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一杯のお茶 |
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長男は7年ほど学校に通えなかった。
その間は「知らん。分からん。忘れた」と
オヤジよろしくの3語しかしゃべらなかった。
なんとか親子の会話をはずませようと努力したが
ほとんど、効果がなかった。
しかし、中学3年から突如として
学校に通うようになってからは事態が急変した。
話したいことが山ほど出てくる。
ことに定時制高校に通うようになると
私の仕事が終わるのを待ちわびるようになってきた。
仕事部屋から出てきた私をつかまえて、
「母ちゃん仕事終わった?お茶入れるね」
(えっ!?今、夜11時だよ。これからお話会?)
この一杯のお茶があなどれない。
それから延々3時間はおつきあいする。
(ええーぃ、男のくせにおしゃべりな)
と思っても母子の楽しい会話は続く
(ああ、早く寝たかったのに・・・)
「いゃー、母ちゃんと話すと弾むね」
きっと彼は7年間分を話しているのだろう。
その長男も成人し、親元を離れたので
やれやれとおもったら、今度は次男の番だった。
(おぃ、ゆっくり風呂ぐらい入らせろよ)
我が家の三兄弟は誰に似たのかおしゃべり揃い。
次男が終わってもまだ後がある。
母の苦労はこうしてまだまだ続くのであった。
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