ORIGINAL LOVE presents《BURST!》

第76回 (2000年9月7日放送)


<オープニング>
T「先週は久しぶりにバッファロードーターの山本ムーグさんが登場してもの
 凄い熱い想いを語りまくりまして。僕も乗せられてというか(笑)かなり熱
 い週だったですが。今日はまたまたリコメンデーション拡大バージョンをお
 届けしたいと思っています。題して『ニューウエーブエレクトロ祭り!』。
 今聴いてもいい!ってものを選りすぐって厳選して今日はお送りしたいと思
 っております。」

M-01.女を捜せ/オリジナルラヴ

<近況>
 ここんとこいろいろ作曲のオーダーが入って来ていたんですよ。で、溜まり
に溜まっていた仕事をずーっとやっている最中で、締め切りがかなりヤバイと
いう状況にありましてあんまり表に出てませんね。もうずっとスタジオで曲を
作ったり楽器触ったりとかしてるんですけど。まあでもたまにラジオの仕事と
かTVの仕事とかバツバツと入りまして。スタジオでずーっとこう沈思黙考とい
いますか、黙って曲の事を考えているテンションでラジオの番組とかTV番組と
かに突然行くと物凄いギャップ感じるんですよね(笑)。7月中はかえってずー
っとプロモーション期間でしたんで、もう毎日毎日ラジオと取材とって事でず
っとテンション上げてバーッ!とこう行けたんですけど、一旦創作モードに入
るとなかなか体がこう…突然ラジオとかTVの世界に行っても戻らないという時
がありまして。ラジオ番組に呼ばれてそっちでいろいろ喋って家に帰ってくる
と今度ね、作曲モードになかなかなんなくて。で、何かどんどん時間が経って
ゆくという…なんかそういう悪循環といいますか。

車に乗る事があって車は僕のオーディオルームと化してる訳なんですが。最
近レコード棚整理してまして。僕の今までの人生の中で一番の規模のレコード
を売る為にCDレコードもう整理しようとここ一週間ぐらいずーっとやってるん
ですね。今回は今までで一番売ることになりそうです(笑)。で、それでいろ
いろ聴いてなかったり久しぶりにボコボコっと出て来たようなアルバムとかを
車で…僕の即成、移動オーディオルームで聴いたりしてて。

<今週のリコメンド>
 で、今日持って来たのが、まあ、ソニックユースですね。ソニックユースを
今週と来週2週にわたって僕のレコメンっつー事で。特に理由は無いんすけど、
お送りしたいと思う訳でありまして。ソニックユースはそれぞれのアルバムを
かなり短いタームでずーっと出し続けてて、大した人達だなーエライなーカッ
チョイイなーと思う訳ですが。ニルヴァーナが「ネバーマインド」ってアルバ
ムで世界にバーンとオルタナブームを巻き起こして。あの時が1991年です。で、
同じ時期に出たアルバムが「GOO」という…ソニックユースが80年代インディー
ズでずっと活躍してたのを90年代、ベックの入ってるゲフィンレコードにメジ
ャー移籍しまして、メジャーで行くぞ!みたいな。「ネヴァーマインド」と同
じミキサーですね。サーストンムーアが気に入ってたらしいですあのミキサー
の事をね。で、今日はそのゲフィンから「GOO」というアルバムを出す1つ前の
アルバム「デイドリームネーション」から1曲。凄く爽やかでいい曲なんで聴い
てみたいと思います。

M-02.ティーンエイジライオット/ソニックユース

 いい曲だなあと思いましたけどね。何かこうホントにティーンエイジ…ちょっ
と青い爽やかな香りがする曲ソニックユースにしては(笑)。とてもいい曲。

<リコメンデーション拡大版>
今日は題して「ニューウェーブ&エレクトロ祭り〜!」(拍手)って事で。
最近セイバーズオブパラダイスのアンドリューウェザーオールがニューウェー
ブのコンピレーションアルバム「Nine O'Clock Drop」をリリースしたらしい
ですけど。これ一部の人達の間で「いい!」という事になってるらしいですけ
ど、私はまだ買ってません。80'sに的を絞ったコンピはここ数年大量にリリー
スされておりますね何か知らないけど。ここまでジャストなもの!それはいい
所もダメな所も同時に感じさせてくれるという意味でね、ジャストなモノは無
かったんだ!とね。「最近復活した23スキドゥーや…」知りませんね23スキド
ゥー…。「ア・サーティンレシオ」これ聞いた事あります。「クワンドクワン
ド」これも聞いた事あります。「クリスアンドコージー」全然知りませんね。
「といったラインナップを見ればこのアルバムの充実ぶりが伺えるえるだろう」
これわかんないですけど(笑)。どんなモンなんやろー…ね。これ早く買わな
いと多分無くなってしまうコンピだと思うので、聴きたい人は早めに大至急輸
入レコード屋さんに行くこと!ね。このアルバムの中から1曲取り敢えず聞いて
みましょう。「ザ・ノーマル」知りません全然。

M-03.ウォームレザレット/ザ・ノーマル

♪ウォームレザレーートね。いやあカッコ良かったなあう〜ん(拍手)。なー
んて。ねーわかってくれたかな?(笑)このカッコ良さ。ね?これね多分この
当時今もう世界に普及しているコンピューター、シーケンサーがおそらく無か
った時代ではなかろうかと。おそらくアナログシーケンサーっつってね…それ
を使ってシンセサイザー4つぐらいガショーンと繋いで「お!カッチョイイこの
パターン!」なんつって1個出来て、それに歌詞を乗っけただけ!みたいな曲な
んですけど。カッコイイっすね。シブイ。このドラムまでシンセで作って♪ド
ッキドッドキドみたいな、何かエレクトロだなーみたいな感じのビートなんで
すけど。これでもね、山本ムーグさんのセンスを感じますね。ムーグさんこれ
選びそうだな。そういえば初期バッファロードーターに似てるぞみたいな感じ
ですけど。この曲ひょっとしたらムーグさん知ってるかな?知らないだろうな
(笑)。

はい。という事で次の曲は…これはカッコイイ!これはあなたもわかるカッ
コ良さ!なんつって次こそ(笑)。フライングリザーズね。これはね、80年代
大ヒットしましたから世界中で。ギネスに載ったのかな?確か。「最も低予算
で作られたアルバム。しかし最も売れたアルバム。」かな?シングルだったっ
けな?で、「マネー」という曲をカバーしまして大ヒットしたんですけど、確
かねその予算が800円とか(笑)。800円で作って大ヒットしちゃって困っちゃ
った。しかも次のアルバム…シングルだったかな?を1000円ぐらいで作ったら
しいです。家のガレージでダンボールとかそういうの集めてバンバーン!とや
っただけなんですけど。これがでも1000いくらとかで作ったとは思えない。も
の凄い!もうシカゴ音響派なんてぶっ飛ぶぐらいの音響派でありまして。ホン
トめちゃめちゃカッチョイイ。フライングリザーズの「セックスマシーン」。
カバーなんですけど、これがまた何ともこのヒネ方が凄いセンスを感じるんで
すけどね。

M-04.セックスマシーン/フライングリザーズ

 もうこれは凄いですね。いやぁ参った。ええ。僕だけかな?参ってんの(笑)
リスナーの方どうでしたでしょうか?僕的にはかなり参りましたけどねー。こ
の時代にね。80年代は…音楽全体見渡すと結構クズばっかりだったんですけど
(笑)、これはもう80年代に生まれた…非常にこう…70年代60年代その前の世
代に対するシニカルな…何て言うのかなあ…音楽。傑作ですね!この「セック
スマシーン」フライングリザーズ。この音おそらくね、予算500円ぐらいなのか
なと思う訳なんですけど(笑)。友達の家とかでね、オープンリールとかディ
レイとか借りて来てピコピコっとやってるだけなんでしょうけど、凄いセンス
ですねこれう〜ん。

***
 はい、後半はエレクトロ行ってみようと。まずはファッツコメット。知りま
せんけど誰ですか?って感じですが。

M-05.ストーミーウェザー/ファッツコメット

いえーい!という感じでね。正体不明カントリーロッキンエレクトロ…とい
う変態のね…最高ですね。「他にこんな音楽無い」と。まあ確かに無い。この
12インチのB面はエイドリアンシャーウッドのダブだそうです。エイドリアンシ
ャーウッドってイギリスのダブやってる人ですけど。オーディオアクティブと
かも確か一緒にやってましたけど。エイドリアンシャーウッドがやってるって
事は結構名の知れた人なんですか?ファッツコメット。これはでも聴いた感じ
どう聴いてもうーん何かこうフランクザッパとか、ファンカデリック、パーラ
メント、とかの感じ…まあアメリカ西海岸の変な人かな?って感じがする訳で
すがね。いやー、ね、何ともフリークアウトしたこうね…ジョンウォーターズ
「ピンクフラミンゴ」「ヘアスプレー」とかさ、ああいう一連の映画、ダメ映
画の世界。イカス。といいますか。まあね、僕いろいろなインタビューで最近
言ってるんですけど、最近の渋谷ってあのまんまジョンウォーターズだなと…
(笑)ね。だってほらあの謎のお化粧をした金髪の女の子達見てるとね、もう
ジョンウォーターズじゃーんとか思って。これだから渋谷・池袋版のピンクフ
ラミンゴみたいのがちょっと作れるぜと思う訳なんですけど。

***
 それで次はですね「セクシャルハラスメント」っていうグループ。俺知りま
せん全然。これ日本のグループじゃないよね?違うらしいですが。

M-06.アイニードアフリーク/セクシャルハラスメント

はい。略して「セクハラ」の「アイニードアフリーク」聴いて頂きました。
このシンセサイザーが何ともこうね。「ダメだコリャ」っていう…あのー昔の
ほら、「もしものコーナー」ありましたね。いかりや長介さんがやってた番組
の。最後に「ダメだコリャ!」♪ンジャジャンジャジャ!みたいな。ああいう
世界醸し出してましたけどもこの曲。これをレコードにするという意気込み!
これはもうね、惚れ惚れしますホント。かっこいいですねセクシャルハラスメ
ント。もうね、僕ね、メンバーのいろいろな素顔を物凄い想像しました今(笑)
どーいう暮らしをしてんのかな。でもこの歌詞といい…最初のイントロに出て
くるあの女の人の声、あれから1回も出て来ませんでしたけどね結局。あれとか
謎のセンスを感じるんですけどね。これは一体どういうものなのか。これぞ80'
sという感じですがね。

 そういえば、こういう音聴いてたら「ソフトセル」とかね、ああいう(笑)、
「ソフトセル」って居たんですよ。あの人達をちょっと思い出してしまいまし
たけど。何つーのかな?やっぱり80'sというのはとことんシニカルな、斜に構
えた…どこまで斜に構えたロックにね…その60年代70年代の遺産である音楽を
どれほど裏切るかみたいなね。そういう価値観がかなりはびこった時代であり
まして。まあその結果、ホントに最低な駄作とかクズみたいな音楽が沢山あっ
た訳ですよ。この「セクシャルハラスメント」略して「セクハラ」のような希
有の傑作もいろいろあったりしてですね。

今、80年代を再発掘する動きというのが僅かながらイギリス人、アメリカ人、
日本人の間にも拡がっている訳でありまして。皆さんも時間がありましたら暇
でしたら中古レコード屋さんへ行って探すのも良し!僕も探すぞ!って今日番
組をやってて思いました。という感じで。まだこういった曲の他にも80年代の
傑作かなり埋もれてますね。まだまだ未発掘。70年代60年代の音楽ってもう大
体みんな発掘され切ったかなあという感じなんでね世界的に。もうブラジル音
楽から何からってところまで行ってると思うんですが、80年代はまだまだ沢山
ありそうですね。って事を思った訳で。

<エンディング>
 今日はかなりディープにかなり深いところまで行きましたね。80年代のアン
ダーグラウンドのそのまたアンダーグラウンドの…地下掘りすぎてマントルと
かぐらいまで行っちゃった(笑)特集でした。かなりディープでしたね、はい。
この番組ではそういったリクエストかなり受け付けてますんでね。「じゃあ今
度は90年代のマントルクラスの特集やってくれ!」とか。それも頑張ってお届
けしたいと(笑)。「アンダーグラウンド」なんつってるモノは今やオーバー
グラウンドですからね。マントル…何つーの?マントルと言おう!(笑)「マ
ントル級音楽」もいろいろこの番組ではかけて行きたいと思ってますんで(笑)
是非とも葉書大募集しております。



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Listening & Reported by Jun Arai
Page Written by Kiku^o^Sakamaki