第1章 怒りっぽい隣人
(18)ポール・アーヴィング(p21)……ポールはキリストの使徒パウロの英語名。アーヴィングは古い英語で海の友だち。ポールの想像する岩辺の人々を連想させる。アンの親しい知人はポールもジェイムズ(・A・ハリソン)もキリストの使徒の名前。[Re]
(19)ナザレから良い人物があらわれるだろうかと疑うように(p21)……新約聖書「ヨハネによる福音書」第一章第四十六節「するとナタナエルが、『ナザレから何か良いものが出るだろうか』と言ったので、フィリポは、『来て、見なさい』と言った」からの引用。ナザレから世を救う救世主メシアが現れたと聞いたナタナエルは「ナザレから良いものが出るだろうか」と疑う。しかしイエスの人並みはずれた力を知り弟子になる。リンド夫人も島の外に良い人物がいるだろうか、いやいないと疑っているが、結果は杞憂であることが本書を通じて描かれる。[Re/In]
(20)天使でも君主でも権力者でも無理だった(p22)……新約聖書「ローマの信徒への手紙」第八章第三十八節からの引用。新共同訳聖書では「死も、命も、天使も、支配するものも、現在のものも、未来のものも、力あるものも、高い所にいるものも、低い所にいるものも、他(た)のどんな被造物も、わたしたちの主キリスト・イエスによって示された神の愛から、わたしたちを引き離すことはできないのです」。リンド夫人のアメリカ人への不信感は何ものからも離れぬ神の愛に匹敵するほど強く、誰も説得できないという喩え。[In]
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