今年初めて自分の版画でカレンダーを作りました。
今までにも自分のイラストを使って
カレンダー製作はしていたのですが
手刷りをした版画を使った
本物の版画カレンダーは初の試み。
ここから下は私の備忘録を兼ねた
作成の日々。文字だけです。あしからず。

11月
版画でカレンダーを作ろう。
12枚でテーマは干支。
エッチングとコラグラフで。
家にある小さめの版で自由に作ってみよう。

12月その1
泣きながら12枚の案は考えた。
コラグラフの案も見えてきた。
問題はどういった形にするか。
1枚に絵の部分とカレンダー部をつけた
12枚を去年のようにファイルに綴じるか。

12月その2
1枚の紙に絵の部分とカレンダー部が難しい。
カレンダー部を先にプリンターで刷れば
版画を刷るのに紙を湿らすことが出来なくなる。
(版画を刷るのには紙を湿らせるのですが、インクジェットプリンタで
刷ったものを湿らせれば・・・その恐ろしい結果は皆さんもご存じの通り)
先に版画を刷れば、プリンタを通すときに版画が汚くなる可能性があるし。
(引越葉書で経験済み。あれは泣いた。)
その問題を後回しにしつつ、版を作る。
同時進行で何版か作るので頭が混乱している。、

12月その3
版画部とカレンダー部は別の紙にすることに。
ならば、折角だから、製本仕立てにしてみようかと
思い立つ。
ちゃんとした厚紙表紙の製本にしたら大変なことになってしまうので
ノートのように簡単に糸で綴じて。
よしよし、良い案だ。と思いながら版も12月分仕上げる。
コラグラフの色などを思案しつつ年は暮れていく。
間に合わなかった・・・・。

1月その1
試刷りをすればするほど、気に入らない版がある。
正月実家に帰っていて、頭を少し冷静にしたのがよかったのか。
リセットされた頭には
勢いに任せて作った版の至らなさが丸見えなのである。
気に入らない版は1枚どころではないので
版の作り直しというわけにもいかない。
皆さんに12枚の版画と大見得をきっていたのを
平謝りに謝る覚悟で版を減らすことにする。
気に入らない版5枚を除いて7枚。
何のために干支をテーマにしたのか全くわからなくなってしまった。

1月その2
試刷りのモノを使ってとりあえず一つ製本してみる。
版画の出来としてはまだまだ未熟ではあるが
本のように綴じられて形になったカレンダーはそれはそれ
とても愛らしい私の分身であった。
早速、HPにupする。

1月その3
とにかく刷りに時間が掛かる。
エッチングというのは、始めに全面にインクを載せ、
その後に、余分なインクを丁寧に拭き取って
一枚刷り、
また新たに刷るためには、始めのインクを全面に盛るところから
始めなくてはならないのだ。
一枚の版画に2版3版使っていると
この作業だけであっという間に日が暮れる。
焦りもあるけど、丁寧に刷りたいという気持ちもあって
なるべく焦らないように、慌てないように集中する。

1月その4
コラグラフの調子を見るためにと、とにかく試刷りを繰り返していた頃は
どうも気持ちに余裕が無かったのだと思い知る。
なぜなら、本刷りに入って落ち着いて一つ一つ丁寧に
刷りだしてから、刷りの出来がまるで違う。
いい加減にインクを盛っていい加減にインクを拭いていたんだなあ。
そして改めて版画は版自体のアイデアやイメージも大事だけど
それを版にする技術と上手に刷る技術がちゃんとそろってこそなんだと
版画始めて3年にして思い知る。

1月その5
刷り終えて、重しをしておいた版画が乾いたようなので
製本に入る。
版画にタイトルも入れる。
自分の版画がまともに人手に渡るのは始めてかもしれない。
ちょっと緊張する。
製本の方は
今回は簡易版でしかも表紙の部分には綴じ糸を
出したくなかったので自分のオリジナルな製本方法で。
版画をページ毎に貼り合わせたり
体裁よく切りそろえたり。
頭を空っぽにしてのこういった作業は頭を使う作業との
バランスが良くて大好きだが
糸を使う仕事は秘書猫の邪魔がことごとく入るのが苦痛。

出来たモノから封筒に入れ、一筆書き添えて
投函。
ほっと一安心。
申し込んでくださった方の家で今年一年頑張って働いてくれよ。
祈るよう気持ちでポストに手を合わせる。


製本の様子が見たい方は次のページへどうぞ。


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