軽井沢にて
この度、軽井沢高原文庫春季企画展「立原道造と谷川俊太郎の詩による合唱曲」(七月十一日まで開催)のため、
立原の詩による楽譜資料に関して一部協力させていただいたというご縁で、先日十六日、軽井沢に出掛けてきました。
早速お邪魔をしましたら展示では書簡や詩と共に楽譜がとてもたくさん並べられていて、それぞれの詩に対する
何人もの作曲者の想いが見ている側に伝わってくるかのようでした、また谷川氏のコーナーでは武満徹氏、三善晃氏による
自筆譜を拝見することができて(きれいな譜面でした)とても感動しました。
その鉛筆で書かれた音符が丸いのをみて、学生時代作曲の先生に、音符は丸く書くのがいい、と言われたのをふと思い出したりしました。
その後は、絵本の森美術館に立ち寄ってから、合唱のコンサートが行われる軽井沢タリアセンへ。
雨だったためか(わかりませんが)テント小屋のようなところではありましたが、既にほぼ満席の状態でした。
最初に三善晃氏のお話があり、これにはとても興味深くきかせていただき、
続いて始まった栗友会の皆さんによる合唱も予想していた通り、第一級のとてもすばらしい演奏でした。
立原の詩による曲においても、作曲者の異なる「麦藁帽子」を三曲続けて演奏するなど、私としても是非にと思っていたことでもあったので、
ひとり、うなずいたりしてしまいました。
また、雨の音や鳥のさえずりが時折きこえるなかでのひとときは、非常に味わい深く、とても有意義な時間を過ごすことができたように思います。
こうして振り返ってみると、今回、この軽井沢ならではの貴重な機会にわずかながらでもお手伝いできたことは大変光栄であり、励みにもなった出来事でした。
お声をかけていただいたことは本当にありがたく、よかったと思っています。
さて、うたはどこからきて、どこへ流れていくのでしょう…。
<2004.06.15 vol.53>