またまたディレクターが調査と称してやってきた。今度は女性ディレクターで、念入りに各部屋の写真を撮り、そして私の仕事の様子をビデオに収めたりした。
次にどうした訳かメジャーを取り出し、トイレへの廊下の幅を測った…… ?? この奇妙な行動が私の心に引っかかった。
一通りの作業が終わると、シンジとコウタと私に質問が始まった。辛抱強く、あれこれ質問が繰り返され、遂に「もしこの家が選ばれたら、どんな有名人に来て欲しい?」と質問してきた。
「タモさん、サンマさん、三遊亭圓歌さんetc」と元気に返事する。
しかし、どうもディレクターさんの意図する名前が出てこないらしい。話題がその時に同席していなかった長男ショウイチのことになった。
彼が小学生の時、不登校であったこと、そして当時「どうせ学校に行っていないんだから」と親子で、地方巡業に来ていた相撲を見に行ったことを話した。
その時、撮った小錦さんの大きな写真があり、ショウイチの大のお気に入りで、大きく引き伸ばして額に入れて持っているという話題に及んだとき、そのディレクターさんは 「得たり!」 という表情になり、その事を根ほり葉ほり聞きだして、それ以後、他のタレントさんの話はしなくなった。
廊下の寸法を測っていたことといい、小錦さんの話を熱心に聞いていたことといい、わたしはきっと、元大関・小錦さんがくるんだと確信した。
しかし、ディレクターさんは「お宅に決定しました」とは言わずに帰って行った。
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