もうひとつのパピリオン
夏の休日、比較的涼しい日を選んで豊田市美術館に行きました。
まずは『ネイチャー&アート・ガウディ、ミロ、ダリ』展(19日まで)。
愛知万博記念、そしてスペインパビリオンの協力ということもあって、まるでパビリオンの展示のようでした。
最初に入った所に大きなスクリーンがあり、そこで七分間映像をみた後、次の場所で三人の作品に出会います。
それぞれが愛した樹木や土地に焦点をあてて、自然について述べた言葉を紹介していましたが、
私はその中でもガウディの「いつも開いている偉大な書。私たちが努めて読まねばならぬ書、
それは自然という書物である」という言葉とその家具などの作品群に感動しました。
これまでガウディの実物を目にする機会がなかったからかもしれません。自然にはかなわないと実感しました。
そしてもう一つの企画展『ヤノベケンジ・キンダガルテン』展(10月2日まで)。
キンダガルテンとはドイツ語で幼稚園、保育所という意味で、今回の主役は7.5メートルの腹話術巨大人形
ジャイアント・トらやんではないでしょうか。(一瞬アトムかと思いましたが違いました)
子供の命令のみに従い、子供たちの怒りがジャイアント・トらやんを目覚めさせる、とあり実際に
「森へ行きましょう」と楽しそうに(?)手を動かしながら歌ってくれました。
また別室ではたくさんのトらやん(こちらは普通サイズ)が遊んでいたり、幻となった20世紀の
マンモスプロジェクトの紹介等みていてとても楽しかったです。
あとテーマ展示として『逆引きの世界』というのがあり、その中のフジイ・フランソワという画家の
ルイボスティとエンジンオイルを使った「池のこい」もおもしろかったです。
落款に放射能危険、立入禁止を表すマークを描いたりもして。
今回の美術館はまるでその全体がもうひとつの万博、もうひとつのパビリオンといった感じで
とてもとてもよかったです。
<2005.09.15 vol.68>