古本屋巡り
久しぶりに名古屋の古本屋を巡ってきました。
私はいつも地下鉄の上前津で降りて、鶴舞まで行って戻ってくる、というコースをとりますが、すべての店をまわると
十軒程になるでしょうか。学生の頃に立原道造全集(全五巻)を購入したこともあってこの近辺は私のお気に入りのコースでもあります。
さて、今回の掘り出し物は何といってもヘッセの「ガラス玉演戯※注:訳者によっては『ガラス玉遊戯』とされています」(新潮文庫)。
私がヘッセを知り、この小説を知ったときには既に絶版の状態で、読んだのも図書館の本でしたので、
実のところもう何年も捜し続けていました。もちろんインターネットでも見つけてはいましたが、
かなり高額で、けれど一度は読んでいましたので、ずっと迷い続けていました。ところが、この本をみつけたのは、
店の外のしかも棚の一番上。あんなところにある!と、まず私は見つけたことに驚いて、しばらく本物かしらと思いながら、
じっと眺めていました。そして次にこれは絶対買わなくては、と思ったのですが予想通り、背の低い私は台に乗っても当然届かず、
すぐさまお店の人を呼んできて、取ってもらいました。場所はともかく、きちんとビニールで包んであったので状態は良く、
しかも上下巻合わせて四百円。これこそ古本のあるべき姿と安心して購入させてもらいました。
そしてもう一冊、単行本であるにも関わらず、買ってしまったのが「タゴールの絵について」(第三文明社)。
タゴールという人は、インドの詩人なのですが、私はこの人が絵を描いていたということを最近知り、
(ちなみにヘッセも絵を描いていました)ちょっと気になっていたところ.....見つけてしまったというわけです。
これも品切の本でしたが、元値の半額で手に入れることができました。
この日は、ただ単純に古本屋に行きたいという気持ちだけで何も期待せずに出かけたので、どちらも見つけたときには、とてもとても嬉しかったです。
この楽しみがあるからこそ、また出掛けてしまうのですが…。
<2001.12.15 vol.26>