恐怖と笑い
 
ショウイチが大学に入って2年ほどたったある日
友達から電話がかかってきた。
どうやら、借りているアパートのことらしい。
 
「ああ、そうなん。そうやろうチ思っちょったんよね。
 そうせなあんなに安いはずないもん」
 
どうも、アパートにまつわる良からぬ話らしい。
息子の返答から察しがつく。
でも、私はおかしくて笑い転げている。
 
内容はこうだった。
あのアパートにはかつて自殺者が出た。
そして今でも時々幽霊が見られる・・・
 
私も、最初あのアパートを借りたとき思わぬ安さに
「ちょっと怪しいかもよ」などと息子を脅していた。
実際、不動産屋さんがやたらに「いい物件をみつけましたね」
という言葉が妙に心に引っかかったことを思い出した。
 
でも、しばらくして1階のある部屋の窓が
コンクリで塗り固められていることを発見し
なんかとっても異様だとは思っていた。
(借りるときはどうして全然気づかなかったのだろう?)
 
それが生活を始めて2年も経って友達から知らされるなんて・・・
 
で、いつも「幽霊が出るかも」と冗談を言い合っていたのでくだんの友人からの電話は「ほら、やっぱり!」という感じで私はおかしくてしょうがなかった。
 
「カァチャン、友達が真剣に怖がっちょったバイ。
 あいつちょっと霊感があって幽霊が見えるらしいんよね。
 なんでそんなに笑いようん?恐くないと?っチ、
真剣に心配しよったバイ。
 
でも、ボクの部屋に幽霊が出られるハズないやんねぇ。おトメばあちゃんが住みついちょうとやき。
 『こら!うちの孫になんしようとかね!』っチ言うて
 ばあちゃんに追い払われるに決まっちょうやん!」
 
ウーン、さすが我が子!幽霊だって怖くない!
更新日時:
2003/06/01

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Last updated: 2004/1/30