ORIGINAL LOVE presents《BURST!》

第91回 (2000年12月21日放送)


<オープニング>
T「今日はお馴染みホッチャレーベルの小林ヒロユキ氏がクリスマスなら
 ではの企画を携えて今か今かとスタンバっております。」
M-01.R&R/オリジナルラヴ

<近況>
 いよいよビッグクランチツアー今日(オンエア日)が最終日。今俺ライ
ヴやってます実は(笑)。ライヴやりながらこのラジオ放送ね…僕のクロ
ーン人間にちょっと今頼んでる訳でありますが……。で、今回のビッグク
ランチツアーはなかなかドラマチックでしたね。涙あり笑いあり温泉あり
みたいな感じでホントにいい年こいた青春の1ページみたいな。そう、みん
な野郎ばっかでね、色気ねーのに楽しいなーみたいな、ちょっとほろニガ
あまずっぱいみたいな。なんかね、いつにないそういったムード漂うビッ
グクランチツアーでありましたねー。なかなか幸せなひとときだったと思
いますけれども。そういう事を振り返ったりして。

<今週のリコメンド>
 アクセル4の新譜が出ますんでちょっとかけたいと思います。これが前
回よりもバージョンアップしてるっていうかパワーアップして、より演奏
もグルーヴもクオリティが上がってるなと思いました聴いて。このバンド
はあのギターウルフのセイジくんの弟さんがやってるバンドでありまして。
革ジャンに油を塗ってライターで火をつけて火だるまになりながらギター
弾いたりとか非常に危険なバンド。1stアルバムはやっぱりお兄さんの影響
強いのかなーというような、あーいったこうヒズミ音のロックバーン!と
なってたんですけど、今回のこの新譜はちょっとそっから一皮むけまして
ですね、お兄さんのギターウルフとはまたちょっと違う切り口、違う個性
を見つけたのか!と思えるような曲ですね。カッコイイですねこれ非常に。
では第三京浜の曲を聴いてみたいと思います。

M-02. ケイヒンザサード/アクセル4

 カッコイイですねこれ。はい。

<談話室バースト!>
ゲスト:小林ヒロユキ(ホッチャレーベル)以下:K

T「今日のお客様はクリスマスならこの人!ホッチャレーベルの小林ヒロ
 ユキさんです。どーも。」
K「(笑)どーも。よろしくお願いしまーす。この間カッコ良かったです
 ライヴ。」
T「いやいやどーも。ありがとうございます。今日はでもさーホントクリ
 スマスらしいアーティスト持ってきて頂いて。」
K「(笑)どうなんでしょうか。僕的にはバッチリなんですけど。ハロウ
 ィンのほうが似合ってたりするのかもしんないですけど。」
T「あー。」
K「『クランプス』という…」
T「クリスマスにクランプス聴く悲しいヤツ。」
K「悲しいヤツ…1人で聴くヤツ。」
T「(笑)」
K「ま、いいんじゃないでしょうかね。アメリカではありそうな感じなん
 ですけど。」
T「そもそもクランプスというこのバンドはどういったバンドなのか解説
 して頂いて…」
K「まあ一言で言うと、80年代中期ぐらいに『サイコビリー』っていうム
 ーブメントがあってそれの一応火付け役とは言われてるんですけど、な
 んかイギリスではゴシック系のバンドとリンクしてたりとか一筋縄では
 いかないんですけどね。バンドの構造は一応まあロカビリー…何て言う
 んですかね、軽いディレイがかかったなんか…」
T「そう。ベースレスなんだよね。ドラムとギター2つとボーカル。」
K「時々ファズが入ったりとかして、凄くシンプルでビートもなんかタム
 しか叩かないような感じのドンドコリズムみたいなプリミティブなビー
 トです。ただそこにボーカルが…」
T「震えてるボーカル。♪ウウウ〜」
K「そうそうちょっと…なんて言うんですか、エルヴィスが歌ってるあの
 唱法。あんな感じに影響受けた…」
T「そうですね。なんか壊れちゃったエルヴィスみたいな。」
K「ですね。で、活動歴はもう76年ぐらいから…」
T「随分前からやってるよね。」
K「もうニューヨークパンクのね…」
T「そうですねそうそうそう。パンク・ニューウエーブの時からもう全然
 あって。」
K「で、今だに現役で。」
T「今だにやってる。」
K「やってると。で、その中心メンバーとしてボーカルのラックスインテ
 リアっていうちょっとフランケンシュタインっぽいルックスのアブナイ
 ヤツと…」
T「ちょっとヴェルヴェッツを彷彿させる…」
K「そうですね、イギーポップとかそんな感じ。で、もう1人ギターの…
 奥さんでありお互い凄いコレクター友達みたいなところもあるんですけ
 ど、ポイズンアイヴィーっていう…」
T「ね、凄いカッコイイよね。」
K「カッコイイですね。その2人を中核にして活動は継続中なんですけどね」
T「あのギターのおじいさんは?」
K「ギターのおじいさんはもう70…80年代に辞めちゃったのかな?」
T「あ、そうなの?」
K「もういないんですよね。」
T「あの金髪の変なおじいさん。あのおじいさん大好きだったのに俺。」
K「あの人が一番凄いんです。と、マニアな人はそう言う(笑)。」
T「(笑)」
K「マニアな人はあの人が一番いいって言う。」
T「僕あの人がボーカルなのかと思ってたずーっと。」
K「(笑)」
T「なーんだ…」
K「日本にも2回程来日してますね。」
T「あーー。へえー。観たかったなー。」
K「1回目はエムザ有明?」
T「エムザにクランプス?!似合わねーな。」
K「エムザってありましたよね?(笑)」
T「あったあった。」
K「あそこで1回やって。で、あとは2年ぐらい前にギターウルフと一緒に
 ダブルヘッドライナーでツアーやってましたね日本では。」
T「あ、そう!へえーホントに。観たいなー。」
K「アメリカでは年に1回クランプスだけがこうヘッドライナーでやる
 イベントがあって。今だに欧米では根強い人気があるんです。」
T「そうかもね。これ何処なの?サンフランシスコの人達?」
K「元々はニューヨークですね。クリーブランドっていうか、ニューヨーク
 周辺のあそこらへんの東海岸に面した所ですね。で、今はサンフランシ
 スコに移ってるのかな?確かそんな感じですね。」
T「あー。」
K「ま、ともかくアメリカのバッドカルチャーの申し子と。」
T「そうだね。カッコイイよ。」
K「スカムですからね(笑)。」
T「センスがめちゃいい。一個もハズしてないもんね。デザインからファッ
 ションからさ。」
K「ハズしてないですね。そのトータルになんかもう…」
T「トータルで全部カッコイイっていう。」
K「片や表がラモーンズで裏がクランプスみたいな。」
T「あーなるほどねー。」
K「そういうあれはあるかもしれないですねニューヨークパンクの。」
T「ちょっとなんかさーデザインのセンスあるよねこの人達。」
K「ありますね。」
T「ひょっとしたらデザイナーなんじゃないか?このボーカルの人。」
K「アメリカンポップアートっていうか…ポップアートなんですよね。」
T「あー、この水玉のフライングブイとか。あのラメラメのスーツとか。
 あと全裸とかさ(笑)。」
K「(笑)全裸は誰でも出来んのかもしれないですけど。」
T「僕はあれロンドンナイトでさ…」
K「全裸だったんですか?(笑)」
T「そんな事ない(笑)。古い話すけど、よくかかってたじゃないですか、
 コミニュケーションとかさ。」
K「あー。♪キャンユープッシートゥーザ…」
T「そうそうそう。あれで踊ってましたね。」
K「(笑)流れてました?あの曲。」
T「そう。で、やっぱベースがないってのがポイントだと思うんですよ。」
K「そうですね。ま、今現在はもうベースが入ってるんですけど。」
T「あ、そうなの?!ウソ!つまんないじゃんそれ。」
K「いやそれがまたちょっと変なベースでファズかかってるんですよ(笑)」
T「あー…へえー。」
K「結構面白かったりするんですけどね。」
T「あ、そうですか。」
K「でもベースレスだった頃は凄いですね。」
T「うーん。変な音だよね。」
K「今で言うまあジョンスペンサーの先駆けみたいなところがあったんです
 けど。」
T「そうですね。」
K「そのスカスカ具合が素晴らしい。」

***
T「じゃあ曲のほうを早速クランプス。1曲目。」
K「はい。まあこれが…いつだろうな?結構前に出たニュージーランドでの
 ライヴですね。」
T「ほおー。」

M-03.ホットパールスナッチ/クランプス

T「カッコイイですねー。」
K「カッコイイです。」
T「このギター。絶妙ですね。」
K「素晴らしい。上手くないっていう(笑)。」
T「そう、上手くないけどこのキレル瞬間がサイコー。ガーーーー!!」
K「で、また元に戻るっていう(笑)。効いてますね。」
T「これはこの奥さんが弾いてんのかな?」
K「奥さんです。」
T「すーごいセンスですねー。」
K「ホントに末恐ろしいバンドがいたもんですね20世紀は。何言ってんの
 かよくわからないですけど(笑)。」
T「(笑)という事で今日は小林ヒロユキさんと『クランプス特集』をお
 送りしてます。クリスマスだしね。」

***
T「ここに今本があるんですけど。クランプスの資料本?」
K「そうですね資料本で。写真とディスコグラフィーと。ま、彼らの…」
T「これ直筆のサインですね!」
K「サンフランシスコ行って僕もらってきたヤツで。」
T「うわー!へえー。」
K「ポイズンアイヴィーしか読めないんですけど(笑)。」
T「あ、ホントだ(笑)。これはコンサート会場で売ってるヤツなの?」
K「いやこれは限定で何年前かに出たんですよね。それをちょっと偶然入
 手できて。向こう持ってったら『こんなのオマエよく持ってるな』って
 言われて。」
T「へえー。これはでも見てて飽きないですね。いちいちカッコイイです
 ねこれ全ページ。」
K「アート感覚溢るるというか。」
T「何て言ったらいいのかなこのセンスは…なんかこうデカダンスと…」
K「デカダンスとちょっとホラーとロカビリー…」
T「ホラーとヒップ…うーーん。」
K「常々僕思うんですけど、デヴィッドリンチの世界観にも凄く…」
T「ちょっと近いね。」
K「もうちょっとこう…何ですかね?アンダーグラウンドなんだけどポッ
 プだし…」
T「ポップだねー。」
K「この感じ凄くいいですよね。」
T「ちょっとヴェルヴェッツの感じもするんだけどね。」
K「ありますね凄く。」
T「で、クランプスは全部持ってるんですか?」
K「最近エピタフとかに移籍してからのヤツはあんまり…まあこんな事言っ
 たら怒られるかもしんないすけど、あんまり興味が無く。ライヴは素晴
 らしいんですけど音はややハイファイな音になってて…」
T「えー…」
K「ボトムが出過ぎちゃっててあんまり…。この当時のクランプスの良さが
 もう消えてるんですよね。さすがにそこまではコレクトもしない事にし
 たんですけど。」
T「うーんなるほどなー。でもまあ今だにやってるってところが…」
K「そこはリスペクトですね。」
T「カッコイイですよねホントに。70才ぐらいになってもやるんじゃないか
 みたいな。」
K「いや、やるでしょうね。」
T「(笑)一生これやってる…」
K「ソニックユースとクランプスだけはずっと続けてて欲しいですね。」
T「あーそうだね。」
K「そんな気がします。」

***
T「はい。ではクランプスの次の曲。」
K「次は初期の代表曲で『ヒューマンフライ』っていう曲なんですけど。」
T「これなんか聞いた事あるな。」
K「これはもう凄い有名な曲で。80年のFMエアチェックした音源のブート
 CDなんですけども。恐縮です。」

M-04.ヒューマンフライ/クランプス

T「最高ですねこれも。」
K「凄いです。当時の生々しいこうアトモスが伝わってきますね。」
T「うーん。ヘタだよねー。ヘタだけど…」
K「この味は出ない。普通のヘタさじゃないですからね(笑)。」
T「蠅が飛んでる感じするもん(笑)。」
K「いやーもうアメリカが誇っていいバンドじゃないですかね。」
T「そうね。歌がまたいいんだよなんか。歌のムードがね。」
K「やっぱり彼なりにエルヴィスとかに影響受けてるんだと思うんですけ
 ど…」
T「なかなかこうゆうダメなムード出すの難しいと思うんだけど凄いいい
 ですよね。」
K「もの凄いコレクターらしいんですよ当時の7インチの。」
T「あ、そうなの?」
K「ドゥワップから何からカーーっ!ってもう。ロカビリーのコレクター
 としては世界で夫婦としては随一っていうかもうそのぐらいの。コレク
 ター紳士録とかに出てるような感じの人ですよ。」
T「へえー。」
K「時間があればもっと…ツアーの裏話とか実は知ってて…」
T「どうゆうの?」
K「いやもう凄いんですよ。ギターウルフ昔担当した時にサンフランシス
 コまで僕、ギターウルフ前座だった時について行ったんですけど。彼ら
 ツアーにマジで熱心で、酒一滴も飲まないし…」
T「ええーーっ?!」
K「ステージでは暴れるんですけれども、酒とかその日は打ち上げ絶対し
 ない、当然なんですけどロードツアーで長いですから。で、会場の後ろ
 にでっかいバスが止まってて。そこから一歩も出ないんですよステージ
 始まるまで。」
T「へえー。」
K「で、ギターウルフのセイジさんが…彼らはラックスとポイズンが主要
 メンバーでバンドの運営も彼らがしてるんですが…他の2人のメンバー
 は殆どサポートみたいな感じがする20代前半ぐらいの若者。で、アンノ
 セイジがそこで若者のドラマー一応正式メンバーなんですけど捕まえて
 酒ガンガンに飲ましちゃったんですよ。次の日ポイズンアイヴィーに大
 説教くらって…」
T「セイジ君が?」
K「うん。」
T「(爆笑)」
K「『お酒なんか飲ましちゃダメじゃない!うちの若いモノに!』とかっ
 つってもの凄い剣幕で怒られて。もうあん時は怖かったってホントに。
 セイジさんが言ってました(笑)。」
T「(笑)」
K「凄いんです厳しいんですよ。プロなんですよねだからそういう…」
T「やっぱりプロ根性として、こういうアホアホショーを命懸けでやって
 る訳だ。」
K「でもホント間近で観るとヤバイですよ。こんなエンターテイメントっ
 つうか、究極ヤられると…うわぁ…こんな50ぐらいのおっさんがそんな
 事やってる…もう涙が出てきますよねなんか。」
T「へえー。」
K「しかも一度も解散してないってのがまた素晴らしくて(笑)。」
T「(笑)」
K「ま、そんな裏話もありました。」
T「なるほどね。やっぱマジでやってるんだね。」

***
T「じゃ、ネクストソングを。」
K「これも初期の代表曲で。『TV SET』って曲があるんですけども。これ
 は1stアルバムに入ってるのとは別バージョンですね。」
T「お!うす!」 

M-05.ティーヴィーセット/クランプス 

T「いい曲だね(笑)。」
K「いい曲ですね(笑)。ギターヤバイです。」
T「(笑)いい曲っつんだろかまあでも。なんかこうムードがね。これギ
 ターソロ凄いすね。」
K「なんなんでしょう。」
T「ポイズンアイヴィー凄いセンスしてますね。どうやったらあんな音出ん
 だろ?♪キーックカカカゴーッとかって何弾いてんのかなーみたいな。」
K「わかんないですね。金属板かなんかでこすってるような感じ。」
T「そうねー。いやいやいやいや。今このクランプスの本を見ていたらね、
 ジョンウォーターズの写真が出てて。」
K「ジョンウォーターズとか結構そこらへんとも繋がりがあって。」
T「なんか仲良さそうだよね。」
K「でしょうね。ディバインを介していろいろ付き合ってたりする人脈とか
 も似てると思うんですよ。」
T「これほんとジョンウォーターズのセンスだもんな。面々としたこの…」
K「『ポリエステル』とか『ピンクフラミンゴ』とかのね。」
T「そうですね。うーん。カッチョイイっすね。」
K「ここらへんがね日本人がなかなか当時は理解できなかったんでしょう
 ね。」
T「そうじゃないかなー。うーーん。」
K「今だからこそ多少ガレージに対して認知度が高まってきただけにクラ
 ンプス。でもやっぱりオリジネイターとして全然違いますね今のガレー
 ジバンドとはもう。」
T「違うねー。」
K「もう持ってる雰囲気が全然…」
T「全然違う。もっとむちゃくちゃポップよ。おしゃれだよね。この全身
 革のスーツで何故かパンプスを履いてるっていうさ(笑)、こーれ凄い
 っすよね。凄いセンス。」
K「普通じゃないですね。」
T「なんかそれぞれの衣装がカッコイイもんな。」
K「ま、自前でしょうね。」

***
T「今日はまだあんだっけ?曲。」
K「あと2曲実は。」
T「あ、ホントに。じゃもう曲いっちゃいましょう。」
K「次は僕が一番好きな2ndですね。キッドコンゴパワーズっていう…後
 のニックケイヴ&ザ・バッドシーズに入るギタリストなんですけど。
 彼が入ってからもの凄くゴシ色が強くなって『サイケデリックジャン
 グル』っていうアルバムを出すんですけど、その中の一番僕が好きな
 曲を。」

M-06.アンダーザワイヤー/クランプス

T「はい。♪エーーーーー …って感じ。」
K「もう凄いですね。」
T「♪エーーーーーー …何が言いたかったんだろう。」
K「うーん意味不明(笑)。」
T「(笑)。これ歌がカッコイイね。」
K「やっぱちょっとヤバイですね。」
T「歌の雰囲気…語り部として凄いすよね。」
K「で、どうせ歌ってる内容はホラーの事とか、そういうくだらない事ばっ
 かなんですよね。」
T「あ、そうなんだ。」
K「うん。『俺は10代の狼男だ』とかそんなんばっかで。」
T「(笑)」
K「要するにティーンの気持ちの…50'sのそのロードムービーっちゅうか、
 バイオレンスムービーとかの歌の内容なんですよね。」
T「へえー。」
K「もう歌の意味は無いですね殆ど。だからふざけてんですね基本的に。」
T「基本的にそうだね。」
K「バカなんですね(笑)。」
T「バカロック。『バカロック聴いていいクリスマス』みたいなね。」
K「そうそう。もうこれで楽しく過ごしましょう。」
T「ねー。」
K「いい事です。」
T「ねー。寂しい。」
K「神を冒涜しましょう。よくわかんない(笑)。そんな事言っちゃいけ
 ないですかね?今のはダメなんですか?(笑)」
T「(笑)いやまあそれぞれ。」

***
T「じゃラストソングを。」
K「これはクランプスの暴力性だけを助長したようなクランプスが有名に
 した曲の更にカバー曲なんですけど。80年代に『バナナメン』という1
 枚のシングルが出たんです。その裏側にクランプスのクレジットもあっ
 て。当時出た時はクランプスじゃないか?!って噂になったんですけど、
 その正体はクランプスではなくて実は『スティングレイズ』っていう当
 時凄く有名だったサイコビリーのバンドがクランプスを語ってまたシン
 グルを切り直したという曰く付きの作品で。これは凄いです。暴走して
 ます。」
T「あ、そう。うす!」

M-07.ザ・クラッシャー/バナナメン

T「ベリーナイスー。」
K「ネクスト。クランプスが20世紀に残しつつある足跡というのは全く意味
 が無いような気もするんですけれども(笑)。」
T「このバカをどうにかしろと。そういう感じの音楽でしたね今。」
K「そうそう。そういう感じですね。」
T「おいバカ。ちょっとそこよけとけ。みたいな(笑)。」
K「うん(笑)。こういうファンキーさがね…ファンキーですよこれは
 実は。」
T「ファンキーやなー。」
K「黒人がやってるファンキーな部分っていうか…」
T「あーなるほどねー。それにしても盛り上がってましたね歌の人。」
K「バカですね。ブースの中でやってんでしょうねやっぱ。♪ウガー!
 とかつって(笑)。」
T「凄いよなー。盛り上がってるっていうか面白がってるっていうか。」
K「こういうバンド達が出てくる土壌ってのがやっぱりアメリカにある
 って事は…アメリカは奥深いですね。」
T「奥深いというかねぇ…ただれとるねー。」
K「ただれとるかね(笑)。」
T「これはだからとても今のサンフランシスコの香りがするんですけど。」
K「そうですねなんかね。」
T「やっぱりサンフランシスコってこうなんかただれた部分担当みたいな
 アメリカの(笑)。」
K「彼らと『レジデンツ』は凄くでかいですよね。」
T「レジデンツ…フランクザッパ、キャプテンビーフハートとか…あの
 面々としたこの屈折加減がね。」
K「ありますね。ここらへんですね。」
T「もうニューヨークにはない何つーの…。でもクランプスはちょっと
 ニューヨークの香りもやっぱりするね。」
K「出がニューヨークですからね。」
T「元々はホントはヴェルヴェッツとか好きだったんじゃないのか、みた
 いな。」
K「恐らくそんな感じですよね。」
T「そっから西海岸っぽいなんかちょっとネジが外れちゃったみたいな。」
K「あとリフがもうミニマルっていうかずっとループするじゃないですか。」
T「ミニマルっつーかね(笑)…何にも考えてない?」
K「何も考えてないのかな(笑)。」
T「情熱だけ。♪ダダッ!ダダッ!オーケイ? とか言ってさ(笑)。」
K「それいい(笑)。今の日本に欠けてたりとかするようなものなのかも
 しれないですけどね。」
T「多分歌詞先に書いてるんじゃないかな。」
K「なのかなー?(笑)」
T「歌詞先に書いて、で、リハでメンバーもう何も考えずに集まってやっ
 てるみたいなさ。その日の気分で。」
K「まあでも当時…80年代後半、90年代入ってからかな?…レディング1回
 トリ務めたんですよね。」
T「レディングフェスティバルの?! はあーーー!」
K「健在なんですよ。」
T「凄いっすね。へえー。盛り上がんのかな?」
K「やっぱクランプスになると各バンドがもうドワーっと来るらしいですね。
 プライマルとかみんなもう…」
T「あープライマルスクリームとか…」
K「うん。あそこらへんもうクランプスっていうとダーッ!ってみんな行く
 らしいです。」
T「あーそうかもね。決してだってさ、ビートがいいとかグルーヴがあると
 かっていうバンドじゃないじゃん。」
K「そういうもんじゃないですね。」
T「でもなんかノレるみたいな(笑)。」
K「ダメな白人の象徴みたいな(笑)。」
T「そうそうそう(笑)。この謎のグルーヴ感は…グルーヴ無いのにグルー
 ヴある…」
K「こりゃあいいですよ。重宝(←)したいです。メリークリスマス!」
T「うす!」
K「うす!はい(笑)。」
T「21世紀も…ね。」
K「無事に…」
T「ダメなロック健在。」
K「来年もバリバリダメなロックをかけ続けましょう(笑)。」
T「そうね。オケーオケー。」
K「どうもです(笑)。」
T「じゃ『クランプススペシャル』でした!」
K「イエー!」
T「イエイ!」

<エンディング>
T「今日は『バースト!クリスマススペシャル企画クランプス特集』でした
 けども。小林さんはやっぱりこの差し迫るといいますか来るべき21世紀
 に向けての抱負っつんですか?」
K「ビジョンですね。」
T「ええ。『俺の抱負』みたいなとこで一回ちょっと叫んでみませんか?」
K「そうですね。大した事は無いんですけどね(笑)。なんか来年取り敢
 えずまあ今年も性懲りもなくリリースが続いた分ちょっと続けて行きた
 いなと。で、早々にまあ宣伝ですけれども『パードン木村』さんの新譜
 がようやくあがりまして。」
T「あーそうなんですか?へえー。」
K「春先には皆さんのお手元にお届けできるんではないかと。」
T「あ、小林君、ホッチャがやったんですね?これは。」
K「ええ、そうですね。」
T「へえー。ヤンさんは…」
K「ヤンさんは今回は敢えて…」
T「入っておらず…」
K「1人で。まあいろいろゲストミュージシャンはいますけれども。DJク
 ワイアットストームやら…」
T「あ、はーはーは。」
K「某女性ボーカルやらが参加してるという。」
T「『某』って誰?」
K「いや、それはまあ『某』なんでまだ(笑)。」
T「何だろ何だろ某って…」
K「いや別にあの、大した人じゃないですよ(笑)。」
T「某ディドリー…」
K「ボー・ディドリーなんつって(笑)。」
T「21世紀に向けての疲れたギャグ(笑)。最近オリジナルラヴね…オヤ
 ジギャグに汚染されてる。」
K「汚染されてるって…(笑)。誰が持ってきてるんですか?そのオヤジ
 ギャグは。」
T「みんなで嬉しがってなんか(笑)。『ところでベッケンバウワーなん
 だけどさ』とかあるじゃないすか。」
K「うわー…(笑)」
T「そういうヤツ(笑)。」
K「メンバー内でしか通用しないようなギャグ。」
T「すーごい嬉しそうにこうさ…(笑)。」
K「壊れてきてますね(笑)。21世紀に向かうのにそれじゃいけないです
 よ(笑)。」
T「いけないなーきっと。何かツアーの疲れかなーみたいな(笑)。」
K「もう素晴らしいライヴでした。」
T「いやいや。」
K「また行かして頂きます。」
T「はい。今日のお客様はホッチャレーベル小林ヒロユキさんでした。」
K「メリークリスマース!イエー!」
T「イエー!また来週。」


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Listening & Reported by Jun Arai
Page Written by Kiku^o^Sakamaki