京都日和

十月九日。日帰りで京都に行きました。目的は二つ。
一つ目は大谷大学博物館特別展『ファウスト:伝説と作品』。 フランクフルト・ゲーテ博物館からの作品を通してファウストとは?を学びました。 ゲーテの自筆原稿や絵画、シューベルトの自筆楽譜、また当時の古い写本や印刷物には時代を感じ、 身の引きしまる思いでした。

二つ目は、京都キャンパスプラザでの『第五回ぽえむばざーる』。 詩の同人誌即売会です。こういう場には友人に連れられて一度だけ出掛けたことはあったのですが、 今回は単身。ちょっとおそるおそる入ってみたところ、 覚悟はしていましたが、まず、すごいと思いました。その五十グループ近いあらゆる個性の 発する熱気に他の客さん共ども、ぼう然としていたら 「どうぞどうぞ、つっ立っていないで自由に見て回って下さい」という会場の人の言葉に 我にかえり、なんとか全グループをみることができました。 はがきにしたものや、冊子や本の形態以外にこだわったものもありました。 また定価より安くなっているものがあるのは私としてはたすかりました。 結局計八冊購入して帰路に着きました。

さて今回いろいろな発見がありました。購入の選択にしてもその基準は自分にとって安心するかしないか、 言葉に対するレベルが似ているかそうでないか、ということがわかりましたし、 朗読会があったのですが、それが苦手な理由もはっきりしました。 私にとって実のところ詩は目から入ってくるもので、耳から入ってくるものは 音楽かそれに近いものしか受け付けない(らしい)ということに 気がついたのです。音ならいい(らしい)のですが、声には高さや質の違いが当然表れますし、 歌(声楽)のコンサートでさえ下調べをしてからでしか行かないので、 きっとそれも関係しているのだと自覚しました。

とはいえ、楽しみながら自分を鍛えるよい機会をいただきました。 <2005.11.15 vol.70>

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