名古屋城博

今年は三月末まで寒暖の差が激しく、桜の開花も遅かったわけですが、通勤途中の電車の窓から日々、 桜が開いていく様子を眺めていたら、やはりどこか花見に行かなくてはという思いになり、 久しぶりに名古屋城へ行くことにしました。 ちょうど万博に合わせて金シャチに触れる!という名古屋城博が催されていたので、よい機会でした。

地下鉄市役所駅出口から、満開の雪柳と桜をみながら場内に入り、まずは金シャチドームに向かいました。 さすがに金シャチに焦点を合わせているだけあって、過去にはウロコが三枚盗まれた、という 盗難事件の紹介や、ウィーン万博へ出品した経緯など、とてもわかりやすく、楽しめる展示内容でした。 そしてそのドーム奥には、二匹の金のシャチホコが、それぞれに鎮座ましましていました。 順に並んで触れたところ、金であるだけにとてもなめらかでやわらかく、ところどころに K18の印が入っているのが目につきました。 今の金シャチは二代目だということですが昔のオリジナルはK20の慶長大判を引き伸ばして張られてあったそうで、 その輝きもより強かったようです。

ところでこの金シャチ。頭部が異常に大きくて(これには理由があって、遠くから眺めたときに均整がとれた 立派な姿にみえるようにしたためだそうです)、まるで一見デフォルメしたようなデザインなわけですが、 私が思うに当時としては本当に斬新だったのではないかと想像し、感心してしまいました。

さて、ドームを出て、名古屋城の天守閣を見上げたところ、地上に降りてきた金シャチの珍しさと同様に、 金シャチのいないその姿を桜ごし眺めるというのも、なかなかオツなものでした。

そういえば、金シャチといえば何年か前まで、その形を型どった遊覧船がありました。 今もし名古屋港に健在だったら、ちょっとは人気者になったかな、とふと思ったりした一日でした。 <2005.05.15 vol.64>

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