98. 「シンドウバットの冒険(完結編 下)」(20060920)


第十弐夜
第七番目の航海

シンドウバットは今度は難破こそしませんでしたが、海賊に襲われ奴隷にされてしいました。奴隷としてこき使われた後は、小国の国王に売り払われてしまいました。そこでの仕事は、弓と矢を持って木に登って待つという仕事でした。木の上で二日も三日も待っているとそのうち象が通りかかります。その象を弓矢で射るのです。象を殺すと木から降りて報告に帰ります。象牙を取る仕事です。これがその小国の貴重な外貨獲得手段だったのです。

ある日、いつものように木の上で待っておりますと、大きな象がやってきました。弓矢で狙いますと、その象は鼻をクイクイと動かしています。まるでシンドウバットにこっちに来いというようです。不思議がりながらもシンドウバットは象について行きました。象が辿り付いた所は象の墓場でした。象牙が欲しいならここからいくらでも取るが良い。我々を殺すのはやめなさい。そう言っているようでした。

シンドウバットは国王にこれを告げたところ、王様は大変喜び、シンドウバットに褒美をとらせ、奴隷から一般人に格上げしました。もうこれで象を殺すことは無いぞ。国王はおふれを出して、象を殺すことを禁止しました。

しかし、時既に遅し。象牙採取の為に象を殺害しているとの情報をキャッチしたグリーンピースが、ワシントン条約違反の報復措置として一個師団を投入してきたのです。 無差別に殺害される無辜な一般市民。シンドウバットは怒りに立ち上がりました。自分の武器はこの手にある弓矢のみ。一個師団を相手にどう戦うのか!(ランボーに続く)


    一覧  トップ