7.Battery-less operation
Nikon EL2 は、電子制御式一眼レフである。何をいまさらとお叱りを受けそうであるが、敢えて申し上げておく。電池が切れてもシャッターが作動してしまうのだ。すなわちそれは、シャッターが作動することに安堵し、電池切れに気づかず撮影してしまう危険性をはらんでいるのだ。やはり撮影前には、背面の「電池チェックボタン」で、電池の残量くらい確認しておきたい。因みに、電池が切れた場合のシャッター速度は、1/90秒だ。露出計は使えないが、この際の緊急避難として利用可能だ。
Photo.11:電池チェックボタン
左側の白いボタンを押し、ランプの点灯にて確認
8.Conclusion
手にしてみると、ずしりと重い。今時のプラスチックっぽいカメラと比べると、いかにも鉄の塊のイメージを受ける。これを反映するように、各操作部のクリックは若干硬めであるが、反面、確実な操作感を伴う。現代の高級機すら忘れてしまった歯切れの良いシャッターおよびミラーの動作。特に、ファインダー像の消失時間の短さやミラーショックの少なさは、本機の隠れた美点であろう。
その Nikon EL2 も、翌1978年に Nikon FE が発売されると共に、市場から姿を消した。周知の通り、Nikon FE は、扱いやすさからニコン様のベストバイとも言えるほどであった(根拠は無い(^^;)。当時高校生であった私も、小型軽量さ、機械式B動作(お星様撮影には必須の機能)、スクリーン交換可能などにすっかり感化され、二台も所有する羽目に陥った(^^;。確かに Nikon FE は使いやすかったが、しかし起源は Nikon EL2 にあったのだ(同時期開発)。最近になって Nikon EL2 が私の手元にやってきたのは、何かそうしたことが、いいえ、ニコン様の思し召しに違いありません(^^;。
(C)やまちゃん
Photo.12
「想い」
Nikon EL2
Ai Zoom-Nikkor 28-50mm F3.5S
Fujichrome TREBI
ここは、映画「転校生」の男女二人が入れ替わった石段。
そこで彼等は何を想う?
将来? 夢? 希望? 不安?
映画の如く入れ替わってみれば
お互いの気持ちもわかるだろう(^^;。
Specifications |
形式 |
電子制御式35mm一眼レフフォーカルプレーンシャッターカメラ |
画面サイズ |
24mm x 36mm |
使用フィルム |
パトローネ入り35mmフィルム各種 |
レンズマウント |
ニコンFマウント |
ファインダー |
アイレベル式 |
ファインダースクリーン |
スプリットマイクロ式(K型スクリーン)、中央部−スプリット式3mmφ、外側リング−マイクロプリズム式1mm幅の円 |
ファインダー視野率 |
撮影画面の約92% |
ミラー |
クイックリターン式、ミラーアップ可能 |
シャッター |
電子制御上下走行式メタルフォーカルプレーンシャッター |
シャッタースピード |
A(オート)8秒〜1/1000秒(無段階)
マニュアル(手動)B・8秒〜1/1000秒
※いずれの場合もファインダー内の指針で確認できる
メカニカルシャッター1/90秒(電池のない時) |
露出計 |
TTL中央部重点方式 |
受光体 |
SPD(シリコンフォトダイオード) |
測光範囲 |
フィルム感度ASA100/F1.4レンズ使用でEV1〜EV18 |
フィルム感度目盛 |
ASA12〜3200 |
露出補正目盛 |
+2EV〜-1EV |
フィルム巻上げ |
一作動レバー式、巻上げ角135°、予備角30°
オートワインダーAW-1を使用しての自動巻上げも可能 |
電源スイッチ |
巻上げレバーまたはシャッターボタンレバーに連動 |
フィルムカウンター |
自動復元順算式 |
セルフタイマー |
作動秒時可変式(最長10秒、シャッターボタンでスタート)
露出記憶装置:セルフタイマーレバー兼用 |
フィルム巻戻し |
クランク式、巻戻し用ボタン自動復元 |
アクセサリーシュー |
フラッシュ接点付き(ホットシュー) |
シンクロソケット |
JIS型ねじ止め式 |
シンクロ接点 |
X・FP接点自動切替え式 |
電源 |
6V銀電池1個使用4G13(JIS・C8510)相当品 |
電池チェックボタン |
使用限界電圧(4V)以上あれば電池チェックボタン点灯 |
大きさ(ボディのみ) |
145mm(幅) x 93.5mm(高さ) x 54.5mm(奥行) |
重量(ボディのみ) |
約780g |
(2001/05/16 やまちゃん) |