テロ事件のことから
ご存知の通り、先月アメリカで悲しい事件が起きてしまいました。
そして、この7日には、残念ながら報復攻撃が始まってしまいました。
ですが、この同時多発テロ事件を知った時、私は「やっぱり」と思ってしまいました。
というのも、政権がクリントン氏からブッシュ氏に移ってからのアメリカは、私からみれば
非常に閉鎖的で、ソ連崩壊後、唯一の大国となったことを強みにしてか一層増長し、世界各国からの批判が出ないことの方が逆に不思議なくらいでした。
例えば、身近なところでは、京都議定書の問題。クリントン氏の時に、しぶしぶながらも一度は了承しておきながら、政権交代した途端「やっぱりやめた」だなんて。
確かにパーセンテージは一番高かったかもしれませんが、それだけの面積と大国であるのだから、率先して努力する姿勢をみせてこそ、ではないのでしょうか。
にも関わらず、一国の長がまるで子供のような行動をとるそのことこそ、単なる我がままであるとしか思えません。
しかし、そうしておいて、今回の事件後、呆れることにブッシュ氏は、アメリカの側につくかテロの側につくかという判断を各国に迫りました。
もちろんテロ行為は許せません。となれば必然的にアメリカの側ということになります。
が、それよりも、まず、アメリカも反省するべきだと思います。原因あっての結果です。
テロ行為に対して謝れとは言いませんが、こうなった以上、恨みを抱いていた人間や組織があったことは確実で、結果こういう事態になり、未然に防げなかったことをまず、アメリカ国民に謝るべきだったのではないのでしょうか。
そして、いまこそ自国のこれまでの外交政策を見直すいい機会なのではないでしょうか。
足並みをそろえろ、というのなら、まず自国から。
私としては、京都議定書のときにこそ、それを示してほしかった。
やはり、大国であることを強みにし、この先もずっとそのことを自負していくのであれば、それなりの態度を示さなければ、それは虫がよすぎるというものです。
何かあるごとに圧力をかけてばかりいるその態度は、いつまでも通用するわけがないし、だからこそ、こんな事件が起きたのだということに、早く気がついてほしいと切に思います。
<2001.10.15 vol.24>