ORIGINAL LOVE presents 《BURST!》

第148回 (2002年1月24日放送)


<オープニング>
T「今日はこの番組ではお馴染み木暮晋也がスタンバっております。」


M-01.夜行性(アルバムバージョン)/オリジナルラヴ

<近況>
 やっと発売になった新曲マキシシングル「夜行性」を聴いて頂きましたけども
ね。この曲のジャケット御覧になりましたでしょうか。今CD屋さんに置いてある
と思いますけど。この番組にゲストで来てもらった常盤君が描いたいい感じのジ
ャケットだと思うんですけどねー。これ、常盤君やったな!と思ってもう僕あの
ジャケット出来上がったのを見た時にね電話入れましたよホントに。「バッチリ
じゃん!」とか言って盛り上がった訳なんですが。アルバムの方も今いろいろジ
ャケット制作進んでるという感じですね。

 で、僕は今、オリジナルラヴのニューアルバム3月に出る事になった訳なんで
すけど。タイトルはもうちょっと待って下さい。もうちょっとしたら言います。
まだ言えません。もう決まってるんですけどね。で、このアルバムの最終段階ミ
ックスダウンっていうのをやるんですけど。そのミックスダウンがあと4日後ぐ
らいに迫ってましてですね。毎日毎日最後の詰め、歌を歌い直したりとか歌詞を
やっぱ変えたりとか。何か最後のあがきみたいな事をもう毎日毎日やっていまし
てですね。それで結局お正月今回1日しか休めませんでしたね。「猪木軍 vs K-1」
あれ見ておしまいでしたね今年のお正月は(笑)。

 僕は平均睡眠時間長くないとダメなんですけど。もうね、3〜4時間とかなって
ますね。ずーっとスタジオで穴ぐらで冬眠してるみたいに穴ぐら生活やってます
けれどもですね。まあお陰様で歌詞も歌も大体出来上がってきて。今回はそうだ
なあ、いいと思うんだけどな。最近はあれですね。昔は僕ねサウンドを作る方が
好きだったんですよね。作詞と作曲どっちが好きかっていったら圧倒的に作曲で
すという感じだったんですけど。最近歌詞書くのが好きになってきましたね。歌
詞書くのって楽しいな〜ってね。前回、前々回あの「L」ってアルバムぐらいか
ら何となくそういう感覚は持ちつつあったんですけども。「L」ってアルバムの
歌詞は自分でまあ今でも物凄い気に入ってますけれどもね。今回のアルバムも、
そうだなあ、歌詞的には「ビッグクランチ」とはちょっと違うんですが。「L」
をもうちょっと…違う方向に行った「L」みたいな歌詞。歌詞ですよ。曲ではあ
りませんよ。歌詞の方は何かそんな感じなのかな。僕こういう所に来たんだなっ
ていう感じの物が書けてきたかなーなんて思ってるんですけど。曲の方はですね、
これは何と言ったらいいのかな〜…えーと何と言ったらいいでしょう?「ブルー
スです」なんて言ってますけど。まあジャズとかボサノバとかフューチャーファ
ンクとかね、何かいろいろ呼び名ありますけども。そういった事がごっちゃごち
ゃになってて。ただ1つ言えるのがね、今回メロディーちゃんと作りました(笑)
じゃあ前回作ってなかったのか?みたいな感じですけど。今回メロディーはね、
まあいつもマジに作りますけど、それにしてもちゃんとマジに作ったなという感
じですね。メロディーと歌に関してはかなりこだわってますね。歌は何回も入れ
直したしね。入れ直したけど直しはしないっていうポリシーで今回レコーディン
グに挑んでますから。どういう意味かっていうと、要するに「部分的にここだけ
歌い直したい」とかそういう事をしないっていう。ダメなら全部ダメ。じゃあも
う1回ツルッと歌おうみたいなね。「今日はダメだな。じゃあ明日の朝一番にもう
1回歌ってみよう」という感じで、曲の頭から最後までの流れのいい感じっていう
のに割とこだわってますね。歌も演奏もそうですけども殆どワンテイクで今回録
りましたね。そういう音のエモーショナルな生きたインプロヴィゼーションを今
回結構大事に意識的に作り上げていきました。まあ結果的にね「ビッグクランチ」
とは大分違う。久し振りですね、この歌とサウンドと歌詞っていうのが物凄く近
い位置にあるっていうか。一緒になってるっていう。ここん所ね、前回の「ビッ
グクランチ」とか「L」のアルバムっていうのは、サウンドと歌と歌詞っていうの
は何かちょっとバラついてたっていう所があったのかもしれないですけど(笑)。
それなりにそれはそれで良かったですけどね。僕やりたかった事だったんですけ
どね。今回はね、ズドーンと1個になって表現が逆に広がっちゃったみたいな感じ
なのかな〜と思ってるんですけどね。本当に早く皆さんにお聴かせ出来たらな〜
と思っておる訳なんですが。

 でね、今「夜行性」聴いて頂きましたけど。「夜行性」アルバムバージョン、
歌違いますね(笑)。歌い直しましたから。アルバムバージョンは。次に今日こ
れから「アダルト・オンリー」聴いて頂きますけど。これはシングルバージョン
をかけますが、アルバムバージョン「アダルト・オンリー」歌また歌い直しまし
た。変えましたね。今回完全僕のプライベートスタジオで歌を録ってるんでそう
いう事が可能なんですね。で(笑)、キリが無いっちゃあキリが無いかもしれな
いですけどもね。という事で、その違いとかを割と聴いて欲しい所でもある訳な
んですけどもね。これはミュージシャンのわがままなのかもしれませんけども。
という事で「アダルト・オンリー」シングルバージョンを聴いて下さい。

M-02.アダルト・オンリー(シングルバージョン)/オリジナルラヴ

<談話室バースト!>
ゲスト:木暮晋也(以下K)

T「今日のお客様はお馴染み木暮晋也であります。」
K「よろしくお願いします。」
T「よろしくお願いします。ね。」
K「あ、明けましておめでとうございます。取り敢えず。」
T「明けましておめでとうございます。『明けおめ』ってもう言わないのかな。
 今年は。」
K「1万回ぐらい言いました。」
T「あ、ホントに。明けおめね。という感じでありますけれども。どうですか?
 お正月は何してたんですか?」
K「お正月はね、もうあの、引きこもり?(笑)」
T「♪お正月といえば…引きこもり。」
K「うん。家でダラダラしてたりとかね。あとちょっと温泉に年末とか行ったり
 とか。」
T「温泉行ったんだ。いいじゃん。」
K「うん、そう。そんぐらいかな。あとまあ近所の神社に初詣行ったり。」
T「あ、いいですね〜。」
K「うん。何か日本的な感じですね。」
T「なるほど。じゃあ僕と対極のお正月を過ごしたな。」
K「そうかな(笑)。」
T「僕はもう今年久し振りに仕事したもん。」
K「あー。何か2日から営業を(笑)。」
T「2日から営業しました。ええ。ホントに。だから晦日の『K-1ボンバイエ』見
 たでしょ。」
K「ボンバイエ。猪木祭り。」
T「猪木祭り見て、1日ちょっと休んで。で、2日目からもうね。」
K「凄いね〜。」
T「ずっとね〜もう。それからずーっと今まで。」
K「もう休み無く?」
T「そう。その辺の業界人みたいな感じ?寝てないっていう(笑)。」
K「あー。カッコイイ(笑)。」
T「(爆笑)どこがカッコイイんだっつーの!」
K「(笑)。でも正月はやっぱり仕事したくないよね。本当はね。」
T「したくない〜けどね。でももうだって間に合わないからしょうがなくてさ。」
K「うーん。」
T「もうヤバイヤバイで。」
K「追い込み。佳境に入って。」
T「追い込み。ホントに佳境よ。そう。1回電話したもんねそれで俺。」
K「ねー。1回何か凄い焦り気味な(笑)。」
T「そうそうそうそう(笑)。」
K「何かヤバイんだよ〜みたいな(笑)。」
T「もう思わずね、電話しちゃいましたよ木暮に。」
K「何か苦しくなると電話かけてくるね(笑)。」
T「そうそうそうそう!(爆笑)そうなんだよ!苦しくなるとしちゃうんだこれ
 が。電話木暮に。」
K「普段なんか全然電話なんかくんないんですけどね。」
T「いやいや、でもたまにするじゃん(笑)。」
K「最近は何かね(笑)。俺も別に何のアドバイスも出来ないんですけどね。」
T「いやいやいや。あれがね、大分違うんだよね、木暮と話すと。」
K「そうすか?」
T「うん。あ、だってそうそうそうだから、あの電話あったじゃない。あの後
 さ…木暮に電話する前ね、俺、物凄い疲れてて。」
K「うんうん。」
T「もうね、眠いのに歌わなきゃいけないって状況だったの。」
K「うん。」
T「眠いなーもう〜と思って。木暮に電話しちゃおう!っつって(笑)。」
K「そうだそうだ。」
T「電話しましてですね。そしたら何か盛り上がったじゃない?いろいろ。」
K「そうだね。何か電話で2時間以上いつも話すよね。」
T「そうそう大体2時間ぐらい話して。」
K「大体携帯の電池が無くなっちゃうんだよね。」
T「そうだよね(笑)。」
K「田島から電話来ると。いつもピーッピーッって鳴って。そんなに長電話しな
 くても。男同士気持ち悪いな〜って。」
T「そうそう(笑)ね、いい年こいてさ〜ホントに。長電話してどーすんだって」
K「ねー。
T「それでその後さ。あの後歌入れ絶好調でしたよ。」
K「あーホントに。うまく行った?」
T「バッチリ。」
K「あ、なんだ。良かったなー。」
T「良かった。やっぱいいねあれ。たまに話すと。」
K「そうだね〜。」
T「あの後ホントね、バッチリだったよ。」
K「ほおー。楽しみですよ。新曲が今続々と仕上がってるっていう噂を聞いてま
 すが。」
T「新曲続々とね。仕上がってるっていうかね〜もう大変よホント。」
K「激ヤバなんでしょ?(笑)」
T「激ヤバでもうさ。リキが入ってるからまあ余計ね。『ここもうちょっといけ
 る!』とかさ、いろいろ思っちゃうんだよね。」
K「うん。しかも正月に歌いました!みたいな。そういう曰く付きの(笑)。」
T「全然(笑)。まあ、そうね。でも何か今回詞もね結構頑張ってるよね。」
K「ねー。松本隆先生を始め。」
T「松本さんのやっぱり影響あるね。」
K「田島貴男先生もありと。」
T「いえとんでもないです。田島貴男愚か者。」
K「(笑)」
T「何とか頑張っていい感じのね。」
K「大巨匠のね。」
T「いやいやいや。巨匠は松本さんで、僕は愚か者(笑)。」
K「(笑)。何か素晴らしい状況になってますよね。」
T「そうそうそう。だから早く聴いて欲しくてさ。」
K「ねー。まだ流してないんだ?」
T「まだ流してないですしね。もう本当に皆さんに聴いて欲しい。」
K「今日は聴けないの?」
T「まだ聴けない…うん。デモは持ってんだけどね今日。スンゴイ流したいんだ
 けど。ダメなんですけどね〜。」
K「それはダメなのね、いろいろね。大人な事情でね。」
T「大人というか、まあ、うん。いろいろありましてですね。」
K「はい。」
T「はい。という感じですけども。」

***
T「で、あれだよね、木暮の方はこの間小坂忠さんのイベントやってたじゃない
 ?」
K「そうなんですよ、ええ。年末にね小坂忠さんの。新宿厚生年金で。」
T「ヒックスヴィルでね。」
K「うん。ライヴがあってね。前半のアコースティックコーナーでヒックスヴィ
 ルが。」
T「だってあれでしょ?小坂忠さんが久々にポップス歌うっていうんでさ、前半
 ヒックスヴィルがバックで後半はティンパンアレー。」
K「ティンパンアレー。」
T「凄いじゃんこれ。この並び。」
K「いや〜もう緊張!ドキドキでしたよ。うん。」
T「(笑)」
K「生で細野さんのベースを見れて。」
T「あ、そうだね。」
K「うん。茂さんのギターも。林立夫さんドラム。」
T「あーそうだね、ホントにティンパンアレーだね。」
K「もうチビリそうに(笑)素晴らしかったです。」
T「(笑)新年早々…新年早々でもないかもう今は。」
K「うん。でね、小坂さんの歌がもう最高良かったです。」
T「良かった?」
K「うん。今度ね、テレビ…あのちょうどこれオンエアされてる頃にはもうやっ
 ちゃってるかもしれないですけどね、テレビでやるんで。もしチェック出来る
 人は見たらいいなと思うんですけど。」
T「あ、ホントに。」
K「凄いいいですよ。」
T「うん。そうか。じゃあそれも見たいなと思いますね。」
K「うん。」
T「それであの小坂さんの曲を…」
K「小坂さんのね。うん。僕好きなアルバムの『ほうろう』っていうのがあるん
 ですけど。」
T「『ほうろう』僕も好きです。」
K「うん。あのアルバムの中の曲もいろいろやって。」
T「やったの?」
K「うん。やりましたね。」
T「『ほうろう』やった?」
K「『ほうろう』はね、ティンパンのセットの方で。」
T「あ、そーかそーか。♪ぼろぼろ靴がどーの〜ってヤツ。」
K「うん。あれはやりましたよ。凄い盛り上がってましたよ。」
T「盛り上がった。あのファンキーな感じでやったの?ホウロウッ!って。」
K「もうね、レコードを超えてた!」
T「あーそう!へえ〜。」
K「うん。もう小坂さんの歌が凄く良くて。」
T「へえーなるほどね。そうか。それであれは?『しらけちまうぜ』やった?」
K「『しらけちまうぜ』は最後のアンコールで。」
T「なるほど。」
K「もう、これぞ!という。ええ。僕らもこうちょっとステージに上がって。」
T「上がって(笑)」
K「もう。マイクはあるけども手拍子だけ。」
T「手拍子だけみたいなね。なるほど(笑)ありがちな。イベントの最後の…」
K「参加させて頂きました。ええ。」
T「なるほどね。そうか〜。」
K「ええ。じゃあ聴きますか?」
T「ええ。小坂忠さんの…」
K「アルバム『ほうろう』から『しらけちまうぜ』。はい。」

M-03.しらけちまうぜ/小坂忠

T「これ今聴くと物凄いフィリーソウルって感じのアレンジだねこれ。」
K「うん。いいポップスで。」
T「ねーいいポップスで。細野さんなんでしょ?これ。」
K「細野さん作曲。」
T「いろいろ書くんだねあの人は。」
K「いっぱいね。スリー・ディグリーズにも曲提供してますね。」
T「そうだね。あの曲、天使のささやきか?あれ。細野さんの曲なんだよね?」
K「細野さん、松本隆さん。」
T「あ、そうなんだよねー。なるほどなー。って今更ながら何で『なるほどな』
 って(笑)。」
K「凄いいい曲がいっぱいあって。」
T「だけど、今の歌の方が全然いいんだって?」
K「うん。何か小坂さんの歌を聴いてると本当に今の方が全然素敵。」
T「このレコードを聴くと子供みたいに聞こえる?」
K「うん。この頃は本当に若かった…これでも凄くいいと思ってたんですけど
 レコードを聴いてただけの頃は。でもこの間生をライヴで聴かしてもらった
 ら、何かもう全然…」
T「良かったと。」
K「数10倍。数100倍(笑)。」
T「あーそう。ゴスペルやってたんでしょ?」
K「うん。ずっとゴスペルの世界。あのー牧師さんなんですよね。」
T「うんうん。」
K「それで今回小坂さんとヒックスヴィルの練習は小坂さんの教会でね(笑)。」
T「あ、そうなの?へえ〜。」
K「うん。4日間ぐらい教会に通って練習したんですよ。」
T「あーそう。じゃあ音響的にいいとか?」
K「何かね、フワ〜ッとした感じでね。」
T「ライヴ感があって?」
K「うん。何か小っちゃい体育館っていうか。幼稚園のお遊戯室ぐらいっていう
 か。イメージ的にはそういう感じの所。」
T「はあー。へえーなるほどね〜。」
K「アットホームな感じの。良かったですよ。」
T「うん。でもあれだよね、よくそういう話来たよね。木暮の所に。」
K「ね。僕らがそんな、こんな事、ね。(笑)やらして頂いてね。」
T「(笑)いやそんな、謙遜しなくてもいいけどさ」
K「いやホント。でもそう思った。いやぁ〜務まるかな〜と思ってたんですけど、
 まあ何とか。ええ。」
T「なるほどね。」

***
T「はい。いろいろ曲を行きたいと思いますが。」
K「はい。」
T「まあ今回オリジナルラヴのニューシングル出ましたけど。これが作詞松本隆
 さんがやってるって事で。今日はあれですね、木暮が持って来たのは松本さん
 が歌詞書いたヤツ。そうですね?」
K「はい。」
T「で、さっき『しらけちまうぜ』のバックで木暮が言ってましたけど。この
 『しらけちまうぜ』ってタイトルの『ぜ』ですね。これはその後ジャニーズの
 一連のヒット曲に流れて行ったと(笑)。」
K「そうですね。マッチの一連のヒット曲とか。」
T「♪これが最高〜これで決まりさ〜。」
K「みたいな。ちょっと粋がった感じといいますか。」
T「♪ナントカだぜ〜!」
K「あの作風が。」
T「イモ欽トリオじゃなくて、何だっけ?あの…」
K「ハイスクール・ララバイですか?」
T「違う違う。あの薬丸君がいたヤツ、何だっけ?」
K「あー少年隊?」
T「少年隊?…違う違う、あれ東山…」
K「ん?あ、そーか。」
T「……シブがき隊!」
K「シブがき隊でしたね」
T「シブがき隊の曲も何か『ぜ』モノがあったり。」
K「うん。やっぱり何かその辺に繋がってる。その元が『しらけちまうぜ』だっ
 ていう説がね、ある…」
T「『説がある』って。自分で言ったのに(笑)。」
K「(笑)。松本さんとお話した時ご本人もそうだっていう風に言っておられま
 したね。」
T「なるほどね。今日はだからその松本さんが書いた曲をいろいろ持って来たと
 いう感じでね。」
K「ええ。もう名曲ばかりなんですけどね。今日は。」
T「まあね。松田聖子のほとんどの名曲、代表曲は松本さんが書いた。」
K「そうですね。あの1位をずっと続けてた頃のはほとんど松本隆さん。」
T「そうですね。」

***
T「えーとね、はっぴいえんどのトリビュートの話が出て。僕歌うんだけどさ。」
K「うん。」
T「誰とやるかっていうと。コラボレートするみたいな感じでね。ある人のバッ
 クトラックで歌うんだけど。まだちょっと情報言えないんだけど。で、たまた
 まさ、今作詞とか歌とかやってる時期じゃない?アルバムの最終段階。」
K「うん。」
T「はっぴいえんどの曲を久し振りに聴いたんだけどね。この『夏なんです』っ
 て曲さ、これいい曲だね。」
K「いい曲ですね。スッゴイね、絵が浮かぶんですよねこの曲はホントに。」
T「あのね、この『日傘ぐるぐる 僕は退屈』ってこのフレーズが凄い好きで
 さ(笑)。」
K「(笑)」
T「いい日本語だな〜。何かねこう、は〜っとしちゃった。車でずっと聴いてて。
 日本語がいいね。歌詞が先だったんだよね?はっぴいえんどって。」
K「はっぴいえんどはね、松本さんの詞に関しては全部詞先だったという。」
T「詞先ね。」
K「詞に大瀧さんも細野さんも曲を付けていったという。」
T「詞先だったって意外だよね。」
K「もう恐るべき事実だ!と。僕それ顎外れましたけどね。その話を聞いた時。」
T「(笑)」
K「詞、詞先だったんだ!あれはー!っていう。凄い。」
T「あー。でもそれを聞いてから詞を見ると、確かに詞先だなって感じはするん
 だけど。」
K「歌いまわしが凄いですもんね。何かね(笑)。」
T「うん、そうそう。強引だったりしてさ。」
K「うん、何か。」
T「細野さんのは割とピッタリきてるんだけどね。『風をあつめて』とか『夏な
 んです』とかさ。」
K「そうだね。」
T「言葉とメロがピッタリきてる感じ。で、じゃあその『夏なんです』」
K「聴いてみますか。はっぴいえんどね。」
T「はい。聴きまーす。」

M-04.夏なんです/はっぴいえんど

T「このまったりとしたビート。」
K「たまんないですね。」
T「これね、もう今の2002年にはなかなか出来ないね。このまったり感。」
K「ねー。このノリっていうのはホント…」
T「これさ、昔の70年代80年代の古い茶店が見えて来るんだよ。」
K「あー。」
T「茶店で聴く感じ。だから今はさ、クラブとかライブハウスとか夏のイベント
 とかそういった所に音楽があるけど。70年代はやっぱ茶店だったんだよね。」
K「音楽の中心地といいますか。」
T「音楽の中心地はね、茶店!」
K「喫茶店でね。やっぱロック喫茶とか。」
T「ロック喫茶ありクラシック喫茶いろいろ、ナントカ喫茶ってあってさ。」
K「うん。」
T「喫茶店で。まあジャズ喫茶もそうだし。喫茶店にあったんだよね音楽。」
K「ねー。そういう話をよく聞くよね〜。」
T「そう。あと文学も喫茶店にあった、みたいな。」
K「本もね。」
T「そう。今の喫茶店とは違うかもな。今スタバだろ?」
K「う(笑)、そんな決めつ…」
T「(笑)」
K「でもほら今カフェブームでまた。」
T「あ、そうか。スタバのコーヒー好きだけどね俺。」
K「僕もよく飲みますよ。」
T「大好き。あのスタバの豆あるじゃん?挽いてあるヤツ。あれ買って来て飲ん
 でるもん。」
K「あ、俺もこの間買った。」
T「買った?美味いでしょ?あれ。」
K「ね。あのオリジナルラヴの事務所で飲んでたコーヒーが美味しくて。俺真似
 してね。スターバックス・ラテだっけ?(笑)買いました。」
T「そうそう。あれね、コーヒー何杯飲んでも割と苦になんない。」
K「香りが凄いいいですよね。」
T「香りがいいし好きですが。あれだね、このちょっと古い感じの文学喫茶って
 いうかさ。」
K「うん。」
T「ロック喫茶とかジャズ喫茶とかフォーク喫茶とかさ。」
K「うん。」
T「80年代中盤ぐらいまではあったね。」
K「うん。僕らが住んでた郡山にそういう所はまだあったもんね。」
T「郡山にブルース喫茶あったじゃない?」
K「ブルース喫茶。」
T「で、フリージャズの喫茶、俺しょっちゅう行ってた所あったね。」
K「うん。あの感じかな〜でも。」
T「あの感じあるよね。」
K「ね。やっぱダンスフロアーじゃないんだよね(笑)。」
T「ダンスフロアーじゃないんだよこれが。そうそうそうそう。」
K「椅子に座ってタバコ吸ったりとかしてね。」
T「椅子に座って文学的に。何かこうほら『アート俺は好きなんだぜ』みたい
 なさ。」
K「そんな感じだよね。」
T「そんなムードあったけど。今はそういう場所無いな。」
K「そうだね。」
T「今クラブはまたクラブでね。踊れないとしょうがないからねあれ。」
K「うん。でもほら『渋谷B.Y.G.』とかまだあるよ。」
T「何?『B.Y.G.』って。」
K「ロック喫茶。昔ロック喫茶だった所。」
T「あるの?まだ。」
K「うん。昔の雰囲気のまんま。」
T「あ〜そう!」
K「ええ。割と。」
T「ライオンには行ったけど。喫茶ライオン。」
K「うん。まあそういう方面のね。」
T「あ、そうなんだ。あるんだ。行ってみよう今度!うるさくない?でも。」
K「うるさくないよ。あと中野の(笑)…」
T「(笑)中野とかあの辺は…」
K「クラシック喫茶。何だっけ?(笑)とか。凄い所ありますよねまだ。」
T「あーそう。中央線沿線はあるんじゃないの?阿佐ヶ谷/中野とかさ。」
K「国分寺とかもね。結構面白い喫茶店が昔ありましたね。」
T「うん、ありそうだね。行きたいね〜何か。」
K「うん、よく行ってたよ。だけど大学の時。」
T「あーそう。」
K「うん。」
T「行ってたの?」
K「行ってた。国分寺近く。」
T「へえー。増子君とかいなかった?DMBQの。」
K「いたいたいた。」
T「(笑)」
K「多分いたと思う。」
T「『いたと思う』って(笑)。いそう(笑)。」
K「うん。その頃はあの、お知り合いじゃなかったんで。」
T「あーそう(笑)うん。何かねああいう茶店が…」
K「ねー。やっぱはっぴいえんどはそういう物をイメージさせますね。」
T「させる。茶店で小説読みたくなるもんな。この『夏なんです』を聴くとさ。」
K「何かね(笑)。」
T「茶店でちょっとサルトル読も!とかさ(笑)。」
K「(笑)文学的にやっぱね。キラリと光る。」
T「そう。何か凄い純文学読みたくなるな〜って感じだけど。」
K「うん。ホントにそうだよね。」
T「今純文学読む場所無いもんな。」
K「今ね〜。」
T「スタバじゃあなかなかちょっと。マックとかさ。」
K「図書館とかね。」
T「図書館はね。そりゃあ図書館はあるね。読めるけど。」
K「漫画喫茶みたいな。」
T「漫画喫茶(笑)。」
K「そういう所に変わってしまいましたね。そういう場所がね。」
T「そうね〜。またもや何かこうさ、ちょっと愚痴ってるけど。」
K「(笑)」
T「(笑)」

***
T「えーそれでは。次は何だっけ…」
K「えーと、鈴木茂さんの曲ね。」
T「鈴木茂さんね。この頃ちょっと割と男らしい感じの歌詞を書いてますね松本
 さん。」
K「うん。松本さんね。」
T「はい。」
K「これ茂さんのファーストアルバムかな。ソロ名義では。」
T「ですね。『砂の女』」

M-05.砂の女/鈴木茂

T「僕この曲そういえばカバーした事あんだよね。」(注:1994年12月)
K「見た俺。そのライヴ。」
T「そうそうそう。随分前にやったよ。思い出したよ。」
K「うん、見ましたよ。」
T「そう。ね、聴いてもらいましたけど。この頃の松本さんは割と男らしい路線
 の詞を書いてましたけど。」
K「そうすね。まだ歌謡曲の世界に行く前。」
T「直前かな?」
K「直前ぎりぎりですね。まだアグネスとかやる前ですねこれは。」
T「アグネスとかやる前(笑)。そうだね。まあでもね、松本さん最近僕一緒に
 やったんで、よく取材とかで『松本さんのどういう所がいいんですか?』って
 聞かれてさ、ビックリしたんだよね。」
K「おー。うん。」
T「『あれ?どんな所がいいんだろう』…(笑)、だから説明出来なくてさ。」
K「あー。」
T「いろいろね、松本さんのいい所たくさんあるんだけどさ。何をってパッと一
 言でって、出来なくて。」
K「あー。」
T「いろいろ考えたり。松本さんのどこが好きなのかな…松本さんの詞ってさ、
 黒人が歌詞にするエロティシズム、マーヴィンゲイみたいな。ああいうのでは
 なくて、違うエロティックな所があるでしょ?」
K「あー。またちょっと視線が違うっていうかね。」
T「全然。だから宮沢賢治とか稲垣足穂が持ってるようなエロティシズム。」
K「あー。」
T「何つったらいいんでしょうね…そういうエロティックな感じあるじゃない?」
K「そうだね〜。」
T「そこがね、割と好きだと思ったりもしたんですけど。」
K「そうか。聞かれるんだね、やっぱそういうのね。」
T「そう、聞かれるからね。『あれ?』ってはたと思っちゃったんですよ。どこ
 がいいってさ、あの〜…」
K「(笑)そんなすぐは言えないよねでも。あまりにも知り過ぎてるとね。」
T「そうそう。」

***
T「あれでしょ?それで次の曲が…」
K「はい。これ僕も『ベストテン』でいつも鼻息荒くして見てたアーティストな
 んですけど(笑)。」
T「(笑)」
K「原田真二さん。」
T「原田真二さん。『ザ・ベストテン』に出てた。もう何か懐メロみたいな番組に
 なってきたな今日(笑)。」
K「もうギンギン80年代(笑)。さっきも話してましたけど『ベストヒットUSA』
 ね。」
T「あーそうかそうか。ガッカリきたってヤツ?」
K「いえ、まあ…嬉しガッカリみたいなね。嬉し泣き?(笑)」
T「あーそう。俺は知らない。俺は見てないからわかんないんだけどさ。」
K「やってたんですけどね(笑)。」
T「この番組のディレクターと木暮君も含めて。あのゲストがいなければ…(笑)
 言ってましたけどね。俺はわかんないんだけど。」
K「お!ヒドイ(笑)…まあそういうのもありつつ…」
T「なるほど。」
K「原田さん。この間イベントでお会いする機会があって。原田さんと。」
T「あ、そうなの?」
K「で、若かった!」
T「若かった。変わってないって感じ?」
K「変わってない。それでね、演奏ギター弾き語りの曲とピアノ弾き語りの曲と
 2曲、あ、4曲ぐらいやったんですけど。『タイムトラベル』とかね。もう上着
 脱いだなと思ったらタンクトップなんですよ。白のタンクトップ。」
T「(笑)」
K「白いズボンに白のタンクトップ!」
T「ウソッ!」
K「カッコ良かったですね〜!」
T「カッコイイ!」
K「参りました。」
T「そう?やってるじゃんほら。」
K「いや〜僕にはちょっとその爽やかさは…」
T「(笑)」
K「凄い若くてね、凄いカッコ良かったですね。」
T「へえー。あ、そうなんだ。」
K「うん。」
T「という感じですが。じゃあ。」
K「聴いてみましょうかね。」
T「ええ。原田真二で『ティーンエイジブルース』…」
K「あ、『てぃーんずぶるーす』」
T「あ、『てぃーんずぶるーす』。はい。」

M-06.てぃーんずぶるーす/原田真二

<エンディング>
T「はい、お送りして来ましたオリジナルラヴプレゼンツバースト!いかがでし
 たでしょうかね。今日は最後『てぃーんずぶるーす』聴いて頂きましたけど。
 何ともこの青さがね!」
K「いや〜!いい曲ですね。」
T「いい曲。♪伏せ〜目ェ〜がちの〜って出て来たんですけど。」
K「うんうん。」
T「この『伏せ目がちの』って言葉、今度のオリジナルラヴの新曲に入ってるね
 (笑)。」
K「入ってる。はい。」
T「それで『原田真二じゃーん』って言われてしまいました俺。木暮に(笑)。」
K「(笑)」
T「そうか!と思ってさ。」
K「うん。やっぱり松本先生印はこういう所ですね。」
T「先生印がね。そういう所が。」
K「素晴らしい。嬉しいですよ。」
T「(笑)。僕明日会うんだよね。そういえば。」
K「おー。」
T「明日他のある仕事でね。ちょっと。」
K「ねー。」
T「という事で。来週もですね木暮さんゲストに来てくれてね。」
K「はい。続投で。」
T「お送りしていきたいと思っております。今日のゲストは木暮晋也さんをお迎
 えして。松本隆作品集ね。」
K「そうですね。特集になっちゃいましたね。」
T「をお送りしました。バースト!」

 


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[BURST!]
[BROADGRAPHY] [Home Page]

Listening & Reported by Jun Arai
Page Written by Kiku^o^Sakamaki