リズム

豊田市美術館ギャラリーで行われた「カラハリのアート展」に出掛けました。どの絵からも土の匂いや大地を感じたのですが、その絵を描いた人々がプロとして活躍していたので単純に素朴なものを想像していた私には、ちょっと意外な展示でした。

さて、夕方オープニングイベントとして開かれたアフリカのパーカッションのコンサートは、屋外ということで天気が心配だったのですが、幸いなことに晴れ、予定通り始まりました。しかも贅沢なことに「ダニエル・ビュレン展」の展示の合い間を縫って。

やはり、アフリカの太鼓の軽やかさというのは、あの乾いた大地(イメージです)そのものからくるものなのでしょうか。ほぼ一時間程でしたが、心地良い風に吹かれ、まるでその風に乗って遊んでいるかのような音とリズムを楽しむことができました。そして終わる頃には見事に赤く染まった夕暮れとなり、空までもアフリカの大いなる自然(これもイメージです)の気分をつれてきてくれたかのようでした。

そんな気分のまま、家に帰った私は早速「ドゥドゥ・ンジャエ・ローズ・パーカッション・オーケストラ」というアフリカのパーカッションのCDを取り出してききました。『怒涛の100分』というだけあって素晴らしい迫力で、何度きいても圧倒されるのですが、とても爽快な気分になります。考えてみたらパーカッションというのは叩くだけのもの。でもそれだけで生まれてくるものがちゃんとある。それがリズム。それは生きているだけでも生まれてくる呼吸がするのと同じリズム。そして生きていなければ生まれてこないし、感じることもない、ともいえるリズムです。

毎年やってくる八月十五日という日もまた、一歩一歩リズムを積み重ねてきました。私にとっても今年は歴史を受けとめた大きな一歩となりました。

今日、この終戦の日は、戦争が終わった日であり、再び戦争を始めないための日でもあります。私たち人類だけでなく、地球上のすべての生命のリズムを絶やさないためにも、その尊さを忘れないための一日としたいものです。 <2003.8.15 vol.44>

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