Reading Campany
イベントの話が続きます。
これも三月のことですが、セントパトリックデーの次の日の四日。
栄のマツザカヤホールで行われた、作家の大沢在昌さん、京極夏彦さん、宮部みゆきさんの
三人による自作朗読会「Reading Campany」に出掛けてきました。これがまたおもしろくて。
まず第一部では、一人ずつがそれぞれの得意とする自作の作品を披露して下さいました。
大沢さんはハードボイルド、京極さんはホラー、宮部さんはかわいらしいファンタジー、
これはほのぼのしていました。そして次の第二部。幕が上がると三人並んでの
共演が始まりました。
当然、登場人物も多く、一人が二役なり三役なりをこなしていたのですが、
その中でも私が一番驚いたのは京極氏。恐い話を書く人、というイメージが私の中にはあったので、
あんなふうにおもしろおかしく、まるで声優さんかのよう声色を変えてこちらを楽しませてくれるとは
思いもせず、こらがなかなかの芸達者!ということが意外にも判明しました。
ご本人もきっと楽しんでいたと思うのですが、やっぱり人柄というのは文章だけではわからないものです。
『姑獲鳥の夏』しか読んだことがなかったのですが時間が許せば次の作品にも挑んでみたいと思います。
舞台が終わった後も座談会のようなおしゃべりが始まり、これもまたアットホームな雰囲気でとても
楽しかったです。
そしてもう一つ。十一日に出掛けたのが豊田市能楽堂での「笛の世界」。これも驚きでした。
能楽師である一噌幸弘さんが篠笛でフルートさながらにテレマンを吹くわ、
バッハを吹くわ、で。さらに能管とティンホイッスルを同時に口にして一緒に吹くわ、
それをまた一本増やして三本同時に吹くわ、で。
リコーダーや、角笛まで登場して。はっきり言って演奏会というよりライヴハウスにいるかのようでした。
それを能楽堂でやってしまうところが…またすごい。この鳥さながらのにぎやかさは春先だから、でしょうか。
<2007.04.15 vol.85>