美術館にて

現在、名古屋市美術館で「現代美術のポジション2003」(一月七日〜三月三十日)が行われています。 そこに八名の作家と共に彫刻家白水ロコ氏の作品が展示されています。 友人でもある彼女の作品を見続けている一人として今日は是非その紹介をしたいと思います。

訪れたのは一月二十四日。
会場入り口すぐのところで、早速彼女の作品群に迎えられました。 特徴を説明するなら、木彫りに色を加えたもので、とても独創的です。獣の頭を持った人間がいるかと思えば、その逆もあり。 また、人の顔がごろんとテーブルの上に置いてあったり、そのテーブルの足が獣のものであったり (きっとこれは歩いて移動してくれるのだと私は想像します)と、いろんな姿かたちをしているので、いつみてもワクワクします。

さて、今回印象に残ったのは「人間という名のモンスター」。
しっぽがあって、顔は鬼と黄、白、黒人の四つの面を持っている…まるで私は自分のこと(人間という意味で)を 指摘されたようで、一瞬ドキっとしてしまいました。 彼女の作品の世界では、人間の方が特異な存在であるということをこの作品で改めて教えられた気がしました。 そしてもう一つよかったのは、天井上にみえる空。 以前に一度、プランターのかたちをした作品が外に置かれていたことがあったと思いますが、 この全体が空と一体化したような展示は初めてではないでしょうか。 この日はちょうど雨上がりで風が強く、雲がとてもはやく流れていました。 おかげで青い空だけのときと、白く雲におおわれてしまったときと、光の感じで雰囲気が変わってとても効果的でよかったです。 空と作品とを眺めながら、私はいつか彼女が「本当は外でみてほしい」と言っていたのを思い出しました。同感です。 しばらく居たのですが、彼女(作品)たちもとても気持ちよさそうでしたから...。

「いつ紹介しよう?」と思いながら、今日になってしまったという感じですが、やっと友達自慢(!?)ができました。
どうぞお出掛け下さい。。<2003.2.17 vol.38>

vol.39へ vol. 37へ





もくじへ戻る