ORIGINAL LOVE presents《BURST!》

第80回 (2000年9月21日放送)


<オープニング>
 
T「今日は木暮晋也氏の登場であります。」

M-01.女を捜せ/オリジナルラヴ

<近況>
 もう相変わらず毎日毎日曲を書いてるんですけど。自分以外の仕事やってる
と自分の曲が凄く作りたくなってくるなあと…そんな感じなんですけど。いろ
んな人から頼まれる仕事っていうのは「この時期のオリジナルラヴの音楽をや
って下さい」って感じで。まあ「最新のオリジナルラヴの音楽をやって下さい」
という仕事もあるんですけど。例えば「初期のオリジナルラヴの音楽をやって
下さい」とか言われる訳ですね。で「あ、わかりましたー」って承るんですが、
いざ作ろうとすると結構忘れてたりしてね。「あの頃どういう風に曲作ってた
っけなあ?」ってよく覚えてなかったりする訳なんですが。で、作り始めてね、
やっぱり自分で作った作品だけあって…あのー作れる訳ですね簡単に(笑)。
簡単にといいますか、非常に新鮮な気持ちでね出来てきたりして。結構いい曲
だったりして。アレンジをどういう風にしようかなあと思ってね。「初期オリ
ジナルラヴのジャズっぽい感じにしてくれ」って言われたんですね。初期オリ
ジナルラヴはジャズでも何でもなかったんですけど…まあ敢えて言うならフェ
イクのジャズっていうか嘘っぽいジャズっていうか。それか、もしくはジャズ
がいろんな雑誌で仰々しく語られる時代の前のエンターテイメントとしてあっ
たジャズですね。ビッグバンドジャズ。キャブキャロウェイがやってたジャズ
だったりとかルイジョーダンがやっていたジャズとか。ああいったジャズにオ
リジナルラヴはまあ初期ねデビュー以前ってのは影響されてた事は確かである
訳ですが。
#わかりやすいところでは「Jumpin' Juck Jive」あたり。

 それでいろいろどうしようかなあと思ってですね。久しぶりに「ドクターバ
ザーズオリジナルサバンナバンド」っていう…キッドクレオール&ザ・ココナ
ッツの前身の…オーガスダーネルって人がやってた1976年からアルバムを2.3
枚ぐらい出したグループがいるんですけど。まあ初期のオリジナルラヴっての
はほとんどこのドクターバザーズオリジナルサバンナバンドがもうほぼアイデ
アの源泉となってるという。オリジナルラヴは何を目指したかっていうと、彼
らのようなライヴとかコスチュームとか音楽性っていうのにかなり実は深く影
響受けていたなあと。アーティスト写真なんか見るとほとんど同じ(笑)同じ
ポーズ取ったりとかしてやってたりするんですね。この辺はね、あまりね…
オリジナルラヴはカーティス…「田島さんはカーティス好きなんでしょ?」と
か何とかってファンの方には言われるんですけど、むしろ1stアルバムの頃の
オリジナルラヴっていうのは今から思うと、コード感といいメロディの感覚と
いうか…このドクターバザーズオリジナルサバンナバンドだったんだなあと。
思い起こすとですね分かってきたりして。自分事ながら。で、聴いたんですけ
ども。これはね、自分の事だけやってるとこういった事は再発見できない訳で
あってね。いろいろな人の仕事に関わったりするのもまたね面白い発見がある
なあと。

<今週のリコメンド>
 で、今日はドクターバザーズオリジナルサバンナバンドの曲を2曲かけます。

M-02.アイルプレイザフール/ドクターバザーズオリジナルサバンナバンド
M-03.サンシャワー/ドクターバザーズオリジナルサバンナバンド

 いや〜いい曲ですね!ああ〜。

<談話室バースト!>
ゲスト:木暮晋也(ヒックスヴィル)以下K

T「今日のお客様は木暮晋也さんです。どーも。」
K「こんばんわー。」
T「オリジナルラヴのツアーでギター弾いてる木暮晋也。」
K「あーお世話になってまーす。」
T「僕の高校生からの同級のつき合いでかれこれ20年近く。」
K「そんな経ってないよ(笑)。」
T「でも20年近いよホントに。」
K「でも僕ら知り合ったのは16才ぐらいだったからね。」
T「20年近いよもうすぐ。」
K「そうだねー。早いです。」
T「早いですね。かれこれもう…顔も見たくないって感じですけど(笑)。」
K「(笑)もうヤだね会うのも。」
T「(笑)そんな事ないけど、いやいやいやいや…」
K「(笑)いやいやいや…」

***
T「でね、今日はもうめちゃめちゃベタな企画ですね。あのー俺らが青春時代
 に…まあ今も青春時代だけどな。」
K「そうだね。変わってないすけどね。」
T「なんてつっぱってみたりして(笑)。」
K「こう、何ちゅーか東京来た時に…」
T「あー。出て来た時にね、よく聴いてた…」
K「ちょっと熱くなってた…」
T「サイケデリック。木暮が特にハマってたサイケガレージパンク。」
K「60'sパンクってゆーかね。」
T「そうですね。それの特集です今日は。ジョンスペンサーもガレージパンク
 マニアでありまして。俺らはその昔のその当に聴いてた…なんつって。そう
 でもないのか。同じ時期だな聴いてたの(笑)。」
K「まあ、きっとジョンスペンサー…」
T「ジョンスペンサーはあそこからずっと変わらなかったという(笑)。」
K「ね。そのままきてああいう風にカッコ良くなってねー。」
T「うん。でもあの60'sガレージパンクとノイバウンテンを結びつけよう
 とかさ、カッコイイよなジョンスペンサー。」
K「(笑)そうだね。」
T「と思う訳ですけど。」

***
T「で、1曲目が『リッター』!」
K「リッターですね(笑)。」
T「か〜!こ〜れはね!この曲がかかるっつったらね!もうラジオで山下達郎
 さんの番組かこの番組!(笑)」
K「(爆笑)」
T「達郎さんかけそうじゃないですかこのリッター(笑)。」
K「どーなんすかね?(笑)まあガレージパンクの中では凄く有名曲っていう
 かね、リッターは人気のあるグループで。」
T「最近ホットロッドではないんだよね?」
K「うーんとR&Bかな。あの何ちゅーか昔のパンクですね要するにね。爆音
 パンク。」
T「トロッグスっているじゃない?トロッグスとかとは全然別の系統ですよね?」
K「もうちっとマイナーかな。トロッグスのヒットしたのは『ワイルドシング』」
T「あれだけだろ?だけど(笑)。」
K「でもほら全米トップ20とか入ってるからね。」
T「あー。でもね俺、トロッグスの『ワイルドシング』ってね、すっごい好き
 なんだよ!」
K「やっぱオリジナルが一番カッコイイよね。」
T「あれはやっぱね、あの曲のジョークのセンスって凄いと思うわ。あのふざけ方。
 全米トップになるような素晴らしいジョークだと思うんですよ。トロッグスの
 『ワイルドシング』って。」
K「うん。」
T「で、今日はリッターね。」
K「リッターまず行ってみる?(笑)聴いてみてからこの熱くなりたいよね。」
T「そうですね、はい。」
K「じゃあ聴いて下さい。」

M-04.ホワッチャゴナドゥアバウトイット/リッター

T「これリッターの曲だったのね。」
K「そうですね。」
T「っていうかカバーだよね?スモールフェイセスの。」
K「そう、スモールフェイセスのカバーですね。」
T「うん。でもさ、これに似てる曲さ50曲ぐらいあるよね。」
K「(笑)いっぱいあるね。」
T「(笑)ストーンズにもこれとそっくりな曲あるじゃん。♪ダッダッダッダッ」
K「ブリティッシュビートの王道パターンすねこれね。感じっちゅーかね。」
T「あと何だっけなー。マンフレッドマンにそっくりな…デイブクラークファイヴ
 とかさ。」
K「うん。みんな流用してる。」
T「あとアニマルズとかさ。何かさ(笑)。」
K「そういうのをちょっとこう過激に演奏してるっていうかねこのギターは。」
T「あ、でもギターソロは独特ですね。ガレージパンクな。」
K「そうだね、ファズがビーンと鳴ってる。」
T「木暮なんかは影響ばりばり出てる。」
K「もう俺あそこで痺れちゃうからね。」
T「うん。ていうかああいうのしか弾けないみたいな(笑)。」
K「(笑)しまった!」
T「♪ぽよよ〜んっていうさ(笑)。」
K「ルーツがちょっと俺…(笑)」
T「そうそう。まああのギターソロはガレージパンクかなっていう感じがしま
 した。今日はですね、こういったガレージサイケモノをちょっとね、おそらく
 ラジオで初公開!流れるだろうと(笑)。」
K「そんな事は…(笑)」
T「だってリッターだって初めてじゃないの?かかるの。達郎さんかけるかも
 しれないね、大瀧さんとか。」
K「そうだねー。」
T「我々の世代では初めてと思う訳で(笑)。」

***
T「もうリッター聴いたらね…」
K「もう次これっしょ!っていうのあるんですよ(笑)。」
T「そう。13thフロアーエレベーターズ。このジャケットがあまりにも有名
 ですよね。」
K「そうですね。」
T「60年代後半のサイケデリックデザインのもう典型的な!もう何つーの?」
K「うにょうにょっとしたこの…」
T「そう。『これがサイケです!』っていう。」
K「ジャケット決定版ですね。」
T「そう。『おサイケです』っていう典型的なジャケット。」
K「音よりもジャケットの方が有名かもしんないすね。」
T「そうですね。俺も音知らないもん(笑)。」
K「うん。13thフロアーエレベーターズに関してはねー。」
T「あのね、バンド名とジャケ!」
K「それだけ知ってるだけでもオッケー(笑)。」
T「オッケー。あのー音楽はね『まあまあです』って感じだろうな。」
K「でもね、今日聴いてもらう曲は凄い割と有名な曲みたいで実はアメリカ
 では。」
T「へえー。」
K「うーん。プロモーションビデオみたいなのもあるんですよ。」
T「ウソ!」
K「ホントに。」
T「それ60年代に作ったの?」
K「うん。何かプールサイドで演奏してんの(笑)。水着の女の子がいっぱい
 踊ってたりしてね、凄い面白いビデオなんですけどね。あー有名なんだな
 とか思って。それ見たら(笑)。」
T「(笑)有名だ?ビデオがあるから有名なのかなー。」
K「うん。いやーだって他のバンドは動いてるの全然見た事ないのとかある
 からね。」
T「まあそうだね。一応お金かけて作ろうって盛り上がったっていう。あのー
 西海岸だよね?」
K「テキサスガレージシーンのもう一番手。」
T「テキサス…レッドクレイオラ。」
K「レッドクレイオラなり…」
T「あーなるほど。このリッターと13thフロアー聴いてるとね、木暮の一番
 最初に下宿した狭い共同トイレとね四畳半の部屋を思い出しますよ(笑)。」
K「(笑)思い出すね。うん。」
T「そこに僕はね、金借りに行ったりして(笑)。」
K「(爆笑)来たっけ?僕の府中のアパート。」
T「どーんな生活や(笑)。もうバブルのさ一番はじけてる時代ん時ですね。」
K「そうだったかな。うん。」
T「バブルで世は浮かれてる時に一番金無かったですね。」
K「80年代後半ぐらいだよね?あれね。」
T「この世界どっかがおかしい!とずーっと思ってた(笑)。」

***
K「(笑)。一緒によくね古着屋とか行ってたんだよね。」
T「古着屋の布田のさ、100円200円で売ってる70年代のサイケ服、女性達が着て
 たひらひらの服とかああいうのを買いにですね。京王線沿線の布田駅にあった
 巨大な古着屋。古着倉庫みたいなね。」
K「そうだね。まだあったよあそこ。」
T「ウッソ!で、こないだね、DMBQの増子君と話してて。増子君が着てる衣装も
 古着なんだよ。」
K「何処で買ってんだろうね?あれね。」
T「それがあのそれでさやっぱり『70年代のレディース着てる』とか言って。
 『何処で買ってんの?』っつったらね、いろいろ原宿とかの古着屋で見つけた
 りしてるらしいんだけど。で、『布田の古着屋知ってる?』っつったらね、
 『あ、噂で聞いた事あるんですけど』って(笑)。」
K「(笑)やっぱりね。」
T「『絶対布田の古着屋でしょ!』と。もうイチオシ!15オシ!ぐらいしといた
 んだけど。増子君に(笑)。」
K「でもね、俺この間久々に行ってみたの。」
T「ウソっ!」
K「あったから入ってみたの。でもね、もうちょっと終わってた。」
T「終わってた。あー。」
K「昔ほど70年代風サイケな服とかカラフルなのは無かったもう…」
T「無かった。あー。」
K「でも革ジャンはあった。」
T「革ジャンはあった。1万円ぐらいで?」
K「千円ぐらいで。」
T「千円ぐらい!(笑)」
K「革ジャン千円って安いよねやっぱ。」
T「(笑)本物の革のヤツでしょ?」
K「そうだね。国産だけどねー。」
T「あー。前はでもちゃんとアーミーなヤツがあったんだよね。」
K「うん。あったあった。」
T「着てたよね俺ら。買って。」
K「ヨーロッパ軍のヤツとかね。」
T「そうそう。アーミーモノの。」
K「ああいういいヤツは無かったもう。」
T「あの、横田基地とかわかんないけど、横須賀基地とか…あの基地流れのね、
 古着結構あったんだよね。何かもうさ、服に怨霊がくっついてきてるような
 さ(笑)。」
K「それ言っちゃったら着れないよー(笑)。」
T「でもカッコイイんだよね。サイケの服とか凄かったよね。」
K「もういっぱい。だってライヴ毎に違う服着てたもんね。絶対一回着た服は
 着ない!とか言って。あの当時はね(笑)。」
T「俺じゃなくて木暮が特に!」
K「俺か(笑)。」
T「そう。で、ホントにブライアンジョーンズが着てたようなケバケバのコート
 とかさ。」
K「そうそう。フェイクファーとか田島着てたよね。」
T「そうそう。あれはだけど凄いよね。あそこに残ってるって事自体が。」
K「どうした?あの服。」
T「あれ、どうしたんだっけな?(笑)あれね、誰かにあげたか売っちゃった
 か…忘れちゃったけど。」
K「あ、そうなんだ。?
T「うん。すーごい服が目白押しだったよね。」
K「いっぱい持ってたよね。」
T「あれをねー(笑)、木暮だってさあの狭い部屋服だらけだったじゃん。」
K「もう部屋の中が古着屋の匂いだってみんなに言われて(笑)。」
T「そうそうそう!(笑)もうね、匂いが古着屋の匂いになっちゃって。」
K「そうそう。でも今でも何着か持ってるからね。」
T「あー、物持ちいいからね、木暮さん。」
K「そうだね。今度オリジナルラヴライヴで着たいなーと思ってんだもん(笑)」
T「着てよ!あん時のあの謎のサイケアロハシャツみたいなさ。」
K「あ!持ってるあれ!」
T「(爆笑)すーごいヤツねあれ!」
K「あれあるよ!」
T「あれね(笑)。えーという事で曲。」

M-05.ユーアーゴナミスミー/13thフロアーエレベーターズ

T「懐かしいなあ。」
K「いや〜泣けてきた(笑)。」
T「このクイーカね。♪ジャカジャカジャカジャカ これが入ってんだよ。これ
 がこの曲だけだよね?」
K「そうだね。この曲で初めて聴いたかなこの音を。♪ホコホコホコホコしてん
 のね。」
T「クイーカサイケ。」
K「そうだね。珍品だよねこれ。」
T「そうそう。この当時、自分のベストテープとか作ってさ。よく車ん中でかけ
 てたじゃない木暮。」
K「俺めちゃめちゃこれもう当時から(笑)。」
T「(笑)。この曲と何だっけ?あとチョコレートウォッチバンドとかさ。」
K「そうだね。『ノーウエイアウト』」
T「俺忘れちゃったけどもう。どんな曲だったっけ?(笑)」
K「でも似てる。ちょっとR&Bっていうか。」
T「みたいなね。この13thフロアーエレベーターズ。ちょっとボーカルがヤバく
 ていいですね。」
K「そうすね。ロッキーエリクソンって伝説的な人物なんですけど。」
T「あ、そうなんだへえー。危ない人なの?」
K「うん。ちょっとぶっ飛んでる感じの人ですね。」
T「このシャウトの仕方がね。何ともこの…ジムモリソンを凄くちっちゃくした
 ような。」
K「(笑)ジムモリソンを薄くした感じですね。」
T「(笑)そうそうそう。もの凄ーくちっちゃーく小型化したシャウト。」
K「まあこのシャウトはシャウトでね特徴の凄くある…」
T「そうですね。ジムモリソンはもう凶器をエンターテイメントとして完全に
 確率したこの素晴らしいシャウトをしますけど。」
K「そうだよね。」
T「うん。ね。これはこれでカッチョエエなという感じでね。」
K「はい。」

***
T「で、次が極めつけね。」
K「極めつけ。もうこれいつも(笑)…」
T「木暮といえばこのアルバムこの曲。」
K「よくこの番組でも話題に出てくるバンドだったんですよねこの曲とか。」
T「そうそう。木暮晋也と言えば『シーズのプッシントゥハード』(笑)」
K「何でなの?それ(笑)」
T「(笑)何でだ?わからないけど。」
K「あ、部屋に置いてあったんだよね確かね。」
T「そうそう。あのシーズのジャケを。」
K「ジャケをずっと飾ってたんですね。もう俺のアンセムだね。ある意味。」
T「(笑)。ちょっと聴いてみましょうか。」

M-06.プッシントゥハード/シーズ

T「でも何でこんな曲有名なんだろう?(笑)」
K「これはもう大クラシックスだよ。」
T「そうだね。ガレージパンククラシックスとして燦然と輝いてますけど。」
K「輝いてるよ。」
T「何て事ない曲ですよね?(笑)」
K「うん。別にね(笑)。」
T「だから?って曲なんだけど。でも凄いいろんな人がカバーしてるでしょ?」
K「うん。」
T「これやっぱ歌詞が結構面白い…いい歌詞なのかな?これ。」
K「かもしんないね。どれだけのモノがあるっていう。」
T「ね。いろんな人がカバーしてんじゃん。」
K「うん。この頃のアメリカの、例えば『96粒の涙』とか『ミステリアンズ』
 とか、本当にワンコードでちょこちょこやってるのが凄い…」
T「でも『96粒の涙』だっけ?あの曲は結構おしゃれないい曲じゃない?」
K「まあ♪ディーリーリーリーってねオルガンで。」
T「そうそう。結構おしゃれな元祖オルガンサイケみたいなさ。」
K「それより地味だねこうやって聴くとね(笑)。」
T「でもプッシントゥハードさ、別に何?って感じの曲なんだけど(笑)
 だけど…」
K「まあこれ当時をね、反映してるんだよねきっと。」
T「まあそう。このただれた感っていうのはね…」
K「ちょっとダークな感じ。」
T「これはもうガレージパンクの香りがぶんぶんする訳だけど。」
K「オルガン入ってるしね。」
T「そう。ジョンスペンサーの最初にやってたプッシーガロアとかさ。この
 プッシントゥハードと同じ匂いがしますよね。ダメさ加減が(笑)。」
K「(笑)」
T「何故か木暮晋也のテーマ曲『プッシントゥハード』。なんでこの曲好き
 だったの?(笑)」
K「何でだろうね。シーズはね、ちょっとやっぱね影があるんだよね。」
T「影があるけど何か笑ってるっていうかさ(笑)。」
K「そうそう(笑)よくわかってるね。そうそうまさにそれなんだよね。」
T「シーズってそんな感じでさ。それがより狂気を感じるんだけど。狂気って
 いうか、何かね、いい加減な狂気っていうか…」
K「そうそう。」
T「何かお手軽な狂気っていうかね。その辺がこういい感じなんですけど。」

***
T「次はいきなりブリティッシュだよね?」
K「これはね、ブリティッシュなんですけどね。『ムーブ』」
T「やっぱいきなりブリティッシュ行くと真面目になるね(笑)。」
K「ちゃんとしてるね。音楽的だね。」
T「『考えてるなこいつ』みたいな(笑)。そういう感じになるんですけど。
 このシーズとか13thフロアーとかはね、何にも考えてない。」
K「うん。このへんはホントにいい加減なガレージから発信したあれなんだ
 けど…」
T「そう。それはこう歴史的にずっとある訳ですよね。アメリカ西海岸、南部
 っつーのはずっとこの考えてない感じっていうか。」
K「うん。取りあえず勢いでやっちまった的な。」
T「勢いで最初から破綻してるっていう…歴史っていうのなんか感じるんだ
 けどさ。」
K「(笑)そうだね。」
T「イギリスってのはさ、ムーブとかもそうだけど、ずーっとプライマル
 スクリームに至るまでさ。ずーっと『実は考えてやってる』みたいな。」
K「しっかりしてるっていうね。」
T「何かね、ズルイぞ!みたいなさ(笑)。」
K「やっぱりほら、みんなビートルズっていう基礎があってそっからみんな
 こう何かねやっぱり…」
T「あー。」
K「ムーブにしてもそうなんだけど、やっぱりそういう基礎的なものを感じ
 るんだけどね。」
T「ビートルズが基礎っていうかね、シニカルなんだよみんな人種的に。
 批評性があるっていうか。キンクスもそうだしね。インタビューとか
 でもちょっと気の利いた事をつい言っちゃう!とかさ(笑)。」
K「(笑)」
T「『それにどうしてもウィットに富んじゃうんだよね俺』みたいなさ。」
K「そういう所出すよね。まあそれ国民性だよね。」
T「そう。俺それがダメなんだな(笑)。」
K「(笑)」
T「それはね、ジョンレノンだけでいいんだよ!みたいな。」
K「(笑)あ、そういう意味でね。」
T「うーん。だからもうプライマルスクリームどうもね俺ダメなんだよ。」
K「あ、そういう話ね。」
T「それとかアンダーラールド君とかさ。」
K「あー。君!(笑)君付け。」
T「どうもねー何だなーみたいな。」
K「イギリス、ブリティッシュナウなグループはね。」
T「ヨーロッパのね。えーと何だっけ?」
K「急に戻るね(笑)。」
T「そうムーブ。ムーブも好きだったなー俺。」
K「ムーブ結構一時期盛り上がったよね。」
T「盛り上がってました。ムーブのだからあのロイウッド好きだったから。」
K「ロイウッド方面でね。ジェフリンとか。」
T「そうジェフリン。ELO以前のね。ムーブとアイドルレース。アイドルレース
 はジェフリンの方で。」
K「そうだねジェフリン。」
T「で、あのームーブでもやってるんですけどこの『レモンツリー』って曲。
 凄いポップないい曲。」
K「結構レッドカーテンで影響受けてたね。」
T「めちゃめちゃ影響受けてた。相当影響受けたね!俺ねこの頃のジェフリンの
 ポップセンスには凄い影響受けてたよ。」
K「うん。似てた。」
T「レッドカーテンは。実は…」
K「レッドカーテンとね、アイドルレースは…」
T「本当にね、アイドルレースの方なんだよ。影響受けてたのは。」
K「アイドルレース持ってくれば良かったねえ。」
T「まあ取りあえずこのムーブ。」

M-07.レモンツリー/ムーブ

T「懐かしいねこれ。これはでもねやっぱりアイドルレースの方のバージョン
 の方が全然いいな。」
K「そうだね。あっちの方が先だったのかな?」
T「ちょっとこっちはまとまり過ぎて普通になっちゃってるんだけどね。
 アイドルレースの方がもうちょいカッチョイイ感じで。」
K「ロックだよね向こうはね。」
T「でもね、この曲とかやっぱりピンクフロイドのシドバレットみたいなさ。」
K「ちょっとサイケポップっていうか、何だろね、ちょっとひねくれた感じの。」
T「ところがあって。まあ僕好みの。」
K「もうこれ聴いてたらね、やっぱね当時のレッドカーテン思い出した。」
T「思い出すねー。」
K「ラ・ママ!」
T「ラ…(爆笑)あのー似てるね。っていうかね。」
K「もうそっくり!」
T「そっくりだね。」
K「パクったの?(笑)」
T「えっ?!パクってたかもしんない(笑)。憶えてないんだけどさよく。
 でもね、凄いよく聴いてたよ。アイドルレースとかムーブとかこの辺の。
 あとピンクフロイドの1stも。シドバレットやっぱ好きだったから。」
K「そうだね。シドバレットっぽいしね。」
T「やっぱり僕ほらXTCから入ってってるから。60年代でもこういう構築され
 たちょっと変わったポップスが好きだったな。」
K「うん。まさにねアンディーパートリッジなんかが好きそうだった音楽って
 いうかね。」
T「アンディーパートリッジなんかもろ好きでしょこれ。」
K「うん。ちょっと1曲だけガレージパンクじゃないナンバーになってしまった
 んですけど。」
T「そうですね。このブリティッシュポップみたいな。まあ今ね、こういった
 ブリティッシュロックとかガレージパンク、20世紀の音楽として墓場に葬り
 去られる寸前である訳なんですが。」
K「そうなの?!(笑)」
T「(爆笑)」
K「いや、俺は持って行くよ!」
T「そうですか。いやいや(笑)。という訳でね、えーと来週もあれですね?
 いろいろ…」
K「ええ。またお邪魔しようかなと思ってます。」
T「木暮さんが引き続き20世紀のもう死にそうな音楽を(笑)。」
K「忘れ去られようとしてるような音楽をね。」
T「(笑)持って来るという事で。」

<エンディング>
T「いや〜今日はね。僕らのあまり表に出してこなかった…」
K「そうだね。ルーツ的な…」
T「ね。実は自分の楽曲作りで相当影響受けてる(笑)バンド達をチラッと
 かけましたけどね(笑)。」
K「チラッとね(笑)。」
T「ほとんどね、表立ってこういった事あんまり…実は曲流したりとかして
 きませんでしたね、よく考えたら。」
K「そうだね。」
T「大体オリジナルラヴがジェフリンに影響受けてるとか言った事ねーよ!(笑)」
K「(笑)きっと言わないとわかんないよね。」
T「でもジェフリンっていうとあまりにもELO以降の活動がメジャーだしさ。
 っていう事で誤解されるのもヤダなーみたいな(笑)。」
K「そうだね。いろんな時期があるからね。」
T「っていうのがあってさ。」
K「60年代の!ジェフリンなんだね。」
T「60年代の!ジェフリンです。っていう感じなんですけどね。まあこういった
 事もいろいろまた追々紹介したいと。」
K「小出しにね。」
T「という感じでありますが。この番組では葉書等大募集しております。リクエ
 スト感想何でも書いて送って頂きたいと思います。60年代、50年代の音楽から
 テクノからなーんでもかけますからねこの番組(笑)。」
K「(笑)なんでもいいんだね?」
T「(笑)なーんでも。ええ。」



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[BROADGRAPHY] [Home Page]

Listening & Reported by Jun Arai
Page Written by Kiku^o^Sakamaki