純粋旋律へ
栗をいただいたので栗ごはんにしました。秋ですね。
さて、九月に詩集『純粋旋律』を出版しました。
『音楽ということ』は戯曲のような趣でしたので、これを第一詩集といってよいかもしれません。
きっかけはやはり、詩を書き始めて十年(正確には十二年)という月日が経ったから、ということになるでしょうか。
日頃、私は自分の詩は「あげたい時、あげたい詩を、あげたい人に」というふうに、ごく身近な人に読んでもらえたらいい
というくらいの気持ちで、詩を手書きしたはがきや、コピーをして和紙を表紙に付けた手製の詩集等を
それぞれに応じてお渡ししてきました。ですがさすがにこれだけ時間が経つと、この詩も読んでほしい、
あの詩も読んでもらえたら、という作品が、いくつにも増え、今年のはじめにそろそろ一度まとめてみたいという気持ちになった次第です。
題名となっている純粋旋律ですが、たとえば『風の谷のナウシカ』が好きで作ってしまったという人のメーヴェ(ナウシカ愛用の乗り物)
を、愛・地球博でみましたが、その時久しぶりに人ひとりの想いが未知らない誰か別の人の想いに共鳴し、
連鎖していくというのはすごいことだと感心しました。簡単にいえばそんな想いの流れも純粋旋律といえます。
また皆様からは励ましのお言葉をたくさんいただくことができました。
この呼応も純粋旋律。ありがとうございます。
今回のこの詩集は、より多くの人に読んでいただいて何かを感じてもらえたら、という思いもあってかたちにすることを決心し、
こうして現実のものとなりました。その元となった願いがこれから少しずつでもかなうなら、それが一番の幸せです。
<2005.10.15 vol.69>