ファンファーレ・チョカリーア

今年は比較的あたたかい日が続いていたので、秋が長く感じられました。十二月の初めになってようやく、 そろそろ冬を実感し始めたような気がします。

さて、年末ということで、今年出会った音楽を個人的に振り返ってみました。やはり、ルーマニアン・ジプシーブラス・バンドの 「ファンファーレ・チョカリーア」でしょう。
“世界最速のブラバン”というちらし等からの前情報から一体どんな速さなのかと思っていたのですが、 その速さは想像以上でした。八月に出掛けたクラブ・クワトロでのライヴはまさしくはじめから速かった!です。 まず、リズムがとれない、というよりカウントできないのです。速すぎて。大きく拍をとるか、本当についていこうと思うなら 足ぶみするしかない、という速さです。おかげでしばらく笑っていました。呆然とするしかない自分に。 ですので、かどうかはわかりませんが、場内はもう最後までお祭り状態でした。まじめに大変でした。
そして後日、このバンドのドキュメンタリー映画『炎のジプシーブラス〜地図にない村から〜』を映画館に見に行きましたが、 素朴でありつつ、また元気そのもので彼らのごく自然で当たり前の生活風景がリアルに描かれ、それがとても新鮮でした。

相変わらず、うた、というものはいつどんなところにも潜んでいて、いつどんなときでも会おうと思えば、会うことができる 「不思議」です。一分ごと、一年ごと、私はこの「不思議」に相応する人間でありたいと思っています。

今年もわずかとなりました。
皆様、よいお年をお迎えください。 <2004.12.20 vol.59>

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