第1章 怒りっぽい隣人
(12)競売が終わると、ほっとするよ(p17)……第1章はマシューの死後一、二か月たった時期の出来事。マシューが世話をしていた多くの家畜をマリラとアンの二人で飼うのは大変なので、競(せ)りで売ろうとしている。マシューの手形が未払いであることも前作に書かれている。
(13)マーティン(p17)……もともとはフランスの守護聖人の名前、彼がフランス系カトリックの住民であることがわかる。仏語読みではマルタン。島では、マリラのような英系プロテスタントの住民は仏系住民に蔑視感情があり、農作業や家事の下働きとして雇った。背後には、仏領だった島を英国が戦争で勝って奪った歴史、プロテスタント(英)とカトリック(仏)の宗教対立がある。今の感覚では民族差別とも受け取れるが当時は一般的だった。『誰も知らない「赤毛のアン」』参照。
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