薄氷(うすらひ)〜あとがきより

こんにちは。お元気でしょうか。

『純粋旋律』を市販してから一年半が経ちました。前の「おもうおもい」からほぼ二年になります。 この本作をどう仕上げようか、ワープロか新たに手元にやってきたパソコンを使うべきかと 考えているうちに時間がどんどん過ぎていってしまった、そんな感じです。 結局ご察しのとおり、従来通りのかたちになりました。これ以上の時間はかけられなかったものですから。 また、薄氷という言葉はいつか使いたいと思っていたもので、詩作品そのものはないのですが、 季節的にも考えて今回題名にさせて貰いました。響きがとても気に入っています。

さて。これまでの間に何があったかといてば…愛知万博ではマンモスを見、ピアノといえば 久し振りに真面目にゴールドベルクを練習し、春にはひどい腹痛をおこして体調が崩れ、 家の中でヘビとまさか!の鉢合わせをし、夏にはコンタクトをハードに変え、 『青空の卵』『デルフィニア戦記』『ゲド戦記』『しゃばけ』を読んでは物語について考え、 『ツバサ』の音楽に入り込み、秋には紀子さまがご長男を出産され、またしても右手親指の 後遺症が再発(肘まで痛みが走り)、それでもティン・ホイッスルを習い始め、 みんなの詩集・夢ぽけっとに参加、と思っていたら祖父が亡くなり、 立原道造全集の刊行、映画硫黄島二部作の公開、つい先頃では『武満徹をきく、うたう』の ワークショップ、コンサートの包み込むような会場の全員合唱に大感動し、 今の今といえばちょうど『バッテリー』を読み終えたところ…。 等々ざっとピックアップしただけでもこれだけのことがあるのですから、人間は何かしら 動いているものですね。ちょっと感心しています。

ところで今回は二年も間が開いてしまったのでノートが五冊分にもなり、また気分にも幅が あったため、そこから詩を選択するのがとても大変でした。 ですので内容的にもとりとめなくなっていないかと心配ではあります。 が、おかげでせめて一年にしておかないと長い詩や季節感のある詩の扱いに困ること (入れたくても入れられない状態)が判明しましたので、以後気をつけたいと思っています。 できるだけ…。 <2007.02.15 vol.83>

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