ORIGINAL LOVE presents 《BURST!》

第110回 (2001年5月3日放送)


<オープニング>
T「今日はレコメンデーション拡大版という事で、この番組独自の選曲でディレ
 クターの二見さんがまた気合い入れてきてくれましたんでその曲をいろいろ
 紹介しつつやって行きたいと思っております。」


M-01.水の音楽/オリジナルラヴ


<近況>
 つい先日、今から2週間ぐらい前かな?新宿のリキッドルームという所でイベ
ントに出演してきまして。これが『DMBQ』と『あぶらだこ』もう歴史の長いバン
ドですけど、そしてオリジナルラヴというもの凄い組み合わせ(笑)でこの3つ
のバンドでイベントやってきました。僕らはトップバッターで一番最初にやって
次あぶらだこ、最後の締めが爆音のDMBQ。僕個人的に次のアルバムに向けての作
曲中、もうまっただ中でありましていろんなアイデアを今練ってる時期で、その
間に丁度ポツンとこういうライヴイベント、増子君から声かけてもらってやらし
て頂いたんでね、ちょっと次のアルバムに向けての実験っていうか、も含めてい
つものオリジナルラヴのライヴとちょっと趣を変えて、まあこれからのオリジナ
ルラヴの方向性をちょっと見せるという…違うアレンジを施してライヴをやった
訳ですけど。ここんとこ毎週言ってる通りテナーサックスを吹き初めてもう3週
間になるんですけど、この間のライヴで初披露しましてですね、前からオリジナ
ルラヴのライヴに来てくれてた方は特に驚いてまして『えー?!』みたいな『ギ
ャー!』とか言ってね。で、サックスを持ってやった曲が『MP』。大夫アレンジ
変えて、ちょっとそうですね…へなちょこなエリックドルフィーという(笑)感
じのアレンジを施しまして。僕がサックス吹き始めて今しかないようなビギナー
にしかできないようなサックスソロをガーッ!と飛ばしてきましたけども。

 で、オリジナルラヴのライヴでいつもサックス吹いてもらってる松本君、松っ
ちゃんと最近サックスの師弟関係が出来上がってきまして、先程までこの番組が
始まるちょっと前までずーっと吹いてました。これからだからいろんな自分の新
曲、ニューアルバムに向けての自分の広がりといいますか、こう広がってくる予
感!に非常に今浮き足立ってるというか、こう…嬉しい!(笑)。音楽的に久々
に燃え始めたそういう感じの状態である訳なんですが。サックスにまつわる1週
間という感じでしたね先週は。いろいろ他にもありましたけど、まあそれは来週
でもまた話すとして。

<今週のリコメンド>
 ここんとこずっとかけたかった曲をここでかけようと思います。『ヴェルヴェ
ットアンダーグラウンド』にいた『ニコ』って女の子のソロアルバムで、これは
ブライアンイーノとかロキシーミュージックのギターのフィルマンザネラと、ヴ
ェルヴェットアンダーグラウンドのロンケールですね。こういったもの凄いひね
くれ者っていうか、その道ではけったいな人達っていうか、そういう人達がプロ
デュース、サウンドワークに関わったアルバムでありまして。『ジ・エンド』と
いう、これドアーズの曲ですけど、そのアルバム素晴らしい名作なんですけどね。
ニコって凄いおしゃれな人だったんだなーとこのアルバム聴いてホント思う訳で
ありますが。あのビュークは恐らくこのニコのアルバムを完全にパクってるって
いうか、影響されてるだろうなーと思わせられるんですが、歌い方も次に聴いて
頂く曲はビョークそっくりですね。NICOで『IT HAS NOT TAKEN LONG』。そしても
う1曲は『ケヴィンエアーズ&ザホールワールド』で『MAY I?』これは素晴らしい
曲ですけど。この2曲続けて聴いて頂きたいと思います。

M-02.イトハズノットテイクンロング/ニコ
M-03.メイアイ/ケヴィンエアーズアンドザホールワールド

<リコメンド拡大版>
 今日はいろんないい曲たくさんバーッとかけちゃおうと思っておりますが。今
回のテーマはもう100回以上この番組やってるのに殆どまともにかけた事のない、
この番組でかかりそうなジャンルですね。『ソウルミュージックの大特集』であ
りますが。ワタクシオリジナルラヴやってますけどソウルミュージックはかなり
影響されたタチでありまして、ま、歌い方だ何だかんだこう。いろいろインタビ
ュー受けると、田島さんはソウルどうのこうの言われてますけど。必ずしも毎日
毎日ソウルを聴いてる訳ではないんでね、あまりにもそういうイメージが自分に
ついちゃったところがあってさ、で、アーティストってのはそういうのを嫌がっ
たりするじゃないですか(笑)。だから敢えてこの番組では何かちょっとそうい
うところ避けてたのかなあ…まあこの番組に限らず自分の選曲であり他の番組な
り自分がメディアに登場する時そういった雰囲気を避けて通ってるところが最近
あったのかなあと自己分析ここでしちゃったりしますけどね。かと言ってソウル
が嫌いだという訳では全然ありませんで好きでありまして。で、今回はこのソウ
ルミュージックの特集を敢えてガーン!とこうしたいと思っておる訳なんですが。
この番組構成の二見君が気合い入れて選曲してきたんでね。まああれですね、今
日かけるソウルミュージックってのはいわゆるディープソウル/南部ソウルとか
言われてる70年代的なソウルファンに向けた選曲というよりも、今現在いろんな
トリップホップとかヒップホップとか、あとはテクノとかトランスとか知りませ
んけど、そういった音楽がある中でのソウルミュージック、何かイケテルソウル
ミュージック、そういような括りになるのかなと思われる訳ですが。これは今日
はちょっとエアチェック皆さんした方がいいんではないかと、いい感じの選曲に
なってますんで是非これ聴いて頂きたいと思います。

***
 最初は『シュギーオーティス』ですね。『ここ数年頓に再評価著しい最高にカ
ッコイイアコースティックリズムボックスソウル・孤高のアーティスト』という
事ですが。『特に3rdアルバム「インスピレーション・インフォメーション」は
激良い』という訳でその中から1曲かけますけどね。シュギーオーティスのレコ
ードは僕も買って持ってますけどこのアルバムは持ってないですね。そいでここ
4.5年もっとかな?6.7年シュギーオーティス聴いた事なかってどういうアーティ
ストか忘れてましたけど(笑)今日久しぶりに聴いてホントにビックリしました
ね。メチャカッコイイですねこの曲。今でも全然聴けるっていうか、今の方が分
かり易いっていうか。取りあえず聴いてみましょう。

M-04.アウトオブマイヘッド/シュギーオーティス

 素晴らしいですね。天才的ですねこの人。殆どの楽器を自分でやってる…俺み
たいな。なんて(笑)そんな事ないです。先日僕ちらっと聴きましたけどドクタ
ーロックイット=ハーバートの新譜にも通じるような非常にこう21世紀的なアレ
ンジを施していたんですねシュリーオーティスって。非常に変わってますけどオ
ルガン…アルバムの他の曲とかもインストゥルメンタルとか入ってるんですけど
非常に変な世界でね、ちょっとサン・ラのオルガンの独特なスペイシーなプレイ
ありますけどああいった世界を彷彿とさせらるような、異世界ソウルと言います
か異次元ソウルみたいなね(笑)そういうムードがこのアルバム漂っていて、こ
れはもう名盤ですね。よくこれ見っけてきたなという感じがしますけどね(笑)。
という事で今日は『異次元ソウル大特集』をお送りしています。

***
 続いては『アンディ・ベイ』…アンディ湾…なーんて(笑)、つまんない事言
ってしまいました。最近加速するオヤジギャグ…危険を感じてますが自分でも。
『謎のヴォーカリスト。急にコンピに入ったりアルバムが再発されたり再評価の
嵐』という事ですね最近。『まあこのぶっとんだ声を聴けば納得か』とあります
けど。この人はソウルっていうかジャズの影響がかなり強いのかなと。レオント
ーマスとかああいったちょっとキレたジャズヴ?カルの人達のムードも漂いつ
つ。これがまたかなりイケテル。俺の次のアルバムのイメージにちょっと近いか
も!と一瞬思っちゃいましたけど。これも21世紀というか異次元的ですね。5次
元的というか…まあ何でもいいんですけど(笑)。

M-05.セレシャルブルース/アンディベイ

 この曲いいですねこれ。ねっとりしてきましたね何か夜が(笑)この曲が流れ
た事によって。フィフスディメンションソウルっていうか5次元ソウル。カッコ
イイですね。この声のちょっとキレテル感じとかね、こういうアーティストよく
見つけて来るなと思ってしまいましたが。僕の次のアルバム今いろいろこうイメ
ージして考えてどういうのがいいのかなーと考えてますけども、何かかなりフィ
ーリングが近いなと思ったりもしてしまいますけどね。僕ほら今日冒頭にも言っ
た通り、最近サックスを吹く事に目覚めまして、大人になってから始めてもオッ
ケーな楽器ですねサックスって。実際に大人になってからサックスを買って週に
1回習ってるって人も結構多いらしいですけど。ま、僕は取りあえずミュージシャ
ンなんで毎日自分のプライベートスタジオでサックスを吹きまくる時間とスペー
スがあるんでね幸いな事に。結構そろそろ、スケールってあるんですけど、サッ
クスのソロめいた事を段々できるようになってきて益々こう盛り上がってきてる
んですけど。サックスこう吹くようになってからジャズを改めてまた聴く機会が
多くて最近。まあその前までジョンコルトレーンってカッコイイなとか雰囲気で
っていうかある程度わかったつもりでいましたけど、こうサックスを始めていろ
んなソニーロリンズであったりとか有名なサックスの巨人達のプレイを聴くと、
もう驚愕しますね超絶プレイに。すーごいんだな!と思う訳なんですが。まあそ
れを抜きにしても、フリーキーな、それでいてブルージーな歌の世界というか、
最近自分が割と惹かれてるところでありまして、自分の新曲でもそういったモノ
ができないもんかと今こう試しているんですけど。今聴いたANDY BEY『CELESTIAL
BLUES』近い世界だなと思ってしまいました。

***
 ちょっとダラダラ喋ってしまいましたけど、次は『ソウルというよりディスコ
界の異端=イマジネーション。謎のブリティッシュゲイ(多分3人組)。とにか
くディレイが好きなんです。という感じの飛ばし好きな人達。ラリーレヴァンミ
ックスが1曲入っているがそれが一番普通だったという凄さ』。『イマジネーシ
ョン』というグループなんですけど。知りませんこんな人。80年代のブラックミ
ュージックの何か非常に変な人達ですねとしか言いようがない(笑)。ラリーレ
ヴァンっていうのはハウスの元祖みたいに言われてる、メチャメチャカッコイイ
曲ありますけど。そのリミックスが1曲入ってるっていうぐらいですから、まあ
ひょっとしたらやっぱりハウスとかああいったクラブミュージックの、これ80年
代初頭のアルバムだと思うんですけど、そういった走りとなったようなそういっ
た事をやり始めた人達の周辺にいた人達なのか!と予想される訳なんですが。そ
のイマジネーションのこれ変な曲です。でも何か今のクラブミュージック、ダブ
に影響されたハウスとかクラブミュージックテクノとかそういった音楽に凄い近
い感覚この当時からあったという、そういう風に聴く事ができるんではないかと
思われます。

M-06.フラッシュバック/イマジネーション

 今の曲の一番最後の部分、段々段々ピッチが上がっていって♪タカタカタカタ
カってこうフラッシュバックしていく(笑)…音楽的描写なのか!と思えた訳で
ありますが。ちょっとこのオバカな感覚も非常にニクイですね。ミュージシャン
の立場から言わして頂くと非常に手が込んでますね今の曲は。この当時80年代初
頭は機材がまだ今のようにコンピューターを駆使したいろんなエフェクティブな
事ってなかなか出来なかった訳ですが、この当時にこのようないろんなエフェク
ティブな事を…だけをやってる(笑)凄い変な人達だったろう恐らく。『謎のブ
リティッシュゲイ』と二見君解説書いてますけど、そうではないかと(笑)尊敬
の意を込めて言う訳でありますがね。そういう素晴らしいぶっとんだ感覚を持っ
てる曲でしたね。いろんなエコーがパンパンパンって飛んでましたけど、飛ぶた
びにいろんな記憶がフラッシュバックしていって、まさにフィフスディメンショ
ンソウルですね。5次元のソウルかと(笑)。

***
 最後に、元祖フィフスディメンションソウル/21世紀の5次元ソウルをやった始
祖!元祖!と言えるような曲をここでかけて、レコメン拡大版今日は終わろうと
思いますが『マーヴィンゲイ』ですね。5次元ソウルという観点からマーヴィン
ゲイを再考しますと、見えてくるマーヴィンゲイの変な人間性が。みたいな(笑)
感じがする訳ですけど。マーヴィンゲイというのはブラックコンテンポラリーの
歌モノの音楽に、ホントにシンセサイザーやエレクトロニックな感覚を取り入れ
た初めての人か!と思える訳ですけど。スライ&ザ・ファミリーストーンとはま
た違う感覚で取り入れていった訳ですけど。その元祖と言えるアルバム『I WANT
YOU』名盤でありますが、その中から『I WANT YOU』って曲を聴きます。解説に
『何故こんなに1人多重コーラス状態なのか。何故こんなに音が遠いのか。そし
て何故にこんなに悲しげなのか、聴いて考えて下さい』と書いてありますけど、
ホントに何でこんなに遠いのかという(笑)。これ確かこのアルバムのコーラス、
もの凄いたくさんマーヴィンゲイが重ねて歌いまくってるんですけど、このコー
ラスワークだけで1年かかったという(笑)話らしいすけど。ホントですかね?
1年間ずーっとコーラスを入れてたというマーヴィンゲイ。で、最終的に何がいい
かっていうとこの『悲しい』ってのがいいですね。これ基本かな音楽のと思いま
すけど。では聴きます。

M-07.アイウォントユウ/マーヴィンゲイ

<エンディング>
 今日は久し振りにいい音楽をじっくり聴いたという感じの回でしたね。何か初
心に戻ったような感じの、たまにはこういう真面目な回もやんないとと思いまし
て。改めて兜の緒を引き締める…違うか例えが(笑)わかりませんけど。違うな
それ多分。すみません日本語に疎い田島という感じでありますが。ね、いいです
ねこういういい音楽まだ…これ程再発、リイシューという事が行われてきた80年
代90年代とかけてですね、散々DJの人達によって行われて来たにもかかわらず、
こういった新しい過去の音楽の聴き方ができるっていうのは、まだまだ中古レコ
ード屋に行くってのはやっぱり面白いかも!と(笑)思われるような回でありま
したけれども。という事でこの番組ではハガキを大募集しておりますね。いろい
ろこういう曲聴きたいとか、こんな事あったんです。とかそういうハガキ何でも
よろしいので、この番組あまりハガキ紹介しませんけどね(笑)たまには紹介し
ようかなという気分になってきました最近。という事でハガキを募集しておりま
すので送って頂きたいと思います。それではまた来週。オリジナルラヴの田島貴
男でした。バースト!

 

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Listening & Reported by Jun Arai
Page Written by Kiku^o^Sakamaki