映画のこと

クリント・イーストウッド氏監督・主演の映画「スペース・カウボーイ」を見てきました。あらすじは、初老の男たちが40年前の夢をかなえるために宇宙へ行く、というもので、前作と比べると全体的にコミカルな仕上がりになっていて、おもしろく見ることができました。 また、これまでに多く演じてきた一匹狼的な役柄ではなく、チームをまとめるリーダー役という点からみても、いつもと違う印象を受けたように思います。

私にとっては今では「水戸黄門」を見るのと同じようにイーストウッド節を見るのを毎回楽しみにしているのですが今回もしっかり味わうことができて、満足(安心?)することができました。 映画の感想を一言でいうなら、現代のおとぎ話、でしょうか…。場内もいつもなら年齢層が高いのですが、めずらしく若者や家族連れが多かったようです。

また、映画と同様、私が楽しみにしているのがその音楽。 「スペース・カウボーイ」でもしっかりきかせていただきましたが'92年作の「許されざる者」以来、氏は作曲にも携わるようになり、(ジャスピアノをたしなんでいらっしゃいます)これがまたシンプルで、 とてもやさしいメロディなのです。音楽に限らず、人の手によって生まれた創造物はその人となりを表すと言いますが、またにその通りと思わざるを得ません。 そのメロディのさりげなさが、着かず離れずの距離を保って映画を支えているという、とてもいい関係にあるように思うのです。 ただ、今回のサントラ盤ではその曲が入っておらず、きくことができませんでした。とても残念。

ちなみに私は「ダーティハリー」でファンになった一人ですが、最初はやはりあの外見ばかりに気をとられていました。でも、初めて劇場で「許されざる者」を 見た時、その内容の素晴らしさにすっかり感動してしまい、改めて内面性に対してもファンになったというわけです。 西部劇で少々シブめですが、少しの無駄もなく、スキもない完璧な作品であると未だに私は思っています。 <2000.11.15 vol.13>

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