眠る
我が家に来て今年で十六年目を迎えるオカメインコは、時々あくびを連発します。
多い時で十回以上。脳の酸素が足りないのかなと思いながらついついあくびが始まると眺めてしまいます。
そんなに眠いのなら寝てしまえばいいのに、と思うのですが、大抵私が何か手仕事をしているあいだにうちらうつらし始めます。
気がついてこちらが再びじっとみていると、そのうちに顔を自分の背に向けて寝てしまうのですが、その姿は何度見ていても飽きません。
けれども、子供の頃に飼っていた白文鳥はずっと巣の中で寝ていたので、鳥とはそういうふうに寝るものだと思っていましたが、
このインコを飼ってから鳥が止まり木でしかも片足でも眠ることができるということを知ったときはとても驚いたものでした。
そういえば、何年か前に「Sleepin」という野生動物の寝顔ばかり集めた写真集を書店でみて、そのかわいらしさと貴重さに思わず買ってしまったことがあったのですが、後に犬を飼い始めてからはそれらの写真の様子がとても身近に感じられるようになりました。
毎日夕食の後、おなかもいっぱいになり、遊びにも飽きると我が家の犬は部屋のお決まりの場所で丸くなります。
私が何度か頭をなでにいくのですが、迷惑そうにしつつも、何とか寝ようとします。(触りたくなるものなのです)
しばらくして、こちらも飽きて放っておくと犬も本格的に寝入り、しまいにはおなかをみせて仰向けになってしまうので、なんて無防備なんだろう、と思いながらもちょっぴり嬉しく思います。
眠るという行為は動物にとっても人間にとっても、きっと一日で最も安らぐ幸せな時間。それはその様子をみている側にとっても同じように幸せな時間ではないでしょうか。それだけ、眠っている相手に信頼されている、と思わせてもらえるのですから。
考えてみると地球では毎日いつも、どちらか半分では誰かが眠っていて、もう半分ではだれかが起きている…。まるで誰もが交代で地球の留守宅(?)を守っているかのようですね。
<2004.03.16 vol.50>