秘書 生い立ち探し

秘書パンジャは、猫である。
名前はあるが、生い立ちは謎である。

実家がパンジャを拾ってきたとき、彼女は生後2〜3週間と医者に
言われるほどに、小さかった。
ただ、白くて長い毛と青い目だけが
彼女が何ものかを探る数少ない鍵だったのだ。

さて、ここから、親ばか「パンジャルーツ探し」が始まる。

白くて長い毛を持つ、ということで、非常に短絡的に
ペルシャ系ではないかと最初は疑う。
確かに拾ってきた当初は、今まで飼った日本猫や、アメショの子ども時代の
顔とは違って、でこっぱち。
この、ペットショップのチラシに出ているチンチラ、これに似て居るではないか、
いやいや、どことなく耳の先っぽと鼻面が黒いから
ヒマラヤンじゃなかろうか。
捨てられたくらいだから純血腫ではないにしろ、そっちの血が入っているんじゃないか
と、親ばかどもの会話は尽きない。

洋猫じゃないかと騒いだのには一応理由があった。それは彼女の青い目。
物の本を見てわかったことだが、「青い目」というのは劣性遺伝なのだ。
ほほう。ということは、パンジャの両親は青い目であったということだ。
非常に素人考えで申し訳ないのだが、このヒントを得たために
我が家では「青い目=洋猫」ということで、話は進んでしまっているのである。

とりあえず、拾ってきて、1月までは、パンジャはチンチラであった。(我らの中では)
その愛らしいむくむくとした姿はチンチラシルバーの血のなせる技。と思っていたのだ。
深い根拠はないのだが・・・。

ところが、月日が進につれ、パンジャの顔はチンチラの顔とは違ってきてしまったのだ。
確かに、動物は個体差があるし、私が見た雑誌も、ほんの一部なので
素人が顔だけ見てわかるモノでもないと思うが
現実問題、私は素人だし、周りに玄人はいないし、数限られたヒントは
私の前でのほほんと
伸びているこいつだけなのだ。
ううん。チンチラ説、あやしいなぁ。

しかも、この後、パンジャは、むくむくとしていた毛皮を脱ぎ捨て
驚くほどに、すっきりと身軽な毛皮に着替えてしまったのである。
これはどう見ても、ただの「白くて綺麗な猫」以外の何ものでもない。
更に、この頃のパンジャ、食が細くて異常なほどにすっきりとしたバディ。
医者に「もっと食べさせてあげて下さい。」と言われたほどである。


チンチラ説があやしいとなった途端、本屋に行けば猫の雑誌を立ち読みし、
図書館に行けば、猫図鑑なるものを借りてきて、ルーツを探る。
これがこれが。
こんなにも、猫の種類ってあったのか。
自分が知っているのはほんの一握りだとは思っていたけれど
そんなそんなおこがましい。
私が知っているのはほんのひとつまみ。ほんの一粒だ。
猫界とはまさに奥深いものである。
そこで、見つけだしたのがラグドールという種類。
パンジャに似た、ポイント(色の濃い部分)を持つ、白い猫たち。
顔の中央が濃い色のもの、顔の上半分に色の濃い部分をもち、鼻筋白くとおったもの。
毛の長さも、ペルシャよりも少し短めだが、むっくりと柔らかい毛に被われている。
顔立ちもそこはかとなく似ている気がする。
性格が至って温厚で、呼べば来るほど猫らしくないという。
常に人のそばにいて、体の一部を人にくっつけた状態で丸くなるという。
犬みたいな猫。
私は、この性格の記述がすっかり気に入ってしまったのだ。
パンジャは、私から離れようとしない。
風呂に付き合い、トイレに付き合い、パソコン仕事には画面にパンチしてまで
付き合ってくれる。絵を描けば、用紙の上に陣取って満足げ。
単に付き合いの良い猫かもしれないが、どことなく猫らしくない猫だなぁ。
と思っていたのだ。
今は(当時夏の真っ盛り)毛が短くてただの「白くて綺麗な猫」だけれど、
もしかしたら、冬になったら、
もう一度、「毛の長くて白くて綺麗な猫」になるかもしれない。
ラグドール最高!
さあ来い、ラグドール!!

果たして秋口、涼しくなってくると、徐々にパンジャの毛は長くなり始めた。
頬の毛などは長く伸びて、ライオンのようでさえ有る。
そして、そして、その顔立ちのなんと憧れのラグドールに似ていることか。
手の先と顔の真ん中に入った黒い影も、ラグドール風。
ということは、今まで通り、人なつこい猫道をまっしぐらに駆け抜けてくれるのか。
嬉しいなぁ。いつまでも一緒に寝ようなぁ。(←すっかり猫バカ)

さて、パンジャをラグドール(の雑種)と決めつけてしまった私はwebを検索して
あまたのお宅のラグドールを拝見する。
可愛いなぁ。可愛いなぁ。
犬派であると言い切ってはばからなかった私の姿はもはや無い。

そうこうするうちに、パンジャは冬を迎え、4kgを越えた。
子どもの頃、鼻先と耳先がちょっと黒いだけだった彼女は
今やしっかりと顔全体に茶と焦げ茶が入り、足先も茶色、背中にも茶色が入って
白い猫というより、白くて茶色い猫になっていまった。
もとより、ラグドール(の雑種)と思ってる私は、このポイントがラグドールの
いいところだし、と幸せな気分で、その白くて茶色い猫を見つめていた。
(白猫に感動して飼い始めた相方にとって、この変化は辛いモノであったらしい。)
ただ、月日を追うごとに、このポイントが縞々虎猫柄になってきたのである。
顔は、虎猫模様に茶色が入り、足先も、虎猫のように縞が入っている。
私が見たどの雑誌にも、どのHPにも、こんな縞々虎猫ラグドールはいなかったはず。
色の濃い部分の形はラグドール似なのに、この縞模様は何??
やっぱり、ラグドール(の雑種)じゃないのか?

さらなる、HP巡りの日々が続いた。
毛が長くて、温厚なタイプの猫で、私が好きだという理由だけで
ノルウェイジャンフォレストキャットや、メインクーンも調査したのだが
これらは、自然発生の種類なので、パンジャのような白猫は入らないらしい。
憧れのラグドールにも、見放され、大好きなノルウェイジャンフォレストキャットや
メインクーンにもそっぽを向かれてしまった。
あーあ。
ってな感じだ。

そんなある日、ルーツ探し、楽しかったのになぁ。暗礁に乗り上げたなぁ。と思いつつ
またしても、ラグドールのHPを探索していた私の目に留まったのは
パンジャに似た、縞々虎模様のラグドール。

六花さんちのジョニー君
もう、大層びっくりしましてね。
更にいろいろ探っていくと、どうやら、この、虎とら縞模様じゃなかった、縞々虎模様
のラグドールというのは、存在するらしいのです。
あぁ、そうだ!パンジャはやっぱりラグドールの血がどこかに入っているに違いないんだ
と、モニターの前で男泣き。(あ、いや、女泣き)
この、すばらしいHPの主で有る六花さんにも、うれしさの余り図々しくも
メールを書き、我が家の駄猫をHP上で見ていただいたりまでした。

上下共、六花さんちのフローラちゃん

この、足の縞々も同じです。

ラグドール最高!
さあ来い、ラグドール!!(またしても男泣き)

さて、さて、その後のパンジャの変化はというと、
あれ以上の色の変化も無く、突然犬になったりということももちろんなく、
ひとまず、ラグドール雑種説で落ち着いています。
私としては、いろいろなところで語られているラグドールという猫の性格に
惚れ込んでいるので、大変満足です。
ただ、ラグドールとは、あまり鳴かない種らしく、
いろいろなHPには「尻尾を踏んだときに小さくにゃーと言うくらいです」とあるが
我が家の秘書は、ちと違う。
おもちゃのねずみが、とれない所に入ったと言っては
「にゃー」
目を付けているかなぶんが、どうしても採れないといっては、人の所までやってきて
「んにゃー」
ちょっと冷蔵庫を開ければ
「にゃーにゃーにゃー」
なんだかわからないけど、見て欲しいときは
「んにゃんにゃにゃー」
人の姿が見えないと、探し回って
「にゃーにゃーにゃにゃー」
それこそ、自己主張しっぱなし。

ううむ。やはりラグドール雑種説も、お蔵入りだろうか・・。
しかも、夏だからと理由づけてはいるが、最近一緒に寝てくれないような・・とほほ。




このページの作成に、可愛い(正真正銘本物の)ラグドールの 写真を
快くお貸し下さった六花さんに深く感謝いたします。
六花さんのHPはこちらです。可愛いラグドール目白押しです。

六花のRAGDOLL


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