ハタから見るとかなりバカバカしもく見えます。「また気紛れなヤツ…」と思っている方も多いでしょう。

 むろん、本人に聞いたわけはないのですが、おそらく、「OFFICIAL WEB SITE」の開設により、田島へ直接メールを出せるようになったのが原因だったのではないでしょうか。つまり、開設と同時にファンレターが殺到したはずなのですが、ここで怒涛のような「オリラヴ」「ジナラヴ」攻撃に遭ったというのが、私の勝手な推理です。

 禁止令のすぐ前のメッセージには「(いただいたメールは)すべて読ませてもらっていますよ!」とも書いてあります。こんな上機嫌なメッセージの次が、例の禁止令だったわけです。これにはかなりのインパクトがあったものですから、私はこのとき、田島は裏でこんなことを考えていたんじゃないかと思えてしまいました。

 俺がやっているのは『オリジナル・ラヴ』であって、断じて「オリラブ」でも「ジナラブ」でもない。そんなに略して言いたけりゃ、使うのがバカバカしくなるような略称を俺が考えてやる!

 私自身は「OL」という略称は、不自然でセンスないと思っています。そこを逆手に取って略称の不毛さを浮きぼりにしている田島の巧妙な戦略なのだ、と思っているのですが、まぁそれは考え過ぎなのでしょう。

 

 ちなみに gina@love.email.ne.jp という私のアドレス(ASAHIネット)は、「original@」が取れなくて、深い考えもなく書いた第二希望の ID でした。2年も昔のことなので、まぁ大目に見て下さい。 > だれとなく


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