祝儀袋を作る

大学時代のサークルの友人が結婚することになりました。
お相手もサークルの先輩。
双方知っている結婚式っていうのはいいもんですな。
楽しくて嬉しい。


結婚式といえば御祝儀です。
御祝儀といえば祝儀袋。
最近はパステルカラーのやら、水引が凝ったものやら
なかなか素敵なものが選り取りみどりに揃っていますが
でも、「これ」というインパクトのあるもんってないもんですね。
まぁ、結婚式というのは割と伝統を重んじる行事でもあるので
あまり冒険的なものもどうかと思うわけですが
今回ふと考えたわけです。

「祝儀袋って絶対の決まりってあるんだろうか」
要は、自分で作りたい、ということです。
いろいろ調べましたところ、もちろん、お祝い事ですから
気にされる方もありましょうし、マナーといますかルールもあるわけですが
ここは、近しい友人でもあるし
今回の式が割とフランクなものであるという情報も
聞き及んでいましたので
お色直しもしないシンプルな式ということだったのでそう判断したんですけどね、
実際彼女が赤のドレスに着替えてきた時には、
友人一同びっくりしました。「お色直し、あるやん!!!」

じゃあ、シンプルで私メイドな祝儀袋を作ってしまおうと。


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当初は、自分で漉いた紙で、
そういうハンドメイドっぽい和紙で作りたいと思っていました。
ところが、私が自宅用に作った紙漉の道具は、一番肝心要の材料が手に入らずに
未だ、木枠の状態。
これじゃあ、紙は漉けません。
ということで、普通の白の綺麗に機械で漉かれた和紙を使いました。

ええ、ええ。白状しますとも。
障子紙です。障子紙。強くて便利です、障子紙。

障子紙に、赤い和紙を貼って、帯を作る。
それだけじゃあ、あまりにあんまりなので
何かワンポイントを入れたい。

無粋な絵を描くのもいやだ。
さすがに、きちんとした雰囲気を出したい。
ハンドメイドだけどきっちりした雰囲気。

そこで、ふと思いついたのがステンシル。
実は私、高校生の時にステンシルを知って
筆とステンシル用絵の具だけ買ってきて
ちまちまと布物にステンシルをしていた時代があったのでした。

あれだったら、かっちりした図案を
色のグラデーションの工夫あたりでハンドメイドっぽさを出せるんじゃないか。
そこで、早速図案づくりです。

私は、画材フェチですが、貧乏性ですので
基本的な画材は入手しても、自分で作れそうな物はなんとか自分で作るタイプ。
今回は、華やかな花模様をグラデーションで入れることにして
花の図案を作ります。
材料は、陶器のカタログのちょっとしっかりした紙。
それに補強で、表と裏にセロハンテープを貼りまくります。
そこに、自分で描いた図案を写して、これまたなんでか持っている
曲線用のカッターで下書き通りに切り取ります。

あっさり簡単に出来上がり。
技術はいりません、忍耐のみ。



用意した紙に、マスキングテープで型紙を留めます。
高校時代(10年以上前)に買ったステンシル用の絵の具は
こちんこちんで使い物になりませんでしたが、
あれは要はアクリル絵の具。
アクリル絵の具は大量にありますから
華やかさを出す金色と、花の外側の濃い赤。内側の朱色に近い赤を
15年ぶりに使う、ステンシル用の筆でぽんぽんと置いていきます。



ステンシルを外すと、まぁ綺麗。
で、実はこれが一回目ですが
ステンシルする場所を間違えました。
本当に粗忽者。
これじゃ、折り畳んだ時に
せっかくの花模様が見えなくなっちまいます。
で、泣きながらやり直しました。



で、次は表書き。
毛筆は大の苦手なので
なんか写しちゃえ!と思ったのですが
それも味気ないので
わざと崩した書体にしてみました。
沢山書くのは耐えられないので、「寿」一文字。



実は、水引だけはちゃんと買ってきて
自分で結ぼうと思ってたんです。
そうすると、ちょっと格式高くなるかなと思って。

でも、前日いきなり二ヶ月の乳飲み子抱いて先輩が泊まりに来たりで
それどころじゃなくなってしまったのでした。
良い度胸です。N先輩。
なので、金色に塗った紙で帯を。

JUNKFACTORY謹製、御祝儀袋の出来上がり。



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