もらった手紙、あげた手紙

先月のことです。
『詩と思想』を読んで下さったという方から思いがけず、お手紙をいただきました。 全く面識のない方から、というのは今回が初めてではなかったのですが、 ちょうどその時は『うずまいては...』を作成していた頃で、 自分の中でも気力にはずみがつくのをとても強く感じ、ほんとうに 嬉しく思いました。ありがとうございました。

とはいえ、見知らぬ人に手紙を送るというのは、よほどのことでは? ...そう思いながらも改めて自分を振り返ってみたところ、意を決して、 ということで思い出した手紙が一つありました。

それは学生時代に友人に宛てた手紙。
きっかけは、旅行中に発した彼女の思いがけない一言でした。 今となっては何と言ったのかはすっかり忘れてしまいましたが、 私としては、それが友人らしからぬ発言だったので、旅行から帰ってからも ひとりで腹を立てていました。それで、どうしたらいいか、考えた末に手紙を書くことにしたのです。 おそらくただの友人であったなら、こちらから線を引くことで、気がすんだかもしれません。 でも彼女は既に、私の中では親友でした。なので、たった一言のために親友を失うのは 納得がいきませんでしたし、友人が私が何に腹を立てたのか知らないままでいるのは 一方的で、フェアでないと思ったのです。もちろん知らないままのほうがいいのかもしれません。 もしかしたら知って、逆に向こうも腹を立てる場合もありうるからです。 それでも私は、自分の正直な気持ちを手紙に託すことにしました。意を決して。

そして、手紙を渡した次の日に彼女からきた返事には大体こんなようなことが書いてありました。
「そういう風に思われていたことがとてもショックだった。このまま嫌われても仕方がないと 思ってる...でも、そう思わせてしまったことは反省している...。」と。

ほんとうに、今思えば賭けのようなものでしたが、おかげさまで、その後から今までも、 以前と同じように、彼女とのつき合いは続いています

...ちょっと堅苦しい話になってしまいましたが、皆様もよろしかったらまた『手紙をください』ね。 <2001.07.15 vol.21>

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