二日目の起床は7時半(だったか・・)。
今日は讃岐うどんを食べて大歩危小歩危という渓谷へ行き、かずら橋を渡るのです。

日曜ということで、私が行きたい「製麺屋がやっているうどん屋」は休みが多いので
日曜日もやっているところというと、あまり選択肢がありません。
なので、初心者にして
いきなり人気店「宮武」に向かうことに。
さぬきうどん巡りといえば、地元のタウン誌から生まれたという
有名な「おそるべし讃岐うどん」という本があるのですが
今回の旅行に際し、図書館から大量に借りてきたはいいが
荷物になるって事で、一冊しか持ってこなかったのですよ。
大体がとっても田舎でこんなところにうどん屋が・・というシチュエーションらしいので
本の地図もアバウトだし、行き着けるのかいな・・と思っていたのですが
なんの心配もいりませんでした。
ハルちゃんの持ってきた最新版「まっぷる」には私が目をつけていたうどん屋が
あれもこれも地図付きで載ってるんです。
いやあ、讃岐うどんブームなわけです。

とにかく、その地図を目安にナビで到着点の目星をつけ、
店に向かいます。
噂通りの田舎道をぐんぐん運転していると、その風景に見合わない行列が。
げ、これですか。
さすがさすが。まっぷるにも載るくらいですから当然のうどんブーム。
当然の行列、当然の光景。
しかもかんかん照り。お腹もすいてるんで、我慢して並びます。
相方、食べることは大好きだけど
食べる為に並ぶとか、そういうの駄目なタイプなんで
思わず固く小さくなる私。
ええと。ごめんなさい。
旅先なんで我慢してください。


列が進むと、店の前のベンチに座ることが出来ます。
ここで、パウチされたメニューを手渡されます。
あつあつ・ひやあつ・ひやひや
とか、小(一玉)・大(二玉)なんて説明書き。
このあつあつ。というのは、うどんが熱くて、出汁も熱いもののこと。
逆にひやひや。は、うどんが冷えてて、出汁も冷えているやつのこと。
他に、釜揚げなんかもあります。
ベンチで作戦を練ったら、いよいよ店内に入ります。
店内のカウンターに置かれたメモ帳に
名前とオーダーを書きます。
たとえば、このときの私の場合は
「キョウエ ひやひや大 1 ひやひや小 2」
ってな具合です。
書いたら、空いているところに席をとります。
水も天ぷらもセルフ。
天ぷらはやはり入り口の辺りにずらーーっと並べてあるので
各自、食べたいものを皿にとって席に着きます。
この天ぷらはどれもこれも巨大。
私は、讃岐に来たら一度は食べねばと思っていた
ばかでっかいげそ天をとりましたが
他にもかき揚げみたいのやら、野菜天みたいのやらが
ごろんごろんと並べられておりました。

席について、天ぷらつついたり、水を飲みながら待っていますと
ゆであがった順から名前を呼ばれます。
「ひやひや大とひやひや小のキョウエさーーーん」って具合に。
そうしたら、元気良く手をあげて返事をします。
手は挙げなくてもいいんですが、子供の頃からの変わらぬ癖で
しっかり手を挙げてしまう30女の私とハルちゃん。

うどんは見た目、無骨な手打ちうどん。
出汁は当然の如くに澄んでいます。上にはネギがぱらっと。
ショウガは各テーブルに下ろし金と共に備え付けられているので、
それを自分で擂って頂きます。


うんまー。
コシがね、コシが違うのよ。出汁がね、出汁が違うのよ。
もとより、讃岐の透明な出汁が好きな私ではありましたが
さすが本場。関東で食べていたのとは、もう全然違うのであります。
つるつるっとあっという間に平らげてしまいました。

お食事のあとは、うどんゆでて数十年のおじちゃんに
「ひやひや大1 ひやひや小2 げそ天1つ」というと
瞬く間にお代を勘定してくれます。
あれは暗算じゃないですね。もはや、身に染みついていて
その言葉を聞くと勝手に数字が出てくるものだと思われます。
ちなみに小は230円 大は330円。げそ天は多分100円くらい。
(他の方のサイトに110円と書いてありました。
私、初めてのさぬきうどんに興奮しちゃって合計金額覚えてないもんで)

そうそう。並んだ時間ですが賞味1時間ですよ。1時間。
ディ○ニーランドみたいです。よくぞ頑張った、相方。
・・・・・・・・・・
一応、この日、私は出来ればもう一件、あわよくばもう二件、はしごしたいな、
なんて考えておりました。
でも、「宮武」に行った時点で、「こりゃ、無理っぽいぞ」と考えを改めるに到りました。
この昨今の讃岐うどんブーム。
そして、日曜日なので、空いている店が少ない
従って開いている店に自然お客が集まるという方程式。
うわあ。駄目だろうな。もう諦めちゃった方が早いだろうな
(もうこれ以上、相方を並ばせるのが忍びないという説も)
と思って、「もう諦めて大歩危小歩危に行こうか?」というと
「ま、混んでたら諦めればいいじゃん。行くだけ行ってみよう」
とあっさり返事が返ってきたので
怖いもの見たさも手伝って、取り急ぎ向かうは「谷川米穀店」
この、米屋なのに、うどんが滅法旨い、というのにそそられるのです。

ナビに従い、もう、この道しか無い、という一本道を登っていると
急に眼前に広がる異様な光景。
今まで車を見ることがほとんど無かったのに、なんでここだけこんなに路駐!
そして、どうしてこんなに皆辛抱強いの!と目を疑いたくなるような長蛇の列。
ちょうど昼時というのも手伝ってか、「宮武」の比では御座いません。
うーーんとね。谷川米穀店というのが小さな川の向こうにあるんだけど、
店の前から連なる行列がうにうにーーっと伸びて
橋を渡って、山道まで続いているという。

何時間待つんですか?

その列をみた途端、3人口を揃えて 「無理!」
おとなしくUターンして一路大歩危小歩危に向かうことになったのであります。
・・・・・・・・・・
このうどん行脚の道中、実は「道の駅」に立ち寄っていたのでした。
お手洗い休憩のつもりだったんですが、この道の駅の新鮮野菜の安いこと安いこと。
どれも近所の農家の方が持ってきている野菜のようで
値札には、生産者の名前入り。
ふっとい、瓜みたいなきゅうりが6本入って80円とか
大きなナスがやっぱり6本で80円とか。
それをみて、今日の宿を決めかねていた私たちが「・・・今日はキャンプにしよっか」と
決めてしまったのも、しょうがないってなもんです。

ここで買ったのは、きゅうりとトマトとなす、小さい食べきりサイズのかぼちゃ。
おくら。ナマでばりばり食べちゃおうとつまみ菜。300円の小振りなスイカ。
明日の朝用にうどんと生卵。
他にも蓮の花とか買いたい物はいっぱいだったのですが
旅行中に切り花かってどうする。と自分に自分で突っ込んでここでは涙をのむ。
とにもかくにも、今日の夕飯が楽しみだ。
・・・・・・・・・・
閑話休題

大歩危小歩危は香川から徳島方面へ、南へと下った辺りにあります。
もともと私、峡谷とか渓谷とか大好きなんですね。
どこ行っても大概渓谷には足を運びます。あの、河と山の緑の対比なんかにね、
ロマンを感じるわけです。
水ならなんでもいいわけじゃないんです。どこでも泳ぎますけど。

山道をどんどん走っていくと、やがて大歩危小歩危にたどり着きます。
大きく歩いて危ないから大歩危、小さく歩いちゃ危ない小歩危、なんて字面から
読みとっていましたが、あながち間違いでもなかったようです。
ものの本には
「足場の石の間隔が狭く大股で歩いては危ない大歩危、
足場の石の間隔が広く小股で歩いては危ない小歩危」
とあります。
ここでは、舟下りの他、私垂涎の「ラフティング」があるのですが
やりたいと言い出すと又、一日仕事になりそうだったので諦めました。
あ、そうそう、この辺り、子泣きじじいのふるさとだそうです。
お土産やさんに水木しげるグッズが並んでいるので
水木さんの故郷かと思いましたが「子泣きじじいのふるさと」とありましたから
子泣きじじいの伝説がこっちの話なんでしょうね。

あぁ、今調べたら子泣きじじいの立派な石像があったそうです。
しまった。失敗した。ツーショットの写真とりたかった。
できれば子泣きじじいを背負うような格好で。

・・・・・・・・・・

大歩危小歩危から少し行ったところにあるのがかずら橋。
かずら(つる)で出来た立派な吊り橋で、現在はかずらの中央に大きなワイヤーが
通っており、安全性は確保されています。
とはいえ、足下は丸見えだし、全てがつるを縛り付けることによって出来ているので
足下がかずらでがたがたなんですね。

雨で湿っていたら滑りそうだし、なかなかのスリルです。
高いところが苦手な方にはお勧めしません。
相方は、はじめっから渡る気などありません。
ハルちゃんと二人、勇ましく渡ったのですが、ハルちゃんは少々泣きが入っておりました。
この日、かずら橋はかなり混雑していて、自分が遅れると渋滞を作りかねない状態だったのですが
ハルちゃんがどんなに嘆いて腰が退けたところで、我々は周りに迷惑をかけることなく
渡りきることが出来たんです。
何故ってハルちゃんの後ろのおばちゃんが、更に腰が退けまくっておりまして
首都高並みの大渋滞を作ってくれたから。

10年前、このかずら橋に一歩だけ踏み入れた相方によれば
その頃はお金は取っていなかったとのことですが
(もしかしたら単にシーズンオフだったのかも)
今回は一人渡し賃に500円なり。
その10年前は、相方同行の友人はかずら橋の真ん中で
寝っ転がったそうです。
空いていたのね。私もそんな写真撮って欲しかったなぁ。
・・・・・・・・・・
お昼には、この近くのうどん屋で。
店自体は味があったんだけど
うどんはね、うどんは、うどんは・・(号泣)。
すうどん確か500円くらいなり。
・・・・・・・・・・
この日は日曜ということで高知の市を楽しみにしておりましたが
まずは、桂浜だろうということで「龍馬好き」な相方に
(っていうか、男の人って皆龍馬好きよね)桂浜に連れて行かれました。
私も龍馬はかっこええと思うのですが、実は「龍馬がゆく」
何度チャレンジしても途中で挫折するのよね。
コレと三国志は私にとって高きハードルに御座います。

それにしても高知。海辺にお墓の多いこと。
これって何かあるのでしょうか。お墓は皆、海に向かって建っております。
海好きな私たちとしては「なかなかよろしい」光景でありました。
こういうお墓に入るのは幸せだろう。

桂浜は、綺麗な砂浜でした。管理がきちんとしているってやっぱり素晴らしいですね。
本当は普通の砂浜でもこうあって欲しいんだがなぁと思ったりもしつつ。
そして龍馬像の大きいこと。
「おお、でかい龍馬だ」と大喜びで写真を撮り、
龍馬をバックに写真をとる団体さんをバックに写真を撮り。


桂浜には「土佐犬センター」というのがあり、ここで闘犬がみられます。
ただ、犬が血を流すのをみたくない私はパス。
闘○のたぐいで私がみたいのは闘蜘蛛だな。

桂浜には当然の如く大きなお土産やさんが何件か並んでいます。
そのうちの一件で、木彫りの土佐犬を彫っているおじさんに木屑をもらいました。
樟脳のもととなる楠木で作っているそうで、良い香りだから財布にでも入れて置きなさい
とたんまりもらいました。
良い香りだろう、良い香りだろう、と何度も仰ってくださるので「ええ」と答えましたけど
私、鼻が悪いんですよ。おじさんごめんね。でも有り難う。

このおじさんの木彫りを売っている店の正面にあるお土産やさんが
迫力の壁絵でした。
百聞は一見に如かず。
絶対、こいつ悪いことしまくってます。

ここで、心暖かく、懐寒い相方がゆずソフトをおごってくれる。
ハルちゃんともども、有り難く頂く。


怖い闘犬の絵のお土産やさん
絶対人を殺してる・・ってくらいの面構え。
ちなみに手に持っているのはゆずソフトです。

・・・・・・・・・・
桂浜をあとにして、さあ、市へ向かいましょう。
と、市のある市中央部へ行くと、そこは片づけられたテントの残骸残る
ただの通りになっていました。
桂浜で遊んでいる場合じゃなかったと思われます。
ああ、残念、高知のおばちゃんとの心触れあう暖かいトークを期待していたのに。
というか、今日のキャンプの食材仕入れたかったのに。
おばちゃんが焼いてくれたかつをとか。ねえ。
・・・・・・・・・・
もともと宿の心配はしていないのですが、まぁ一応夏休みも始まっているし
もし、とるのが難しいとしたら、三連休の中日でもある今日だろうね、
と話し合っていました。
今回、簡単なキャンプの準備として、ツーバーナーと、椅子とテーブルと
寝袋は持ってきていますが、かさばるテントなんかは持っていないので
本日はキャンプといえど、バンガロー付きの施設を探すことに。
明日は天気が良ければ愛媛県の鹿島というところでシュノーケリングの予定なので
できれば、鹿島と高知の中間地点当たりで宿を取りたいところです。

河原でキャンプが良いねぇということで、我が家のバイブル「キャンプ場ガイド」の
出番となったわけですが、これがこれが。
四国には、河原にキャンプ場が山とあり、関東と違って
使用料がただ、というところが非常に多いのですが
大体そういうところは、バンガローが無いのです。
なんていうのかなぁ、河原があってそれまで。という感じの。野趣あふれるところが多くて。
なので、河原は諦めて、海岸線沿いのキャンプ場を探したのですが
当日の夕方にいきなり電話してもバンガローは空いてません。
と、あっさりと二件ほど断られまして
ちょっとしょげかえって居たところで、三件目、中土佐の「ライダーズイン中土佐」
というところがとても気の良い返事をしてくれたのでした。
しかも一人2千円。ガイドには一人3千円って書いてあったのに。
・・・・・・・・・・
高知から中土佐まで2時間くらいでしょうか。
宿を目指しながら、今日の主食を買うべくスーパーを探します。
なんせ野菜しか買ってないですから。
国道沿いにスーパーを見つけて、そこで肉を少々購入。
調味料やヨーグルトなんかも買って、
虫を一手に引き受けることになるであろうハルちゃんの為に
(本当によく刺される。彼女が居れば私と相方は蚊取り線香いらず。) 防虫スプレーも購入。

まだまだ道中長いので、氷はキャンプ場の側で購入することにして
このスーパーをあとにするのだが、それをこのあと、後悔することになる。

なんといっても、このあと、中土佐が近づくと店がないのである。
もうそろそろ氷をどこかで・・と思ううちに山道に入り、海岸線をひた走り
あれよあれよという間に民家と畑の中へ。そしてキャンプ場の看板が見えだした辺りで
がっくりとうなだれるわけです。
今日のお酒はダバダのつもりなのになぁ。
・・・・・・・・・・
さて。今夜のお宿、ライダーズイン中土佐ですが、元々はバイク乗りの方のために
作られた場所でして、
キャンプ場というより、なんでしょう。簡易宿泊施設という感じです。
海辺にテントは張れるみたいですが、中央の管理室を挟んで右手に10棟ほど
左手に10棟ほどの、部屋があり、一つ一つは6畳ほどの板の間で
一室一室にちゃんと洗面所とシャワーが着いているのです。
そして、部屋の前にはバイクを停めておけるスペースと
バイクを洗車できるように、水道とホース。
そこで、バーベキューをすることももちろんOK。
部屋は管理のおばちゃん達の掃除が行き届いていて、すっごく綺麗だし
私たちは使わなかったけど、クーラーもついているし
正直申しまして、私が今まで行ったキャンプ場とかバンガローの中で
最高最強でした。これで2千円って、素晴らしすぎる、中土佐。
バイク乗りの方は是非行かれることをお勧めします。
更におばちゃん、すごい親切です。
何も言わなくても蚊取り線香が出てきます。こちとら涙が出てきます。
ちくしょうめ、優しいじゃねえか。

で、結局、ここで氷を頂けてしまったのでした。
ビールを売っていたので、もしかしたら氷も売っているかな、と思って
おばちゃんに聞いたところ、「ワイン冷やすの?どれくらいいるの?」といって
大きな水差し一杯にどこからともなく氷を持ってきて分けてくれました。
あぁ、そんなつもりじゃ・・・またしても涙が出てきます。
・・・・・・・・・・
本日の夕食はバーベキュー。
ビール飲んで野菜食べて肉食べて。
ダバダ火振りも飲んで、一通り満足したところで
3人で海辺に星を見に行きました。
酒屋もスーパーも無いところなので、星が大変綺麗なのです。
すこし曇り気味だったので、降るような星空というわけにはいかなかったのですが
ぼーーっと見上げる星空はそれはそれでよいものでありました。

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