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半茶_ノンタイトル日記_7月


20020701
 週末の夕方,上りの東海道新幹線に乗る。自由席の車両は満員だったので通路に立つ。出張の疲れで立ったままうとうととする。目を明けると窓の外はもう真っ黒。座っている人たちもほとんどが眠っている。さっきまでビール片手に新聞を読んでいた人たちも眠っているようだ。
 気がつくと,床に水が溜まっている。クーラーの冷却水が漏れているのだろうか。新幹線は気密性が高いのでこぼれた水が流れ出さないらしい。ドアを開ければ流れ出すのだろうか。通路にも人が溢れ帰っているので移動できない。しかたがないのでまた立ったまま眠る。
 新幹線が揺れるたびに聞こえてくる水音に目を覚ます。水はもう座っている乗客の首の高さまできている。皆、眠っているので気がつかないようだ。中には顔を水に漬けたまま眠り込んでいる人もいる。しかし困ったなあ。スーツクリーニングに出さなきゃなあ。車掌に知らせようかとも思ったが、眠気には勝てないので、胸まで水に浸かったまままた眠り込んでしまう。新横浜に着くのと、水が顔の高さまでくるのとどちらが早いかなあ。


20020702
 ブルートレインの旅という文句に誘われて、良く確かめずに申し込んだのだが、どうやらこのブルートレインは山の手線を朝まで走るらしい。ベットに寝ころんでも、車窓からはホームに並ぶ通勤帰りのサラリーマンが見えるのはなんとも。


20020703
The End 立花ハジメ The End Record bounce-0041
 32曲入りでお買い得。曲間にほとんど空白がないので,1CD1曲のようにも聞ける。この場合,曲単価としては,あまりお買い得とは言えない。携帯電話の着メロ(矩形波限定)を録音してアルバムを作るというのは,姿勢として限りなくパンク。
 一通り聞いた感想は非常に退屈だったのですが,何故か無性に繰り返し聞きたくなってしまう中毒性が高いアルバム。メロはところどころハジメ節炸裂で,普通に演奏してCDにすれば普通に売れただろうに,やりたいことをやりたいようにやるというのはやっぱ尊敬に値する。しかしまあ,これだけチープな音なのに,どうして繰り返し聞きたくなってしまうのだろう。ハジメマジックなのだろうか。


20020704
The Residents' Petting Zoo The Residents ボンバレコードBOM9501
 20曲で980円のベストアルバムが目に付いたので買ってみました。目玉親父の集団。おい! 鬼太郎! ねずみ男を呼ぶのじゃ。おい! 鬼太郎! 和太鼓を叩いたりオカリナを吹いたりするのじゃ! おい! 鬼太郎! シンセで癒し系の音楽を作るのじゃ。レジデンツの音楽性についてはこの一枚だけではよくわからなかったので,引き続き聞いてみたいと思います。


20020705
いつものように独り言を呟くあなたの目には既に私の姿は映っていないのは知っていたけれどそれは

サクセスロードは煙らない

 と、いうのを考えたのだがどうだろう。
 と、あなたは呟く。
そうね。と私は生返事をするけれど、どうせ私が返事しても聞こえないふりするのだから。
私はあなたの後ろに立ち、あなたの頭を見つめる。私の気配に気がついたあなたはゆっくりと振り返る。
なんだ、おまえか。どうした。
私は彼の目をじっと見つめたまま、右手に持った花瓶を振り上げる。
彼の目は驚きと諦めに溢れる。

粉々に砕けた花瓶と流れる血を見て私は思う。
あなたを愛していたからなのに。それにしても掃除が大変だわ。

ああ、そうだ、さっきの駄洒落は笑えなかったわ。
座布団もっていきなさい。


20020706
あはははは 原田宗典 幻冬舎文庫 不勉強ながら初めてこの作者のものを読む。一月に締め切り43本なんて時期もあったそうだから、平均して毎日一本程度このレベルのものを書けるようでないとプロとは名乗れない計算になる。すげえなあ。

一億三千万人のための小説教室 高橋源一郎 岩波新書 を読む。デビューから一貫して感傷をテーマにしている高橋氏は、この本でも感傷に満ち溢れている。というところに私などはしびれるのでありますがいかがでしょう。

そろそろみなさん飽きた頃でありましょうから、サッカーワールドカップの総括。
足首 太股 男の世界 という歌詞が耳から離れない。走れ グズ共!というコピーも忘れられない。ドイツのゴールキーパーのカーンに4年後また会えるのが楽しみである。
ブラジルのロナウドの妙な髪型は、実は逆ちょんまげ(ちょんまげで剃る部分のみ残す)であった。
ちょんまげチーム(トルコのイルハン)が3位で、逆ちょんまげが優勝とは。後世の人は、2002年ちょんまげ大会と呼ぶであろう。


20020707
壊色<えじき> 町田康 ハルキ文庫。詩から小説への移行時期の作品集でしょうか。三部に別れてりやがりまして、夫婦茶碗やくっすん大黒の元ネタとなったのであろう詩的フラグメント集、唱歌の誤解釈、詩となっておられます。パンクロックやっていた人が文章を書くと落後と漫才が入ってくるのは何故でしょう。ノイズをやっていた中原昌也は文章書くとパンクになったというのと関係性はあるのだろうかいな。どっとはらい。

もしもし ニコルソン・ベイカー/訳 岸本佐知子 白水Uブックス テレフォンでセックスするお話。ニコルソン・ベイカーの小説は一言で要約できるというのがすごいなあ。性の嗜好が私にはよくわからない方向へ志向していたりするのでどうも共感できなかったりするのが残念。ということで顕微鏡的に微細な方向へ走りたがる職人芸的な描写を堪能する方向で読み進めました。結構面白く読んだののですが、なぜか読んでいるとすごく眠くなってくるのには困りました。つまらなくて眠くなったわけではないというのが不思議。


20020708
 脱ダム宣言した長野県の田中知事が議会から不信任されて、さあどうなる。議会は、ダム建設しないと県の財政が破綻すると主張しているし、知事は脱ダムは県民の総意と主張するし、このままでは収集がつきそうにありません。折衷案として、とりあえずダムの建設を強行に推進して長野県の河という河にダムを作りまくるというのはどうでしょう。ダムを作って作って、長野県全域をダムの底に一旦沈めてしまいましょう。その後脱ダムすれば両方の主張を満足するではないか。全域を沈めてしまったときに県民が存在するかという懸念がありますが、なに、ダムを造る/脱ダムする という崇高な目的のためには県民も納得するに違いない。


20020709
トマソンの罠 とり・みき 文春コミックス 以前読んだような気もするなあ。現在のとり・みきを読んでしまうのは、とり・みき自身が自分の才能の欠けている点について自覚的であることが、どうしようもなく私を引きつけるからである。

 生存を確認いたしました。お元気そうでなにより。話はかわりますが、通勤時に毎朝見かける(多分)OLのお話です。全身黒づくめのフリルぶりぶりの服で足下はピンヒール、爆発している奇抜な髪型で、毎朝興味深く眺めておりました。コスプレなのか、そういう服飾の趣味なのか、耽美派ロックバンドのファンなのか。業務に支障はないのか。似合っていないことはないのですが、いかんせん朝の通勤風景では浮いている。まあ、眺める分には面白い。ところがある朝、ジーパンと白のTシャツ姿でした。寝坊でもしてドレスアップ出来なかったのだろうかと思いましたが、次の日もその次の日もジーパンと白のTシャツ姿です。いったい彼女に何があったのか不思議です。彼氏の趣味に合わせていたが別れたのか、上司に通勤時の服装を注意されたのか、趣味が変わったのか、耽美派ロックバンドが解散したのか、耽美派ロックバンドのファンを止めてゆずのファンになったのか。


20020710
ユリイカ7月号 高野文子特集 高野文子が登場した頃は、その良さがさっぱり理解できなかったのですが現在から振り返ってみると、デビュー当時の線が一番好きというのはなんなのだろうか。あの神経質でシャープなラインが好きだったことに今更気がつく。


20020711
大日本天狗党絵詞 1〜4 黒田硫黄 講談社 高野文子も誉めていた黒田硫黄。天狗になってみたくもあり、なりたくもなし。泥人形になってみたくもあり、なりたくもなし。


20020712
太宰治を読み返してみる。PDAで読むのと、活字の文庫で読むのとでは、ずいぶんと印象が違う。ドットが荒いPalmで読んでいるというのも原因のひとつであろうか。

 TVでスターウォーズ エピソード1をやっていたので眺める。ジャージャーが邪魔。さっさとライトサーベルでたたっ切るのが吉。ドロイド軍団弱すぎ。最初からやられメカ風。タイムボカンシリーズじゃないんだから。最初に「こんなに強いぞ。」というところを見せておかないと。という意味ではジュダイが強すぎ。赤鬼も、「こんなに強いぞ。」という前振りがなかったのでジェダイとの殺陣も緊張感がない。アナキン役の子役の目つきは底意地が悪いところが伺える目つきで、適役。画面がTVサイズに切られていたので、画面の外でいろんなことが起こっていて不満。
 いろいろ不満はあれど、鏡面仕上げの流線型宇宙船が森に着陸する画像を見せて貰えただけでも大満足。あと、R2タイプのドロイドが次々と吹っ飛ばされるシーンは、壮快感がある。何故だろう。


20020713
雑文の更新が滞っているという指摘がありましたが、暑いので仕方がない。しょうがないので以前書いたものを化粧直ししてアップ。人間失格(しりのやまい篇) 太宰治をやろうと思ったのですが息切れ。暑いので仕方がない。2000年3月のお話であります。


20020714
TVでスターウォーズ 帝国の逆襲をやっていたので眺める。やっぱりepisodeIVとVが最高。なんといってもダースベイダーの圧倒的な強さが良い。殺陣はうまくないけどさ。撮影の段階ではダースベイダーがルークの父を殺したことになっていて、ダースベイダーの中に入っている人が試写を見てひっくり返ったという噂は本当なのだろうか。

山田正紀の快気祝いに、「長靴をはいた犬」講談社ノベルズを読む。1998年の作品。神性探偵・佐伯神一郎は、前作で神に命じられて探偵となりますが、今回は神の命令は無かったようです。定職を捨てたホームレス探偵。神は登場しないが聖女が出てきたり。しかし、中盤で根拠もなく犯人が判明したりと、仕掛けはたっぷり。


20020715
会社の先輩が有線にしたら余ったということでルータを譲っていただく。コンセントを接続すると火花が散って部屋のブレーカーが落ちる。別にショートしたような雰囲気でもないし、おそるおそるコンセントを接続してみるとちゃんと動作してネットに接続できた。いったいなんだったのであろうか。コンセントにつもっていた埃のせいかなあ。危ないなあ。


20020716
「廃墟バイト」に移動しました。


20020717
クラリネットが こわしちゃった

ぼくの  だいすきな クラリネット パパから もらった クラリネット
とっても だいじに  してたのに  こわれて 出ない  音がある
どう   しよう   こら!    どう   しよう  こら!

オ パキャマラド パキャマラド パオパオ  パパパ
オ パキャマラド パキャマラド パオパオパ

トランペットの 前身は  クラリーノ クラリーノに 音が似てるから クラリネット
とっても    だいじに してたのに こわれて   出ない     音がある
どう      しよう  こら!   どう     しよう     こら!

オ パキャマラド パキャマラド パオパオ  パパパ
オ パキャマラド パキャマラド パオパオパ

ドと  レと ミと  ファと ソと  ラと シの 音が出ない

ドと  レと ミと  ファと ソと  ラと シと 
ドと  レと ミと  ソと  ラと  シと ファと 
ミと  レと ファと ラと  ファと ソと シと
ファと ソと ラと  シと  ラと  シと ファと
ラと  ドと ラと  ファと ミと  シと シの 音が出ない

ドと レと ミと ファと ソと ラと シと ドと レと ミと ソと ラと シと ファと ミと レと ファと ラと ファと ソと シと ファと ソと ラと シと ラと シと ファとラと シと シの ドと レと ミと ファと ソと ラと シと ドと レと ミと ソと ラと シと ファと ミと レと ファと ラと ファと ソと シと ファと ソと ラと シと ラと シと ファと ラと シと シと ドと レと ミと ファと ソと ラと シと ドと レと ミと ソと ラと シと ファと ミと レと ファと ラと ファと ソと シと ファと ソと ラと シと ラと シと ファとラと シと シと ドと レと ミと ファと ソと ラと シと ドと レと ミと ソと ラと シと ファと ミと レと ファと ラと ファと ソと シと ファと ソと ラと シと ラと シと ファと ラと シと シと シと シの 音が出ない


シが出ない


パパも大事に してたのに 見つけられたら おこられる
どうしよう  こら!   どうしよう   こら!

オ パキャマラド パキャマラド パオパオ パパパ
オ パキャマラド パキャマラド パオパオパ

オ マラッパキャド マラッパキャド パパオパ パパパ
オ パッラマドキャ パッラマドキャ オパパパ オパパ
オ ドキャラマノ  ドキャラマノ  ドパパポ ペペプ
オ ラドキャパッマ ラドキャパッマ ラマキャパ キャキャキャ
オ ドラキャマッパ ドラキャマッパ マオマオ マママ
オ マラッマノラパ マッラドキャ ドパパキャパマ ドキパパオパパパパパッラマドキャパッラマドキャノドパパポペペプラドキャパッマラドキャパッマラママラッパキャドパパオパパパパパッラマドキャパマドキャオパパパオパパドキャラマノドキャラママラマキャパキャキャキャドラキャマッパドラキャマッパ ドパパキャパマドキパパオパパパパオパッラマドキャパッラマドャパッマラドキャパッマラマキャパキャキャドラキャマオパキャマラドパキャマラドパオパオパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパラマノ ドノドパパポ ペペプ オ ラドキャパッマ ラドキャパッマ マラッマノラパ マッマ ラマキドパラマキドラマキドラマキドラマキドラマキドラマキドラマキドラマキドラマキドラマキドラマキドャマッパ マオマオ マママオ マラッマノラパ マッパパドキャラマノドキャラママラマキャパキャキャキャドラキャマッパドラキャマッパドパパキャパマドキパパャパマドキャオパパパオパパドキャラマノドキャラママラマキャパキャキャキャドラキャマッパドラキャマッパ

ドパパキャパマ

                                       キパ

          パ


                          マャドラ







                  ャ








死が 出ない




20020718
いやあ、今日は暑かった。なんというかヒートアイランドですか。日差しは強烈だし、それにも増してアスファルトからの照り返しがすごくて、もう足の裏に直接熱が伝わってくるというかなんというか。数年前、あんまり熱くて靴の糊が融けて靴底がベロンとはがれたことがあったけど、それを思い出すなあ。安物の靴を履くから悪いんだけどね。しかしまあ暑いですな。駅から会社まで遠いというのは困ったもんだ。会社にたどり着くまでに汗でシャツがびしょびしょになっちゃって、会社につくと冷房が強烈でこんなんじゃ自律神経失調症になっちゃうわ。持病の目眩もひどくなるってもんだ。まだここかよ。会社遠いなあ。

しかし暑いなあ。あんまり暑くてアスファルトも柔らかくなってるような気がするなあ。こういうときには冷たい缶コーヒーでも飲んで一息入れたいわ。明日があるさ、アスファルト。あ、また目眩だ。ちょっと日陰で休もう。って、全然日陰なんてないじゃん。しゃがむとアスファルトからの熱が強烈でもうどうしようもないわ。あの橋をわたったらちょっと休もう。わ、河の水面からの照り返しも強烈。サウナだなこりゃ。あ〜蜃気楼が見えるような気がするわ。こんなところで蜃気楼が見えても、なんかありがたみがない安っぽい蜃気楼だろうな、きっと。安かろう蜃気楼。あ、また目眩が。

あ〜街路樹の陰で涼もうとおもったら、どの木陰も先客でいっぱいだ。しょうがないから歩こう。なんかマジでアスファルト融けてないか? 足がめり込んでいるような感触なんだけど。靴底が溶けてるのかなあ。また靴底がはがれたりしたら嫌だなあ。あ、また目眩だ。

ああ、今の目眩はすごかったなあ。震度5くらいか。しょうがない、また歩くか。あれ? 足首までアスファルトにめり込んでいるぞ。なんだこりゃ。力を入れても足が抜けないし。こりゃ困った。あちちちち、熱いよ、こりゃ。なんだあ、あれれ、どんどん沈んでいくぞ。助けて。熱い熱い。ありゃりゃ。ああ、もう腰まで沈んじゃった。めちゃくちゃ熱いちゅうに。双子の兄弟のどっちの方だったかな。お熱いのがおすぎ。じゃあ、冷たいのがピーコか。ああ、また目眩が。そんな場合じゃないちゅうに。ああ、沈む沈む。熱い熱い。ああ、もう首まで沈んじゃった。あちちちちち。助けてくれ。俺泳げないんだ。


20020719
河童は川に住み、キュウリを好む。相撲を取りたがる。頭はいわゆるおかっぱで、頭の上の皿が乾燥すると力が抜けて死ぬ。背中に甲羅、手足の指の間に水掻き、口の代わりにくちばしがある。川遊びをしている子供の尻子玉を抜き溺死させる。尻子玉は、肛門を閉める役目の玉であるとも、肝であるともいわれている。

河童は亀の姿を見間違えたのではないかと推定されている。河童の元である亀には海亀と陸亀がいるのだから、河童にも河に住む河童と山に住む河童=山童(まっぱ)がいるに違いない。そう考えたのは、あの生き物をなんと呼んだらいいのかわからなかったからだ。

山童に出会ったのは私が小学校三年生の夏、裏山の道で迷ってさまよい歩いていた時だ。いつも遊ぶ道と違う景色だと気がつき泣きそうになった。こっちのほうに違いないと歩いていった先が行き止まり。もどっても見慣れない場所。疲れて道ばたの岩に座って下を向いていると緑色の足が目に入った。その足の指には水掻きがついていた。

「きゅうり ないか」
そう言った姿は、全身が緑色の子供だった。背中に亀のような甲羅を背負い、髪型はいわゆるおかっぱのようになっている。河童だ。そう思ったが、河童の最大の特徴である頭の上の皿がない。
「キュウリは無いよ。」
河童だ、河童だ。
「そうか ないか すもう とらないか」
尻子玉を抜かれる。そう思った。尻子玉を抜かれると尻の穴が開いて死んでしまう。早く逃げなきゃ。
「すもうだ すもう すもう とろう すもう」
(気が向けば続く)


20020720
気が向かないので山河童の話は中断。夏の納涼ホラー特集は終わり。通常の日記に戻る。海の日だそうで、関係あるのかないのか電車で水兵さんを見かけました。関係なさそうだなあ。セーラー服を着て咎められない男性は水兵さんだけだなあ。セーラー服には思い入れは無いのでどうでもいいけどさ。
 .macが有料になるそうで、メールアドレスのためだけに使っているんですがどうしようかなあ。メールアドレス変更のお知らせするのも面倒くさいなあ。サイトごと行方不明になるのが一番簡単かも。
 「奇妙な本棚」伴田良輔 ちくま文庫。「独身者の科学」で知られる著者(というか不勉強なもので、それしか知りません)が集めた変わった写真集を紹介した本。紹介されている「水の踊り」見てみたいなあ。水中で静かに漂う人形の写真と人の写真。静かに死を受け入れる身体。大きな水の塊に包まれる人体。
 そういえば小学校の時に船から海に落ちて溺れたことがあったなあ。水中から必死に手を伸ばしても届かない水面のモアレは、今でもはっきり覚えているなあ。あれ、綺麗だったなあ。そういえばどうやって助かったんだっけ。その前後の記憶があやふやだなあ。助かったような気がするだけかなあ。こうやって目を閉じて顔を上に向けて目を開いてみると、水面のモアレが見えたりして。指を伸ばしても届かない。体がどんどん沈んでゆく。塩味の水が肺に入ってくる。激しく咳込むとかえって苦しくなる。もがく私の目に水面できらきら光るモアレがどんどん遠くなる。


20020721

 やあ、俺が半茶だ。というかサイト名だ。日系アメリカ人だから、日本式に名乗ると茶半だ。姓が茶で名前が半。焼飯が好きだから名付けた。というのは嘘だ。本当は「はんち」が姓で「ゃ」が名前だ。女性と会ったりすると「はんち」DEデート。これも嘘だ。「は」が姓で「んちゃ」が名前。アラレちゃんかよ。これも嘘だ。
 アップルからドット・マック使うのなら金払えというメールが来たので「@mac.com」のメールアドレスの使用を止めることにした。これで俺に連絡を取るのは非常に難しい状況になってしまったのだが仕方がない。どうせメールなんて来やしねえしよ。やれやれ。俺に用ができたら口笛を吹けばいい。そして後ろを振り返れば、そこにはただ風が吹いているだけさ。もしくは夜だったら蛇が出るだろう。それが俺だ。

これも嘘だ。

 SF名物 鶴田謙二 モーニングKC すいません。感想が湧きませんでした。

 大合作 トニーたけざき(他) 月刊アフタヌーン連載陣による合作。こうやって読むと、少数の例外を除いて、私と月刊アフタヌーンとは相性が悪いということがわかった。原因は私の方にあるんだけどさ。私は完成度が高くてその上、話が破綻しているものが好きなのだが、月刊アフタヌーンは冒険的(実験的=完成度が低い)けれども、なんとなく小さい世界でまとまっている作品が多いように思われる。そういうところからブレイクする可能性を発見しなければいけないんだろうけど、なにしろ漫画を見る目がなくてさ。>俺

 ネコカッパ 逆柱いみり 九龍コミックス 猫の河童が異世界をさまよう。あ、一言で説明が終わっちゃった。蛭子さんの影響がそこここに。思いっきりいわゆるガロ系の画風なのですが、帯によるとどうやら売れたいらしい。無理があるよなあ。ネコカッパのキャラクターで押すのか。そうなのか。ネコカッパ全然かわいくないのだが。キモカワイくさえ無いのだが。世の中なめていないか。逆柱いみりの描く異世界は、あいかわらず非常に魅力的。できればネコカッパのかわりに私がさまよい歩きたい。

(山河童の続き)
 山河童は相撲が好きな割にはそれほど強くなく、私といい勝負だった。尻子玉をとられるものかと尻を押さえていた私に、
「なんだ どうして しりを おさえている しりこだま なんだ それは そんなものは いらない」
 ということで存分に相撲をとって遊ぶことができた。一緒に遊んでくれたお礼に、山河童は帰り道を教えてくれた。山河童とは夏休み中遊んだ。
 夏休みも終わりに近づき、私は街へ帰ることになった。
「もう あそべないのか もっとあそびたい ずっと いっしょに あそぼうと いったのは うそなのか」
「嘘じゃないさ。だけど、もう夏休みが終わるんだ。僕は帰らなきゃいけないんだ。」
「やっぱり うそ なのか そうか うそを ついたのか うそを つくのは いけないこと なのだ」
山河童は、そう言うと私の喉をつかんだ。相撲をとっていた時には考えられないほどの強い力だった。
「いけない うそを つくのは この のどか もう うそを つけないように しよう」
そう言うと、空いた方の手を私の口に突っ込んだ。山河童の手がどんどん私の喉に突っ込まれる。
「あったぞ あった うその もとが あった」
山河童は腕を肘まで突っ込んで、私の胸の中で何かを掴み、そして引き抜いた。
「これで もう うそを つけなく なったぞ」
山河童が私の胸から引き抜いた何か玉のようなものを見ながら私は気を失った。

 私は道に倒れていたのを村の人に発見された。河童に玉を抜かれたのでもう助からないと思っていたので、気がついた私はどっと泣き出した。泣こうとして気がついた。

 私は声を失っていた。(了)


これも嘘の話だ。


20020722
 ある朝、クレゾール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると、 車道の横で自分の姿が一個の空き缶に変わってしまっているのに気がついた。固いアルミの背中を下にして、仰向けになっていて、ちょっとばかりプルトップの頭をもたげると、円筒の、赤色の、なめらかで継ぎ目のない腹部が見えた。
 空き缶と言えども三分の一ほど、中身が入っているのであった。体を起こそうと努力しても悲しいかな金属の筒である体が動くわけもなく。さて、空き缶であるところの体を持つところの彼が、一体これからどうしたらよいのか思案してもみたが、どうこうにも事態の進展もなく、諦めて空いている飲み口の穴から抜けるような青空を眺めたり、吹く風をプルトップに当てて口笛のような音を出したりしてみたが、されとてやはり進展もなく。
 試しにアルミの筒をへこませたり膨らませてみたりしてみると、あら不思議。中の液体この場合飲み残しのコーラと昨日の雨と朝露の混合物の揺れる周期即ち固有振動数と一致させて、アルミの筒を膨張−収縮してみれば、その振動はどんどん増幅されついには自らの体を回転させ、空き缶の己の体をぐるんぐるんと進行させることに成功するに至る。
 やったやった快挙なり。我自らの意志を以て、進行する史上初の無機物となりにけり。進め進め。我の前に道は無し。我の後に道はできる。意気揚々と転がる彼へ、巨大な自動車が猛スピードで近づき、あ、と思うまもなくタイヤにて轢かれ、彼は短い空き缶の生涯を終えた。


 ある朝、クレゾール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると、 車道で自分の姿が一個のアルミ板に変わってしまっているのに気がついた。


20020723
 夏のホラー特集で落とせないのはなんといっても某会社。月曜日の朝、出社するといきなりクーラー故障で午前中汗だくで仕事。総務部は、業者に連絡したら担当者が行方不明なんですよねえ、と涼しい顔。涼しくてよかったねえ。
 さて某部署と仕事をする関係でいろいろ必要事項を聞いていたのですよ。
「ところで今回の品物はAという商品名だとお聞きいたしましたが、この書類によると違うみたいですが。」
「あ、失礼しました。AでなくてBという商品名でした。」
「え? Bだとすると、こっちの書類と合いませんが。」
「あ、そうそうCという商品名でした。」
「本当にCなのですか?」
「え〜と、Aだと思います。」
「しっかりしてくださいよ。10年間もこの商品販売しているんでしょう? いったい、何を売っているんですか?」
「よくわかりません。」
「……」
どうして自分の部署で製造販売している商品の名前を、部長さんがわからないんでしょうか。ああ、ネタではなくて本当にあった出来事なのです。あなたが信じようと信じまいと。ああ、こわい。


20020724
隣の席の同僚の頭に葉っぱがついていたので取ってあげようとしたら、それは彼の頭から生えていた。新しい増毛法なのだろうか。ああ、恐い。脳血流の栄養分が葉っぱにとられるので始終ぼおとしているところが恐い。太陽光線にあたると光合成できるので元気になるところも恐い。さらに雨の日は傘をささずに歩きたくなるのも恐い。葉っぱを染めると枯れてしまうので地毛のほうを緑に染めるのも恐い。秋になると紅葉するので観光スポットとして穴場なのが恐い。散歩中の犬が小便をかけにくるのも輪を掛けて恐い。顕微鏡で観察すると導管と師管があるので、勘違いした人が太田道灌に仕官しにくる人が来るので断るのが大変なのも特筆すべき恐さである。

あと、お茶が一杯恐い。


20020725
捜してみると使用せずに放置してあったメールアドレスが発掘されたのでとりあえず使うことにする。


 家に帰って電気をつけると、部屋の真ん中にスリッパが一足空中に浮かんでいた。コンビニの袋を片手に呆然と眺めているとスリッパは、重力があることにやっと気がついたように、いきなりすとんと床に落ちた。今のはなんだったろうと、落ちているスリッパを眺めてみると見覚えの無いスリッパでもちろん私の物ではない。手にとって眺めてみたが別に何の変哲もない黄色いスリッパだった。気味が悪いのでごみ箱に放り込んで、次の朝ごみ捨て場に持っていった。

 次の日、家に帰って電気をつけると、また空中にスリッパが浮かんでいた。昨日と同じ黄色いスリッパだった。これも気味が悪いのでごみ箱に放り込んだ。その夜、夢にスリッパが出てきてうなされた。知り合いに相談してみると、どうやらそれは報われないスリッパの霊で、私に訴えたいことがあるようなのである。悲しいかなスリッパには口がないので訴えることができない。あなたがスリッパの気持ちを察して成仏できるようにしたらどうか。

 そう言われてもスリッパの気持ちなどわかるはずもなく、どうしたものかと思案してみる。スリッパの希望といえば、履かれることである。スリッパの霊というものは気持ち悪いが、恐る恐る黄色いスリッパに足を入れてみる。スリッパから感謝の気持ちのようなものが伝わってくる。

 どうもありがとうございます。私はスリッパの霊です。私は生前購入された時に、色がやっぱり気に入らないという理由で全く使用されずに捨てられてしまいました。そのことが無念で無念で成仏できませんでした。あなたさまのおかげで、短い間ですがスリッパとして生きることができました。これで成仏できます。ありがとうございました。

スリッパはすうと姿を消してしまった。よくわからないが、もう消えてしまったので二度と出てくることはないだろう。

 次の日、家に帰って電気をつけると、空中にカッパが浮かんでいた。今度は妖怪の霊ですか。この部屋にくると生前の心残りを晴らしてもらえるという話をスリッパから聞いたらしい。カッパは相撲を取りたかったらしく、三番ほど相撲の相手をしたところ納得して成仏して貰えた。カッパはありがとうございましたと言って消えていった。スリッパのあとはカッパですか。もう来ないだろうと、相撲で疲れたのでその晩は安心してぐっすりと眠った。

 次の日、家に帰って電気をつけると、空中に老人男性が浮かんでいた。こんどこそ幽霊だ。と腰を抜かしそうになりながらも、話を聞いてみる。どうやら古川ロッパだったらしい。最近の芸人に対する愚痴を聞いてくれる人を捜していたらしい。どうも古い芸人の話ばかりでてくるので理解できなくて閉口したが、愚痴を聞いて貰えて安心したらしく礼を言って消えていった。スリッパのあとはカッパで、そのあと古川ロッパですか。次の日は何だろう。ちょっと楽しみになってきた。

  次の日、家に帰って電気をつけると、何も浮かんでいなかった。ほっとすると同時にちょっと寂しい感じがした。ドアの鍵をかけて部屋に入る。スーツを脱いで部屋着に着替えるとTVをつけて見始める。しかしなあ、どうして私の部屋に次々と霊が出てきたんだろうなあ。スリッパ、カッパ、ロッパですか。どういう繋がりなんだろうなあ。背後でガタと音がしたのでふりかえると、古くさい服にマントを羽織りシルクハットをかぶった白人男性が空中に浮かんでいた。はいはい、今度は何ですか。望みは何ですか。そう言いながらその男の顔を見てなにかぞっとするものを感じた。彼は陰惨な目をして獲物をみる目つきで私を眺めていた。スリッパ、カッパ、ロッパ。まさか「ッパ つながり」でジャック・ザ・リッパーなのか。彼の望みは何なのか聞かなくても、彼の手に光るメスが雄弁に物語っていた。


20020726

あんまり暑いので梅酒の水割りを飲みながら書いている。梅酒の水割りってジュースじゃん、と家内が呆れた顔で見ている。これでも私にとっては致死量に近い。


Peperonchino going Abstract 材料がみじん切りにしたパスタの量は適当で構わない赤くパスタをうまく大さじ5杯のナイフを視線で音が響くとは親讓りの山嵐で小供の時から山が一つ多いではないかと材料が一歩手前放物線を描いてロシアン・マフィアの頂点なるべく材料が大量でなにはともあれ線路の上を歩くパスタがはみ出る皿が材料になるじわじわと鷹の爪がにんにくに塩をひとつかみ急に何もかも材料が柄を持ってにんにくからくるくると回転させる切断材料が塩を足す斜め上方30度茹でるコツの放り投げる材料が頚動脈と先ほどの冷えたフライパンの鉄の匂いオリーブオイルの匂いにんにくの匂い鷹の爪の赤と材料が皿が割れるというくらい美しくない材料がスナップを効かせる目を見開いて奇声大き目の鍋に材料がお湯でみじん切りパセリの緑鍋を投げ捨て材料が窓から飛び降りるアルデンテのオリーブオイル材料が落下する焦らないガスレンジブラックペッパー材料が揃っているか上昇する弱火の熱気盛りつけたパスタの湯気窓を開けるとゴウとビル風が吹き込むゴウゴウゴウとビル風がパスタの茹で汁と材料が揃っているか人人が驚いて見上げる不浄の地を離れた材料が揃っているか皿窓の外へ鉄の匂いフライパンにパスタ材料が揃っているか材料が泡が出て材料がこれでもか材料が


材料が揃っているか確認する



20020727
間違っている夏

1)あつはなついねえ。
2)どんどん暑くなるね。7月でこんなに暑いなら、12月には熱帯だ。
3)ヒートアイルランド。
4)ど〜ろりとした梅酒。
5)はなつあいつねえ。
6)豆知識:枝豆が育つと小豆になる。
7)最初、台所で行われたことから「流し」そうめんと名付けられた。
8)冷やし中華はじめまして。いやこちらこそ。
9)あいつはつないねえ。
10)スイカと梅干しは食い合わせが悪い。
11)冷えた燗ビール
12)いつはあなつえねえ。
13)冷えた発泡酒だと思って買ったら実は冷血な発砲主で、射殺された。
14)ノースリーブだと思って着用したらノースリープで徹夜になった。
15)ハワイ旅行の記念写真にレイが写っていると思ったら霊だった。
16)怪談話だと思っていたら、階段は無しで、ずっと坂道だった。
17)呪いと怨念の話だと思っていたら、ノロい人がおんねんという関西弁だった。
18)夏は暑いねえ。


ぜんぜんホラーじゃないじゃん。


花面祭 masquerade 山田正紀 講談社文庫。華道の天才家元の変死を巡る話。しかし事件の真相を解明した探偵がこれほど惨めに扱われる推理小説も珍しいだろうなあ。この探偵を主役にした短編連作を読みたいなあ。

間違っている夏 episode 2 いやあ、まいったよ。ほらこの前話した長いバイトだけどさ。いつバイトが終わるかちゃんと初めに聞いておけば良かったんだけどさ、やっと終わってさ。いやあもう最後の方なんかメチャ忙しくてさ。なにしろ千客万来で。で、ちょっと休憩をとろうとして裏口に回ったらなんか白衣のおっさんがいてさ、いやあ、すまんすまん、バイトはもう切り上げていいよ。これバイト代だから。それで相談なんだけど、このバイトの話はさ、外でしないでもらいたいんだよね。ほらこちらもいろいろ都合があってさ。バイト代に色つけとくからさ。なんて言われちゃってさ。なんでレストランの経営者が白衣着ているかよくわかんないんだけど、食中毒対策かな。O−157の検査でもしているのかな。保健所対策か。まあ、それでやっとアパートに帰ってこれたというわけで。
 それでもって、よくわからないんだけど隣にはリーマンのおっさんが住んでいたはずなんだけどさ。いつのまにか空き部屋になってんの。転勤かなあ。それならいいんだけど、ドアにはお札みたいなのが貼ってあってさ。花束が置いてあんの。なんか気味悪いよ。
 ま、バイト終わって久しぶりに会えたんだから飲もうか。そういうわけで今、部屋には何もないんだけどさ。バイト代あるから酒とつまみ、コンビニに仕入れに行こうか。え? 眼鏡の彼女とはその後どうだ? だからあ、何度も言ったように彼女じゃないんだってばあ。え? そりゃそうなんだけどさぁ。まあいいや、男同士朝まで飲もうか。あれ? 今何か物が落ちる音がしたなあ。なんでこんな物が部屋の真ん中に落ちているんだろう。俺のじゃないと思うけど。黄色いスリッパ。

(いろんなもの不参加作品)


20020728


20020729
Polysics / For Young Electric Pop / KSCL460 前作のミニアルバムLO-BITSが非常に分かり易かったのにどうしたことでしょう。本アルバムでは音の輪郭が不明瞭でデビュー当時からのテーマの一つであったアナログシンセとギターの対比がわかりにくくなっています。渾然一体なのを目指しているんでしょうか。結果としてロック色を強めております。前作で絶賛したCODE4は、ほとんどアレンジも変えていないのに違う曲のような印象。彼ら、テクノポップに飽きたのかなあ。

一億三千万人のための小説教室で紹介された「エーミールと探偵」を読んでみたのですがおもしろいやこれ。子供の頃に読んでおけばよかった。しかし、児童文学関係は似た名前が多くて混同しそうです。「エーミール」は探偵で、「エミール」はルソーで、「エルマー」は16匹の龍で、「エマール」はホームクリーニングですか。

これは実際に起きた事件です。
あるアベックが彼女の部屋でいちゃついていると彼女が突然「アイスクリームが食べたいからコンビニに行こう」と言い出しました。 彼氏は疲れていたし、これからだと思っていたのでイヤだったので反対したのですが、彼女はどうしても譲りません。二人で渋々ながら出かけることにしたのです。ところが家を出た彼女は彼氏の手を握ったまま、コンビニとは逆方向に歩き出しました。「ちょっと、どこ行くの?」わけが分からずに尋ねる彼氏に彼女はゆっくりこう答えました。「ベッドの下に包丁を持った男がいたの。慌てないで、これから警察に行くのよ」通 報で警察がかけつけた時には男は既にいなく、黄色いスリッパだけが残されていたそうです。


20020730
黄色いスリッパをめぐる恐い話。
タクシーが若い女性客を拾った。
タクシーは目的地に到着した。
「つきましたよ」
そう言って振りかえった運転手はあっと驚いた。
女性がいつのまにか車内から忽然と姿を消していたのだ。
後部座席のシートがぐっしょり濡れていて、黄色いスリッパが残されていたという。


海に飛び込んで遊んでいた子供たちを撮影していたが、そのうちの一人が溺れ死んでしまった。写真屋は現像に失敗したということで写真を見せてくれない。むりやり見せてもらうと、「いいですか、ここに何が写っていても驚かないでください」と念を押された。
一枚目の写真には今まさに海に飛び込もうとする子供が写っていた。
二枚目の写真には子供の下の海面から、まるで海に引きずり込もうとするかのように無数の黄色いスリッパが浮かんでいるのが写っていたのだ。

家が貧しい為に育てることができず、赤ん坊を湖に捨ててしまう。
次の子供が産まれたころには生活が楽になってきたので、その子は育てることにする。
ところがある日一家で湖に遊びに行った時、子供が「お父さん、今度は黄色いスリッパ。」と言う。

この家には本来ならばもう一部屋あるはず。その場所の壁を叩くと、そこだけあきらかに周囲と音が違う。壁紙を剥がしてみると、そこには念入りに釘で打ちつけられた扉が隠されていた。釘を引きぬき扉を開くとそこはガランとしたなにもない部屋。
そして、その部屋の真っ白な壁は、赤いクレヨンで書き殴られたこんな文字が

「黄色いスリッパ黄色いスリッパ黄色いスリッパ黄色いスリッパ黄色いスリッパ黄色いスリッパ黄色いスリッパ黄色いスリッパ黄色いスリッパ黄色いスリッパ黄色いスリッパ黄色いスリッパ黄色いスリッパ黄色いスリッパ黄色いスリッパ黄色いスリッパ黄色いスリッパ黄色いスリッパ」


20020731
黄色いスリッパをめぐる都市伝説を集めてみました。

某ハンバーガーチェーンのミートの原料には、牛ではなく黄色いスリッパが使用されているらしい。

某フライドチキンチェーンに使用しているチキンは、肉をなるべく多くとれるように餌として粉末にした黄色いスリッパが与えられている。

某化学調味料の原料は、黄色いスリッパ

某コカコーラの製法は厳重な秘密となっているが、実は原料は、黄色いスリッパ

某缶詰工場であやまって黄色いスリッパが機械に巻き込まれた。どうやらそのまま出荷されたらしい。

某TDLの地下にはVIP専用の裏のTDLがある。入場するための合い言葉は「黄色いスリッパ」であり、ミッ○ーマ○スが黄色いスリッパを履いて歓迎してくれる。


すいません。あんまり暑くて脳が溶けています。

2週間に渡ってお送りしたホラー特集、いかがだったでしょうか。
これで終わりです。
でも、安心するのはまだ早いのかもしれません。

ほら、振り向くとあなたの後ろに黄色いスリッパが…


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半茶