ORIGINAL LOVE presents《BURST!》

第53回 (2000年3月30日放送)


<オープニング>
T「今日はインディレーベル『トランソニックレコード』の代表
 ナガタカズナオ氏がスタンバッております。」

M-01. WALL FLOWER/オリジナル・ラヴ

T「聞くところによると、birdがライブで歌ってくれてるらしい
 ですね。嬉しいなあと思ってますが。」

<近況>
テキサスのオースティンのイベントについ先日行ってきました。
もう疲れ果てまして眠いですね今日は。頑張ります(笑)。
凄く面白かったですね。いろんなバンド観れました。僕らのライヴも
ジャパンナイトの一番最後だった訳ですけども、最初の1.2曲目ってのは
お客さんも割と様子見って感じだったんですが、3.4曲目ドンドン進めて行く
うちに盛り上がりまして。ライヴ終わった時にはかなり評判良かったですね。
楽屋にわけわかんないいろんな外人がたくさん入ってきて「オマエの音楽は
レッドツエッペリンからマーヴィンゲイまであってスゴイぜ」とか(笑)、
「オマエのギターはスゴイ」とか、あと「ジャパンナイト今まで観た中で
一番良かったぜ」とか。ホントかどうかわかりませんけども(笑)そういう
意見をガンガン言って「CDはないのか、買わせろ」とか。でもまあ調子が
いいからねみんな(笑)どこまで信じていいのかわかんないですけど(笑)。
取り敢えず盛り上がって頂いて嬉しかったし、いろんな意味で面白かった。
いい経験になりましたね。勉強になったというか。他にもいろいろ話あるん
ですけど1時間ぐらいかかってしまいますんでカット!なーんて(笑)。
#喋ってくれ〜!

<リコメンド>

・ジョーボックス
テキサスの中古レコード屋で買ってきました。アルバム聴いてみると、
1.2曲目は結構いいですけどあとはうーん、どうかな?みたいな感じ(笑)。
かつてのXTCみたいなちょっとヘンなギターのアンサンブルでオルタナティブ
な筋肉モリモリのパワー系バンドって感じなんですけど。

・イールズ
3週間ぐらい前にタワーレコードに行った時に売れてたのでジャケットも
面白かったんで買ってきまして。聴いてなかったんですが1曲目結構いい曲
なんで。あの「ブラス!」って映画※に使われそうもないか(笑)、あの
映画をちょっと連想した泣きの入った音楽だなあと思った訳なんですが。
1曲目しか聴いてないんでわかりませんが(笑)。
※「ブラス!」
「ブラスバンドの演奏をメインに炭坑閉鎖と人間模様の感動のドラマ」

M-02.エフエフシックスティーンシックス/ジョーボックス
M-03.グレイスケリーブルース/イールズ

テキサス行ってるとジョーボックスみたいなサウンドがもの凄くしっくり
くるんですね。なんか気持いいんですよあそこで聴いてると、場所柄と
言いますか。東京では買わないだろうなと思う訳なんですけどね(笑)。

***
・叩き売れ!!!
いろいろなバンド観ましたが「ディラングループ」結構良かったな。
スリルジョッキーっぽいサウンドなんですよね、トータスみたいな。
ビブラフォン/ドラム/ギター/ベースって構成ですが、そのリーダーが
非常に明るいヤツでもの凄いMCが長い(笑)。で、ライヴが終わって
リーダーが後ろのほうのバーカウンターで自分のレコードを叩き売りして
まして「こーれがサイコーなんだよ!」とか言って(笑)。もの凄い喋る
のが好きというか明るい。でも音楽はそんなに明るくない、知的というか
ひん曲がってる音楽だったんですが、そのギャップが非常に面白くて。

・肉!!!
あと「アップルズインステレオ」観そこないました。観ようと思ったんだ
けどやっぱ違うの観たいと思って抜け出して行っちゃったんですけど(笑)。
女の子のドラム凄い太ってるんですね、ルシャスジャクソンのドラマー
みたいな。あーいうの結構多かった、スゴイパワーがあって。これはね
肉を30年ぐらい食ってないと無理だなこういうビートは!みたいな(笑)。

<談話室バースト!>
ゲスト:ナガタカズナオ(以下N)

T「今日は電子音楽家にしてトランソニックレーベル代表の
 ナガタカズナオ氏をお迎えしております。どうも初めまして。」
N「初めまして。」
T「トランソニックレーベルって主にどのようなコンセプトというか
 どんなアーティストを出してるんですか?」
N「最初はテクノレーベルって括られてたんですが、その後どんどん
 モンドとかラウンジとかになってきて、今はもうかなり独自な事に
 なっちゃって。どこにも括られなくなったというか。」
T「はー。自分でもバンドやってるんですよね?」
N「ファンタスティックエクスプロージョンっていうユニットですね。
 最初のコンセプトはドラムンベースだったんですよ。ただネタが全部
 70年代の和モノフュージョンというか映画音楽、角川映画とか。」
T「角川映画?!シブイっすね(笑)。」
N「70年代型ドラム&ベースサウンドなんて言ってたんですけど最初は。」
T「へえー。なるほど屈折してますねなんか(笑)。」
N「ホントまがりまくってます(笑)。」
T「最近もまたレコード出してるんですよね?」
N「去年からメジャー配給になって。」
T「あ!そうなんですか。で、どこなんですか?」
N「フレーバーオブサウンドっていうトイズファクトリー系なんですけど。」
T「あー!なるほど。ではトランソニックレーベルからフジタブレンダーを。」
N「新人にして今一番売り出し中という。ルパン三世のリミックスとかにも
 彼参加してるんですが。」

M-04.サムライバトルロワイヤル/フジタブレンダー

T「タイトル通りだね(笑)。でえ〜〜!ワイルドすー!みたいな。
 このアルバムはこういうビックビートっぽいっていうか。」
N「そうですね。でも結構他に割と普通におしゃれなフレンチっぽいモノが
 入ってたりとかモンドっぽいテーストですね。」
T「これ目下売り出し中。」
N「ええ。というか一番売れたかもしれないです自分のレーベルの中
 では(笑)。割と注目されてる人だったんで。小西さんが一方的に
 気に入って連絡してきて。」

***

・男祭り2000
T「男祭り2000の時間です。今日はナガタさんにいろいろ気合いの入った
 ブツを持ってきて頂きましたけども、これホントに気合い入ってそう
 ですね(笑)。」
N「ええ。もうもの凄いです(笑)。」
T「(笑)?すーごいシブイもんが。えっとー!(大笑)
 じゃ1曲目をまず。」

M-05.男が死んで行く時/安藤昇

(歌詞)
お世話下さいました皆さん。どうやら今日明日で尽きるようです。
最後の最後までお見捨てにならずお叱り下さいました事を感謝致します。
お言葉通り馬鹿でした。(略)オレだけは死んで行く時におふくろの事を
思い出すまいと思っていたがやっぱり浮かんでくる。アンタオレの何なんだ!
泣くなよおふくろ!涙の種が消えていくんだよ!
(略)オレが死んで泣く奴千人、笑う奴千人、知らぬ素振り千人か。
それでいいんだ。まとめてあばよ言わしてもらうぜ。
寒くなってきました。そして暗くなってきました。お別れです。

T「いやーかっこいいですね。」
N「素晴らしいです。」
T「これ作詞阿久悠さんですね!だからいいんだね。」
N「この方って本当にヤクザの組長だったんですよ。自伝書いて
 大当たりして、その後俳優になってレコード出したりとか。
 この組の中に安部譲二がいたり。」
T「あ、そうなんですか。じゃあ本物なんだ。」
N「本物中の本物です。」
T「でもこれスゴイ曲だね。」
N「アレンジが素晴らしいです。」
T「♪しきしまの〜…のあの男と女のバックコーラスがまた最高。
 最後のディレイも完璧!(笑)」
N「もう飛ばされますね(笑)。」

***
M-06.夜は俺のもの/梅宮辰夫

・バースト!「珍盤/奇盤」化?
T「いやーいい曲ですね(笑)。」
N「もうホント男の願望というか。去年全国ツアーがあって、
 ススキノ、中州歩いてた時はずっとこれが頭の中で鳴ってて(笑)。」
T「(笑)そうですか。この溜息で決められますよね。ひときわレベルが
 でかくなって。マイクに近づいてるんでしょうね(笑)。」
N「きっと『あ〜・・・』って(笑)。」
T「このA面すごい聴きたくなってきたんですけど。シンボルロック!
 『シンボルシンボル男のシンボル。こいつを使ってこいつで泣かせて。
 このうえこいつで金をうむ』こ〜れ〜(笑)。」
N「男の、ホントに(笑)。」
T「梅宮さんの声でこんなの歌われたらたまったもんじゃないな(笑)。」
N「いや、スゴイですよ。」
T「ジャケも含めてこれはレコード大賞ですね。バースト!の(笑)。」

***

・田島貴男の田島貴男的ココロ
T「次は。」
N「今のが男の希望というか願望だとしたら、現実はこんなもんです
 という凄く身につまされる小沢昭一先生の曲を。」

M-07.悪妻ロック/小沢昭一

(歌詞)
おい!また今朝もメシつくらねーのか!天気がいいんだから洗濯しろよ!
おら!子供が泣いてるぞ!いい年してこんなハイヒール買ってきやがって!
♪悪妻ロックは54。あのばばあ。朝から晩まで遊んでばかり。怒りゃふくれる
なだめりゃわめく。殺しゃ夜中に化けて出る。やー!へいー!かもーん!
妻「ちょいと何言ってんだよ!この甲斐性なしのふにゃふにゃこんにゃく!
 何か言いたかったらもっと稼いできてからにしなよ!」
夫「…はい。」

T「これはもう名曲ですね。」
N「いやーホントに。ホントに好きです。」
T「これはカッコいいわ。」
N「単に音楽としてそそられるものが。」
T「そうですね。これはクオリティ高いですね。」
N「って思いながら非常に身につまされる、現実こんなもんだなあ、
 男なんて…っていう(笑)。がっかりしちゃいますけど(笑)。」
T「(笑)。これ作詞作曲小沢昭一さんなんですね?」
N「ええ。他には『ハーモニカが欲しかったんだよ』って名曲が
 入ってたりとか。」
T「これシンセサイザーが入ってる時点で凄いですよね。」
N「そうですね。77.78年ぐらいのものなんですよ多分。その時点で
 このアレンジとはもう仰天しましたけどね。」
T「クリエイティブだなあこれは。CD化されてないんですよね?」
N「今のところはなってないです。近々なるかもっていう話も。
 コロンビアにその音源が残ってればですが。」
T「これは個人的に欲しくなりました。はい。という事でここんとこずっと
 男シリーズやってきましたけど、今日はピークに達したって感じですね。
 という訳で男祭り2000最終章という事でここで一段落したいと思います。」

<エンディング>
T「いやあ、このレコードのコレクションから見て、これは絶対面白い事
 やってる人だなって感じがする訳なんですけども(笑)。全国ツアー
 という事はDJとかのイベントで?」
N「DJとライヴと両方。クラブスタイルで。」
T「バンドで?」
N「というかユニットで。打ち込みが多かったりするんで。」
T「全国ツアーって何カ所ぐらいまわったんですか?」
N「と言っても4カ所なんですけどね(笑)。東京、京都、福岡、札幌と。
 今度またGWに東京と京都だけでちょこっとやります。」
T「そうですか。年間でどのぐらいのアルバムを?」
N「月に1枚は出てる計算なんで通算で80何枚になってる。」
T「えーー!凄いですねえ。じゃもうしょっちゅうレコーディングして。
 アーティストもたくさんいるんですよね。」
N「そうですね。まあ殆どが宅録できるようなグループなんで、
 低予算、微予算で。」
T「へえー、ちょっとこれはいろいろ観たいな。で、この番組では
 ファンタスティックエクスプロージョンの曲使ってるんですよね。」
N「初めて知りました(笑)。」
T「そういったところでもゆかりの深いという事がわかった訳ですけど。
 いろいろとチェックして頂きたいなと思います。」



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Listening & Reported by Jun Arai
Page Written by Kiku^o^Sakamaki