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183. n=n+1 20141112


 

n=n+1

自然数が無限に存在することを証明してみよう。ここでは背理法を採用する。

1)自然数が有限であると仮定する。
2)すると有限であるから最大の自然数nが存在する。
3)nに1を加えた数n+1も存在する。
4)n+1が自然数であることは自明である。
5)n+1はnよりも大きい。これはnが最大の自然数であるということと矛盾する。
6)したがって自然数が有限であるという前提が棄却され、自然数は無限に存在するということが証明された
……ように思われるところが落とし穴である。

 ここでもう一度この証明を振り返ってみよう。時間順に見てみると、最終的には最大の自然数nの存在は否定されている。しかしながら2)〜5)の間において最大の自然数nは存在していた。2)〜5)の間においても最大の自然数nが存在しないとすると存在しないものに1を加えることは不可能であるし、無理やり加えた場合には存在しないもの+1であるからそれは1である。

 この状態に置いては、nは最大の自然数であり、n+1は1であり最大の自然数は当然のことながら1よりも大きいのでn>n+1(=1)は成立し、nはn+1よりも大きく最大の自然数であり矛盾は発生しない。したがってすくなくとも2)〜6)の期間においては最大の自然数nが存在することが証明された。

 ここで、証明という行為について考えてみよう。一度証明されたからといってその証明は自明とはならない。自明であれば一度授業で証明した問題が定期試験に出された場合、「自明」と書けば済むはずであるがそうではない。したがって、一つの証明は何度も何度も証明される必要がある。そしてさきほど示されたように証明の途中経過においては最大の自然数は存在し、証明の終了と共に消失する。

 証明というものは、何度も証明する必要があることから考えて、証明が終了して一定の期間を過ぎると、証明が必要となる(=証明されていない)状態=最大の自然数が存在する状態となる。

 時間経過を考慮に入れると、無数の数学者により繰り返し絶え間なく証明行為が実施されている期間において、証明終了後の一瞬においてのみ最大の自然数の存在が消失し、それ以外の期間においては最大の自然数が存在することになる。

 数学者の数が無限であると仮定すると証明の行為は時間差を持って同時並行に実施されており、最大の自然数は断続的に存在/非存在の両方の性質を重なりあって示している量子的性質を持つことが推測される。

 最大の自然数nが存在することは証明された。ではnの大きさはどれくらいなのであろうか。

 最大の自然数nが存在している時には、当然のことながらnを測定することが可能である。最大の自然数であるからその数字列は実質的に無限桁であり、特徴的な数列を持つ場合には最大の自然数という性質と相いれないことから、完全乱数列であることが判る。したがってこの数列を出現期間のうちに読み取り計算に用いることができれば、nは量子的振る舞いを示すので、その計算方式は量子的コンピューターとして使用できる。

註:本テキストは上記最大の自然数n方式による量子コンピュータによりnの数列を一部切り出し、テキストに変換し出力されたものである。したがって万が一上記の内容に誤謬が含まれていた場合であっても、筆者ではなく最大の自然数にその責があるのでご了承いただきたい。


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