鳴る。

「これがクラリネット!?」という音でした。
見直しました、クラリネット。なんという音色でしょう。 今までクラシックの演奏会で耳にしていたあの、か細い音は一体何だったのでしょうか。 まるでサックスのように鳴るではありませんか。あんなに艶やかで深みのある、 唸るようなクラリネットのソロは本当に初めてでした。

四月六日。今池のTokuzoでのMozaikのライヴに行ってきました。 アイリッシュ、東欧、北欧、バルカン等々、いろんな地方の音楽をミックスしたようなものでしたが 中でもアンコールの最後の曲。なぜこの曲がアンコール?と思うほどの 長いソロを陣取ったのが、クラリネットだったのです。 さらに目を見張るほどの演奏で、終わってからも家に着いてからも、耳からなかなか 離れませんでした。これこそ楽器を鳴らす、と言うのでしょう。

鳴るといえば昨年購入したロウ・ホイッスル。
最近四月に入った頃から、高い音がようやく鳴るようになってきました。 ただでさえフルートより管が太く、息を多く必要とするので 高い音となると単純に出せた、というところで苦戦していたのですが、 少しずつでも吹き続けてきたのがよかったのか何とか「鳴る」を実感できるようになりました。 やはり吹く、弾く、だけではなく、鳴らさなくては。 その楽器本来の音にたどりつかなくては、です。

ちょうどそんなこともあって、あのクラリネットの音色は私の中で 非常に深く響くものがありました。 <2008.04.15 vol.96>

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