もうひとつの「ルパン」

先日、少し時間があったので、タワーレコードへCDを見に行きました。 クラシックの棚、アイルランドの棚を眺めながら、そういえば最近「ルパン」は どうだろう、と思ってその棚へ向かいました。

ご存知、アニメ「ルパン三世」のテーマ曲は同世代で知らない人はいないのでは、 と思うほどの人気ぶりでしたが、そのおかげで音源も サントラ、主題歌集、リミックスと数多く出ていて、さすがにルパン好きの私も そんな勢いの状態についていけず、少し間をおいていたのですが、久々に気になって のぞいてみました。

そんなわけで見つけたのが『ルパン三世・ジ・オリジナル・ニュー・ミックス2005』。 とはいえ、四年も経っていてちっとも最近ではない上、収録曲も従来の人気テーマ曲コレクションと あまり変わっていない様子。ですが、何をどうミックスしているのか非常に気になって 騙されたと思って購入しました。 この“騙されたと思って”が、時に私にとって思いがけず良い結果を運んできてくれるのですが、 案の定でした。今回も。

これは!!!です!曲の音源そのものは全く同じ。にも関わらず新たなミキシングによって 従来の「ルパン」が鮮明になってかくれていたいろんな音が浮かび上がってきていて、 そらがあっちからもこっちからもきこえてくる。 まさにビッグパンドジャズをホールできいているような臨場感。 作曲の大野雄二さんもブックレットの中で「大掃除したみたいなもの」と言っていましたが、 まさにホコリを払われた音はどれもぴかぴか。 とても二十年前の音とは思えません。ミキシングの仕方によって こんなにもきこえ方に違いがあるのかと感動すら覚えました。 クラシックでいうなら同じ曲を別の指揮者できく、つまり指揮者イコールミキサー、ということになるのでしょう。 この場合。同じ曲なのに違う曲。不思議な感覚です。

「ルパン」って実はこんな曲だったんですね。大野さん、ありがとう!と言いたいです。 <2009.03.15 vol.107>

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