■ 秘宝堂 [Nikon EL2] Page 2/3

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4.Compatibility

 従来方式レンズを用いる場合、露出計連動レバーが絞りリングに干渉して取り付けられない場合が多い。この場合、同レバーをボディ側に倒し、プレビューボタンを押しながら測光する(絞り込み測光)。ニコン様ではこのときの露出操作として、マニュアル露出を勧めている。やむを得ずAモード(絞り優先)でシャッターを切る場合は、以下に示す「しきたり」を守る必要がある。

  • 絞り込みボタンを押しながらシャッターを切り、絞り込みボタンを離してから巻上げを行う。
  • 絞り込みボタンを押して測光し、露出計記憶レバーをレンズ側に倒し絞り込みボタンを離してシャッターを切る。

    (使用説明書より転記)

 これは、連続して行う操作ではなく、ニコン様が我々に与えて下さった二つの方法であると解釈している。それにしても面倒な作業である。いや、有難い「しきたり」である(^^;。

5.Where is a battery?

 Nikon EL2 は、ミラーアップが可能である。Nikomat EL からの継承機能であるが、これはしかし ELシリーズ には必須の機能であった。


Photo.5:電池室が無い!

 ボディ底面を見ていただければお分かりだが、何処にも電池室が無いのである。ましてや観音 A-1 に見られたグリップの内側に電池室を巧みに隠すなどと言った芸当も行っていない。はたまたお利口さん XR-Solar に見られた太陽電池搭載などもされていないのだ。も、もしかして Mr.FUSION が?いやいや、未来カメラならいざ知らず、少々クラシカルなカメラに、それは無いだろう(^^;。

 では何処に?

 そう、ミラーの下(ミラーボックス下部)なのだ。

 ボディ正面に向かって右側にあるミラーアップレバーを操作しミラーを上げ、その下にあるカバーを数ミリほど左に寄せるようにして電池室カバーを開けるのだ。これは ELシリーズ に共通のことであるが、こんな芸当が出来るカメラは、少なくとも国産35mm一眼レフには、他に存在しない。こうして無事、収納場所が判明した電池であるが、4SR44(旧4G13) を使用する。アルカリの 4LR44 でも動作するようであるが、露出計の精度が保証されているかどうかは、定かではない。


Photo.6:ミラーアップ


Photo.7:電池収納場所

 このミラーアップ機構は、どうやら主として電池の脱着の為に設けられたと思われる。使用説明書を読むと、ミラーアップ時に自動絞りのレンズ(現在供給されている殆どのレンズがそうである)を用いた場合、絞りが正しく連動しないという。従ってこの場合は、セルフタイマーを使って撮影する(予め絞りを動作させておく)よう、指示されている。

6.Auto winder AW-1

 Nikon EL2 は、Nikomat EL/ELW の後継機としての位置付けであったため、オートワインダー AW-1 を装着すると、巻上げが自動化される。手動巻上げの Nikomat EL では、安全のため、巻き上げレバーが予備角まで出されていないとシャッターボタンが押せない構造であった(電源スイッチを兼ねる)。しかし AW-1 による自動巻上げを行う際、予備角まで出された巻上げレバーは邪魔になってしまう。そこで巻上げレバーを収納した状態でシャッター操作を可能にするため、「シャッターロックスイッチ」によるシャッターボタンの単独操作(と電源供給)を行えるようにしてある。これは Nikomat ELW からのキャリーオーバーである。


Photo.8:巻上げレバーの引き出し

通常撮影時


Photo.9:電源オフ

電源遮断と共にシャッターロック


Photo.10:シャッターロックスイッチ

AW-1 使用時の電源投入とシャッターボタン単独操作が可能

 ここで注意しなければならないのは、「シャッターロックスイッチ」をオンにしている間、露出計にも電流が流れ続けるため、一晩で電池が消耗する場合があるのだ。高価な 4SR44 を台無しにしないためにも、これだけは注意する必要がある(ELWも同様)。

 余談だが、ニコン様では「モータードライブ」と「ワインダー」の区別を、連続巻上げが「出来るか」「出来ないか」で区別していたようである。

 

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