そして、山へ。

夏休みに北八ヶ岳の白駒池というところに行きました。 この春は、新緑を見に行くのを逃がしてしまったので、私にとっては久しぶりのハイキングでした。
山の天気、そして原生林と苔にかこまれた道は、本当に気持ちが良くて、とてもよかったです。 途中の立見石というところでは、四つんばいになって岩場を登ったのですが、その上からみえた白駒池は青くてとてもきれいでした。
それから、以前、上高地の蝶ヶ岳に一日かけて登ったときに思ったことですが、自然の中では私たち人間の方が遊んでもらっている、そしてお邪魔させてもらっている、ということを思い出さずにいられませんでした。
その昔、自然界から自ら逸脱したにも関わらず、ほとんどの人間が休日ともなると、 海や山へと出掛けていきます。それを考えると人間はなんと小さいのか。 そしてなんと勝手なのか。 自然を前にすると、人間がするべきことは本当は何ひとつしてないのではないか、そしてたとえ偉業を成し遂げたとしても、それだけのことではないかと、私は思わずにはいられません。
『うずまいてはすぎていく途』にかかっていた頃、「植物は動けないのではない、動く必要がないから動かないのだ」という事実を知った時は、やはりとてもショックでした。 が、だからこそ動物である私たちは彼らからまだまだ学ぶことがあるのだし、逆に学ぶ必要があるのだと気づき、同時に半分安心している自分がいました。
常に何かをせずにはいられない人間。不幸にも私もその一員として、また山に森に、出掛けたいと思っています。 <2001.09.15 vol.23>

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