ORIGINAL LOVE presents 《BURST!》

第130回 (2001年9月20日放送)


<オープニング>

T「今日も初登場ですね。今日本で一番かっこいいハウスDJ。でも素顔はそんな
 もんじゃない、ムードマンの登場です。」


M-01.愛の薬/オリジナルラヴ

<近況>
 この間、先週かな?東京スカパラダイスオーケストラの谷中君と川上君と、と
ある某番組で収録がありまして。その番組でのみTV共同出演オッケーという許可
がレコード会社から出ましたので(笑)その番組に出て来ました。その後そば屋
に行ったんですね。そば屋というかね、和食飲み屋みたいな所行ったんですけど。
そこでいろいろ谷中君と川上君とね…彼らはやっぱり「スカパラダイス」って言
うぐらいですからスカしか知らないのかなと思ったら全然違ってね、まあ当然な
んですけど。やっぱりジャズとか好きなんですよね。で、ジャズの話にいろいろ
花咲いた訳ですけど。何が良かったかっていうと、レンコンがね、激ウマ!もう
ね(笑)。あのー何が言いたかったって、そのレンコンが物凄い美味かったんで
すね。僕レンコンが美味いとか思った事無かったんですよこの歳になるまで。で、
ハッキリと自分の味覚の変化っていうのを痛感したんですね。スカパラと一緒に
和食レストランに行って(笑)。ゴボウとかもう死ぬ程美味かったですね「何こ
れ!」って感じで。それと同時に…あのー何でこんな話振ったかっていうとです
ね、自分の音楽の趣味がやっぱりね、何て言うのかな…レンコンとかゴボウのよ
うな音楽が好きになってきたという事なんですね(笑)。それ何かと言うと、や
っぱここん所最近ほらパティ・スミスとかニック・ケイヴとか。僕いろいろこの
番組でリコメンドでかけてますけども。それとかね、あと、ジャズ。まあこうい
った音楽はどっちかって言うと、やっぱりレンコンとかゴボウ的な音楽ではない
かと。やっぱりね、20歳とかティーンエイジャーの頃っていうのは、ラーメンで
も油多めとか思わず言ってしまいますけども、そうでもなくなった時期に急にし
みて来る音楽というかね。ルー・リードの最近のアルバムとか。何か自分がそう
いう風に趣味が変化してて。でも片や自分の「まだまだいけるぜ魂」というんで
すか?がやっぱあるんですよ。で、そっちの方で「ダンスナンバーのレコードも
買うぜ!」とかね(笑)。「次タワー行った時、絶対50枚ぐらいダンスモノ買っ
てやろう!」とか思ったりもするんですけど(笑)。でも素直にね、暮らしてる
まま「何か聴きたいな」とか思うと、ついついジャズの方とかパティ・スミスの
方に行っちゃいがちで。まあそれはそれでこうしょうがないという感じな訳であ
りますけども。

<今週のリコメンド>
 で、今日持って来たレコメンデーションがなんと『チャーリー・パーカー』で
あります。オリジナルラヴデビュー当時はいろいろジャズだ何だかんだ言ってま
したけど、最近はやっぱり自分がサックスを吹くようになりまして、もう「やっ
ぱサックスってホントいい楽器!」とかね(笑)。こう何か盛り上がりまくって
るんですね自分の中で。いろいろなサックス奏者が今になって凄い気にかかって
きちゃいまして。サックスの楽器に関わってくると改めて自分ん中でジャズって
いうのがまたまたこう…自分がそういった楽器を持った上で聴く音楽となってき
て、凄い自分にとって今面白いという感じであります。今やっぱり『セロニアス
・モンク』。ジャズの巨人達いろいろいますけども、かつて僕10年ぐらい前まで
やっぱ「マイルス・デイヴィス好きだな〜」なんて言ってましたけど、今はね、
デューク・エリントンがいて、その後セロニアス・モンクがいて、その後エリッ
ク・ドルフィーがいて、で、オーネット・コールマンがいる!みたいなね。何か、
そういう流れが凄い最近キテますねー自分の中で。で、オーネット・コールマン
が今自分的にかなりキテルんですけど。そのオーネット・コールマンも最高に敬
愛してたサックスプレイヤーがやっぱり『チャーリー・パーカー』なんですね。
チャーリー・パーカーってあらゆる人に敬愛されてますけど。何でこんなに敬愛
されてるんでしょう?…わからん!っていうぐらいもう異常なまでのこのカリス
マとされてる訳なんですが。そこまでカリスマ化するかな、みたいな。改めて聴
いてもねそう思う訳なんですけど。ただね、やっぱりいいですねー。チャーリー
・パーカー、アルトサックスでありまして。僕が今吹いてるのはテナーサックス
で多少違うんですけど。で、改めてチャーリー・パーカーの『オン・ダイアル』
ダイアルっていうレコード会社にいた頃のヤツですね。『Diggin Diz』そして
『Moose The Mooche』2曲続けて聴いて下さい。

M-02.ディギン・ディズ/チャーリー・パーカー
M-03.ムース・ザ・ムーチ/チャーリー・パーカー

<談話室バースト!>
ゲスト:DJムードマン(以下:M)

T「今日のゲストは、DJムードマンです。どうもどうも。」
M「どうもー(笑)。こんちわーっす。」
T「こんちわっす。どうもどうも。あの僕は前にもちょっとライヴの楽屋とかで
 チラッと会ったりとかずーっとしてたんですけど。」
M「そうですね。はい。」
T「こうやってお話するのは初めてですね。」
M「初めてですね。どうもこんちわーっす。」
T「初めまして。で、オリジナルラヴのターンテーブルやってるコウ君、L?K?Oが
 よくムードマンの事をいろいろ話してくれて。『全然寝ないんだよムードマン
 は』って(笑)。」
M「(笑)」
T「『どうしたらああやって寝ないで大丈夫なんだろう?』とか言ってね。」
M「そうなんですね。何かコウ君、まあずっと長いんですけど。いっつも寝るの
 がね、コウ君と一緒にレコーディングしてる時とか、そん時だけズーズー寝て
 るんで、相当怒られてましたね一時期ね。」
T「はあー(笑)。でもあれですよね、ちゃんと会社に行って…」
M「そうなんです。」
T「夜はDJして、会社に行って、の連続で。」
M「そうですね。連続ですね。半々ですね(笑)。」
T「凄いっすよね。それは寝だめとかするんですかね?」
M「えとね、寝だめって言うかどこでも寝れるんですよ。今『寝ろ』って言われ
 たら、多分ここでも寝れる。」
T「あー。へえー。」
M「だからね、1時間とか2時間づつポコポコポコポコ寝てて。よくクラブでも寝
 てんですけどね(笑)。」
T「(笑)」

***
T「それでムードマンなんですけども。台本読むとですね『今やディープハウス
 DJとしてすっかりイメージが定着している。以前はマイアミベースをかけまく
 っていたし、更に以前はダブレストラン、ドーナツ・ムード・レーベルを主宰
 し、変な7インチをリリースしまくっていたし、何故かサバービアにも参加し
 ていた』これ初めて知ったんですけど。」
M「そうなんですよ。サバービア・サウンドシステムで高橋君とかとDJやってた
 んですね。」
T「あ、そうなんですか。」
M「そうなんです。だからずっとイベントは出てたんですよね。さりげなくね。」
T「へえー。」
M「何で出てたんだろう?っていうね(笑)。」
T「(笑)それはビックリしましたけどね。」
M「そうなんですね。ムード音楽好きなんで、それで声掛けられたんですけど。
 やっぱりちょっと違うって事で途中で外れましたけど(笑)。」
T「そうなんですか(笑)。」
M「残念な事にね(笑)。」
T「なるほど。あの僕はね、ムードマンのレコード持ってるんですよ。」
M「あ、そうなんですか?」
T「うん。買いましたよ。あの『ホワイ・シープ』ってヤツ。」
M「あ、ホワイ・シープですか。あ、あのね、あれまだね在庫うちに一杯あって
 ですね。」
T「(爆笑)そうなんですか。」
M「暑いんですよ、夏ね。今日なんかもう最悪ですね暑くてね。」
T「そう。いや何かレコード屋行ったら『ホワイ・シープ』って、羊毛にくるま
 った変なCDがあったんで。」
M「はい、そうですね。鍋掴みみたいなヤツね。」
T「そうそう。もうモワモワッとしたCDで。何か取り敢えず面白そうだから買っ
 ちゃおう!って買ったんですけど(笑)。」
M「あれ大変だったんですよ。地方のオバチャン4人ぐらい雇って手作業で全部
 作ってもらってね。」
T「へえー。あ、そうなんですか。」
M「うん。だから一個一個形が違うしね(笑)。」
T「へえー。」
M「CD入んないのもあるんですよね。」
T「そうなんですか?(笑)」
M「そうなんですよ。だから大赤字こきましたけどね(笑)。」
T「(爆笑)そうなんですか。」
M「そうなんです。」
T「はあー。なるほどね。」
M「あの頃は結構出してましたね。いっぱいね。」
T「出してましたね。で、みんな結構面白くて。」
M「結構ね、小粒なんですけど面白いのがいっぱい。」
T「ええ。面白いのがいろいろあって結構買ったりしてましたね。」
M「あ、そうですか?」
T「マイアミベースのコンピも出したじゃないですか。」
M「あ、コンピ。うん。『インテリジェントベース』ね。」
T「あれ買いましたよ。面白かったですねあれ。」
M「あれね、本当は第何弾もやる筈だったんですけど、1回でね(笑)ダメでし
 たね。終わっちゃいましたね。」
T「あ、そうなんですか。ふーん。あのタイトルの翻訳。あれが凄いいい。あの
 『落ちていく私』とかさ(笑)。」
M「そうそう(笑)。ただ低音にグ〜ンと落ちてくだけなんですけどね。」
T「そうそう(笑)『だけ』とかさ。」
M「そうそう。ベースはね、面白いのいっぱいあるんですよね。ホントにね。
 今日もベース持って来ようと思ったんですけど、何か低音ばっかであんまり聴
 けないのもあるかなーと思って辞めたんですけどね。」
T「あー。あの中の文章も面白かったですね。」
M「あ、そうですか(笑)。」
T「ええ。あと、あれ、宇川君がやったあの写真のデザインが凄かったですね。」
M「宇川君、うん。宇川君でしたね。」
T「ケツにサウンドバスターが(笑)。」
M「そうそう。全部ウーハーで飾り付けられたトラックになって。」
T「そうそう(笑)。」
M「中が全部畳になってて。」
T「和室で(笑)。」
M「それで天狗がセックスしててね。」
T「そうそうそうそう(笑)。」
M「あれね、全部顔と体すげ替えてましたよ。あのね、1人に見えるんですけど、
 3人くらい合体さして作っててね、凄い時間かかってましたね。」
T「あ、そうなんすか。へえー。」
M「あれ面白かったですね。また是非やりたいんですけどね。」
T「うん。あれはね。」

***
T「その後いろいろハウスの方にズズーッと行ってるらしいですけど。」
M「そうですね。ハウスばっかやってますね最近は。」
T「これは何で急にこうハウスの方に?」
M「まあ、ダブとかが好きなんで。ああいう何て言うのかなベースもそうだった
 んですけど、結構定義がねキッチリしてて。普通に聴けちゃうんだけどよーく
 聴いてると変な感じが好きになってきて。」
T「はあー。」
M「そうすると結構ハウスが。そういうの多かったんで。」
T「ふ〜ん。」
M「うん。それで何となくハマッて行っちゃったんですけどね。」
T「で、もうずっと最近は…セオ・パリッシュとかもそうなんですか?」
M「セオ・パリッシュとかもそうですね。あの辺も好きだし。あの辺って結構ガ
 サッとした音じゃないですか。」
T「はい。」
M「もっとね、パキッとした感じのね。」
T「パキッとした?」
M「うん。」
T「もっとキレイな感じ?」
M「キレイな感じなんだけどよーく聴いてると気持ち悪いっていうあたりだとか
 ね。」
T「へえー。」
M「人とかジャンルとかが無いんでよくわかんないですけどね。ちょこちょこそ
 ういうのが出てて。」
T「あ、そうなんですか。へえー。」
M「うん。そういうのが面白いんで。」
T「それはナニ人なんですか?やっぱヨーロッパ?」
M「いやそれね、ヨーロッパも北欧もいるし。何か全世界的にありますね。」
T「あ、そうですか。」
M「最近どっからも出て来てて。何かメキシコのドラムンベースとかね。ブラジ
 ルのハードコアテクノとかね、何かいろいろある。」
T「ブラジルのハードコアは何か最近聞きますけどね。メキシコのドラムンベー
 スもあるんですか?」
M「そう。メキシコのドラムンベースは凄い繊細なんですよね(笑)。」
T「(笑)あ、そうなんですか。」
M「普通のドラムンベースかなぁ?と思うと一瞬メキシコっぽい音がちょっと入
 ってたりとかして。」
T「へえー。メキシコ…」
M「マリアッチっぽいのが…でも多分本人達はそういうのは嫌いなんだね。オシ
 ャレなのが好きで。」
T「あーー。」
M「凄いラウンジっぽくしてるんだけど…」
T「ついつい?」
M「根が出ちゃってる感じ(笑)。」
T「(笑)」
M「マイアミとかもそうなんですよ。マイアミとかも一生懸命オシャレなのを作
 ろうとしてるけど根が出ちゃってる感じが面白いですよね。」
T「あーなるほどね。やっぱ本人達はオシャレな…」
M「オシャレなんですよ。」
T「意識としては。」
M「そう。去年と今年マイアミへ行ってるんですけど。それでね、ベースが最近
 出て来ないんでどうしたのかな?と思って行ったら…『もうあんなダサイの何
 で聴いてんだよー』とか言って。」
T「あー。」
M「『日本人って遅れてるなー』みたいな事言われて。」
T「(笑)」
M「本人達はやっぱね、その時その時ではカッコイイの作ってる感じなんですよ。」
T「あーそうなんすか。」
M「あんまふざけてないんだよね。」
T「あー。マジでもうじゃあ…」
M「マジでやってて。」
T「もうそういう意識でやってるんだ。」
M「そうそう。」
T「へえー。」
M「で、ちょっとづつこぼれちゃってるっていうような感じが素敵だなーって。」
T「(笑)。え?ちなみに今はマイアミの人達は何を?」
M「今ね、マイアミの人達はですね、やっぱりトランス系の音とかね。」
T「へえー。」
M「あとはビッグビートの流れですね。ブレイクビーツが結構派手な感じのをや
 っててね。」
T「へえー、あ、そうなんですか。」
M「うん。それも微妙なんですけどね(笑)。」
T「うん。トランス…あ、でもちょっと違うんですか?やっぱり。」
M「やっぱちょっとマイアミベースの感じはありますね。」
T「あ、そうですか。」
M「何か低音が凄い出てたりね。」
T「何か強引な音楽ですよね?あのマイアミベースっていうのは。」
M「そう、強引ですね。」
T「あれがでも普通になっちゃうとつまんないかもしれないですけどね。」
M「そう。すっかりやってないみたいですねベース自体はね。ホント2.3人がやっ
 てるぐらいで。」
T「あ、そうですか。」
M「うん。」
T「えー、という感じで今日はね。」
M「(笑)」
T「ムードマンをお迎えしていろいろもう既に話は進んでる訳ですけど。」

***
T「取り敢えず曲ですね。」
M「そうですね。」
T「いろいろ今日…」
M「マイアミと関係ないですけどね(笑)。」
T「関係無いですけど。レコード3万枚から5万枚持っているらしいと今聞きまし
 たけど(笑)。」
M「(笑)」
T「凄い!もうレコード屋さん以上かも。」
M「ですね。何かまあね。なんの事やらって感じなんですけどね(笑)。」
T「凄いですね、3万から5万っていうのは。」
M「ね。大変な事になってますね。」
T「うん。で、今日はその中から何曲か持って来て頂いたんですけど。2曲です
 ね、まず。」
M「はい。」
T「曲をじゃあ聴いてみたいと思いますが。スピーディー・ウェスト&ジミー・
 ブライアントで『ブルー・ボネット・ラグ』そして『ディス・イズ・サウス
 ランド』2曲続けて聴いて下さい。」

M-04.ブルーボネットラグ/スピーディー・ウェスト&ジミー・ブライアント
M-05.ディスイズサウスランド/        "

T「凄いですね!」
M「素晴らしいですね。」
T「素晴らしいですね。」
M「ね。もう全くこれ(笑)普通に聴いてればもしかしたら聴いちゃうんだけど、
 ちょっと耳取られると…」
T「ちょっとヤバイですねこれ(笑)。」
M「(笑)。あの、やっぱね、展開が微妙に凄いんだよね。」
T「あー、うん。」
M「音もね。1音1音も。」
T「いやあ凄いですねー。超人的な…シンセサイザーみたいですけどね。」
M「そう(笑)。」
T「何かね。」
M「凄い音出してますよねー。」
T「そう。突然ワープするみたいな感じの。」
M「凄いですね。」
T「ヘンテコな……(爆笑)」
M「ね(笑)ヘンテコなインスト…こういのがハウスでもこういうのが好きなん
 ですけどね。」
T「あーー。」
M「基本的にインストで何かこういう展開な感じのが好きなんですよね。うん。」
T「へえー。突然こう場面が…」
M「そう、突然場面変わらされたりね。」
T「あーー。」
M「あれ?また戻った!みたいなね(笑)。」
T「(爆笑)そういうあり得ないような展開みたいな。」
M「そう。」
T「あー。」
M「恐ろしいですね。」
T「そうですね。あり得ない感じのソロという感じ(笑)。」
M「ね(笑)。」
T「という事で、今日はムードマンをお迎えしております。」

***
T「はい。いやいきなり凄いの聴かされたという感じしましたけどね。レコード
 3万から5万枚…これはもう子供の頃からずーっと買いまくってたという感じ?」
M「そうですね。うん。何か気が付いたら増えてましたね。元々はそんな買って
 なかったんですけどね。」
T「はあー。」
M「地元の貸しレコ屋でいい所あって。まあ横浜だったんですけどその時は。何
 か変な人がいたんですよ1人。貸しレコ屋のくせに『ポップグループ』とかね、 
 あーいうのばっかり前面に置いてあるんですね。」
T「(笑)あ!でもねあの当時ポップグループとか貸しレコ屋にありましたよ。」
M「ありました?何か12インチとかもどわーってあって。『23スキドゥー』とか
 ね、あーいうのとかあった。」
T「(笑)」
M「それがメインなんですよ。」
T「へえー!(笑)」
M「それでやられちゃったんですね。それから借りて、いいなと思って。」
T「あ、そうなんですか。へえー。やっぱりじゃあポップグループで。パンク・
 ニューウェーブの時期の。」
M「そうですね。うん。いろいろ混じった感じのね。」
T「はあー。でもね、僕はその当時ちょうど郡山に住んでたんですけど、そん時
 にも貸しレコ屋にポップグループとかPILとかね、ああいうのありましたね。」
M「ありました?(笑)じゃあ大体みんな貸しレコード屋でやられてんのかな?」
T「そうそう(笑)。ちょうどあの頃何か知らないけど訳も無く…その店員は別
 に意図してなかったんですけど…」
M「入って来ちゃってるんですね。」
T「入って来ちゃってた時期だっていうのはあったかもね。」
M「そうかもしんないですね。同列に変に並んじゃうんで。そういう弊害が今出
 てるんですね(笑)。」
T「そうそう(笑)。何故か徳間ジャパンのラフトレードシリーズとかあったり
 とか(笑)。」
M「(笑)。洋楽っていうと間違えて入ってきちゃうんだよね。」
T「そうそう(笑)。なるほどねへえー。あ、じゃそういうパンク・ニューウェ
 ーブ…僕と同じぐらいなんですかね?」
M「そう。まあ僕の方が多分若干…」
T「あ、そうですか。しかしあれですね、じゃあレコード屋さんはやろうとした
 事は無いの?」
M「レコード屋さんは手伝ってましたね。あの『マニュアル・オブ・エラーズ』
 とかの買い付け一番最初に僕と常盤さんと弥生さんで。」
T「あ、そうなんすか。」
M「うん。最初に行ってそれで店に卸したりとか。」
T「はあー。」
M「そういう…買って来たりとかはしてましたけどね。」
T「なるほど。でも常盤君とムードマンって凄いですね。2人のレコード持って
 る数合わせたら…」
M「ちょっとね(笑)。考えたくない。」
T「もう考えたくない。物凄い数。異常ですね。」
M「ね、そうですね。よく一緒にやってましたね。」
T「中原君とかのレコードも出してましたよね?確か。」
M「あ、そうですね。うん。暴力温泉芸者とヘアスタイリスティックス。」
T「うん。何かああいうノイズとかそういうのもいろいろしてたりとかね。何か
 ホントに掴み所が無いっていうかさ(笑)。」
M「(笑)。音が好きなのかな。わかんないな。そう、あのレーベルをやってた
 時もこういう7インチとかが凄い好きなんで、そういうさりげなく7インチ売っ
 てて。かかったら面白いかなっていう…異様なのを出してた感じなんですけど
 ね。」
T「あーなるほどね。いや、何かいろいろこう…今日はその3万から5万枚の数え
 られないレコードの中…」
M「(笑)」
T「それでも整理するの凄いですね。」
M「整理ね、殆ど出来てないです(笑)。」
T「あー。ダーーーっと?」
M「うん。大体は分けてあるんですけどね。『レゲエ』とかね(笑)、段ボール
 に書いて。」
T「へえー(笑)。売ったりはしないんですか?自分の在庫を。」
M「いや、売ってますけどね。よくね。」
T「でも売っても売り切れずにいろいろ残っちゃったりして?」
M「そうですね。」
T「へえー。」

***
T「じゃあ、今日は持って来て頂いたレコードから『スリーサンズ』ですね。
 スリーサンズの7インチ。」
M「これは何か変ですリズムがね。展開はそんなに面白くないんですけどね。」
T「はあー(笑)わかりました。このスリーサンズの『アンナ』。はい。」
M「はい。」

M-06.アンナ/スリーサンズ

T「素晴らしい曲でした。」
M「そうですねー。スリーサンズもストリングスとかを普通に使ってるヤツじゃ
 ないのが大体面白いんですよね。」
T「あ、そうなんですか?」
M「うん。こういうスカスカ抜けてるような感じのね。」
T「これ僕初めて聴きましたね。こういうタイプのスリーサンズ。これ僕も前、
 中古レコード屋でバイトしてたんですけど…」
M「そうですよね。」
T「で、そん時スリーサンズたまに入って来てて聴きましたけど。何か割とオー
 ソドックスな普通な感じだったんですけど。」
M「割合そんな感じなんですけどね。」
T「でもこれぶっ飛んでますね。」
M「何か時々やっちゃうんですね(笑)。」
T「(笑)」
M「だって、何に使っていいかわかんないですよねこんなの。」
T「(爆笑)」
M「ムード音楽でも何でもない…うるさいの♪ププププー!とかいってるしね。」
T「(笑)。あの代わりばんこに楽器が変わっていく…」
M「そう(笑)。」
T「何かそれで変なシンセみたいな。」
M「ピコピコ入ってましたね。」
T「サン・ラのオルガンみたいなああいうちょっとスペーシーなのが入ってたり
 とかして。」
M「ほろ酔い気分で聴いたらいいのかな?(笑)」
T「(笑)」
M「微妙な感じのね。」
T「うん。なるほど。リズムのアレンジも凄い変わってるしね。」
M「そう。あれで通しちゃうのが凄いですよね。最初から最後までね(笑)。」
T「そうそう(笑)そうね。これはねーなかなか何を考えてたのかわからない感
 じがやっぱりいいなあという。」
M「微妙な感じが。」
T「(笑)。よく見つけて来るなーという感じですけど。」
M「(笑)」

***
T「じゃあ続けていろいろ次から次へと行ってみたいと思います。次は『エロー
 ル・ガーナー』ですね。これは…」
M「これはね、まあムード曲なんですけど。ハープシコードを使ってるレコード
 なんですけど。出だしが凄いんですよ。あとは普通なんですけどね(笑)。」
T「(爆笑)」
M「出だしが度肝を抜くっていうね。」
T「あ、そうですか(笑)。じゃあそのエロール・ガーナーで『アイ・キャント
 ・ゲット・スターテッド』」

M-07.アイ・キャント・ゲット・スターテッド/エロール・ガーナー

T「素晴らしいですねこれもう!(笑)」
M「素晴らしいね。何か多分ね、ハープシコード初めて使ったんだと思うんです
 よこの人。」
T「あー。」
M「このアルバムが出てて。だからあんま使い慣れてなかったんだと思うんだよ
 ね(笑)。」
T「(笑)。イントロほんとにこれ凄いですね。」
M「暴力的(笑)。何かある意味L?K?Oな感じありますよね全体的にね。」
T「そうですね(笑)。このゴチャゴチャーってたくさんやるから。でも何かも
 う『とにかく嬉しくてたまんない!』みたいな。」
M「そうですね(笑)。」
T「これ絵に浮かびますよ。弾いてる姿が。」
M「ね(笑)。」
T「物凄い入り込んで、こう…くくぅ〜!」
M「(笑)後半もね。」
T「後半も何かこう…凄いですねこれ。」
M「もうヒッドイ。ね。低い声で♪ウ〜〜〜って言ってるしね。」
T「ね。後ろの方で何か言ってましたけど。」
M「そう。」
T「これはもう楽しくてとにかくツボにハマッたんでしょうね。このエロール・
 ガーナーっていう人。」
M「(笑)。子供の頃を思い出しちゃったんでしょう。」
T「(笑)。何かそういう感じですね。覚えたて!みたいな感じの。イントロは
 レゲエのイントロのフィルにちょっと近いような感じ。」
M「フィルに近いんだけど何か始まんないんですよね(笑)。」
T「そうそう(笑)。」
M「カクーンってなるんだけど。」
T「やったら長ぁ〜い感じのね。それでこれもパッと見付けたっていう感じなん
 ですか?」
M「そうですね。これもいろいろエロール・ガーナーのがバーって出てて。」
T「へえー。」
M「まあ、よくLPとかはあるんですけど、7インチがドバって出てたんで。」
T「これはみんなハープシコードを弾く人なんですか?」
M「いやいろいろ弾きますね。確かピアノとかオルガンとかも弾いてるし。」
T「あーへえー。」
M「何でも鍵盤は弾くと思いますけどね。」
T「なるほど。で、ハープシコードはこれが…」
M「そうですね。まあでも何枚か多分あるんでしょうねこの周辺にね(笑)。」
T「あー(笑)。」
M「(笑)。あんまりよく知らないんで。適当に買ってるんで。」
T「(笑)。だけどこれヒット。めっけもんですね。」

***
T「じゃあ最後に。これは『キング・クラッシャー』っていう人と…」
M「あ、キング・クラッシャーっていう人の『キング・クラッシャー』って曲で
 すね。」
T「あ、そうですか。これターキーネックスっていう?」
M「多分後ろで♪ワーーって言ってるヤツがいると思うんだけど。」
T「あ、キング・クラッシャーとターキーネックスで、歌ってる人がキング・ク
 ラッシャーで、曲もキング・クラッシャー。」
M「そうですね、はい。それでこれは、まあ今までのは結構微妙にね、普通に聴
 いてたら『あれ?と思ったら変』っていう感じなんですけど。」
T「はーはー。」
M「これはインストじゃないんですけど最後のヤツは。もうあからさまに狙って
 る感じが(笑)。」
T「(笑)」
M「でもつい笑っちゃう感じのね。」
T「あーなるほど。わかりました。じゃあちょっとその狙いを聴いてみたいと思
 います。はい。」

M-08.キング・クラッシャー/キング・クラッシャー&ザ・ターキーネックス

<エンディング>
T「いや今もちょっと言ってましたけども、こういうレコードを探して見付けち
 ゃうとね、レコード買いも止まんなくなっちゃうかもしれないですよね。」
M「そうですよね。」
T「これは嬉しいでしょうね。僕もこんなの…こういうのまだ無いですからね僕
 体験として。」
M「こういうのだけで日々ね、仕事もしてるしね。頭も下げて生活してるって感
 じかな(笑)。」
T「(爆笑)もうこの為に。」
M「これだけですね。」
T「ゴリラのね。またいろいろストックもあるような感じもするので、また是非
 ホントいろいろ持って来て頂きたいと思います。今日のゲストはDJムードマン
 でした。」
M「はい。どうもありがとうございましたー。」
T「はい。ありがとうございました。また来週。バースト! 」

 


prev

next


[BURST!]
[BROADGRAPHY] [Home Page]

Listening & Reported by Jun Arai
Page Written by Kiku^o^Sakamaki