88. 「アリ・ヴァヴァと四拾人の盗賊」(20060911)


第二夜

ある日のこと、アリ・ヴァヴァが、いつものように森へ行って木を切っていますと、盗賊が大勢来るものですから恐ろしくなって木の上に隠れました。 盗賊達の頭らしい男が、「開け、ごま。」と叫ぶと山の岩が轟音をたてて開き、洞窟があらわれ皆その中に入ってしまいました。

その盗賊団は凶悪非道なことで知られる頭を筆頭に四十人で構成される人でなしの集団でありました。この話の最後には、アリ・ヴァヴァとその女奴隷によって油で煮殺されるのですが、それは後の話。

街の人たちはその盗賊団をひどく恐れていました。どのくらい非道だったかと言えば、頭は自分の故郷で近隣の住民に小馬鹿にされつづけたことに怒りを爆発させ、猟銃と鉈で一晩のうちに三十人を惨殺したことがあります。副頭取は中世ヨーロッパの貴族で謀略暗殺戦争で政敵を次々に打倒、小国が割拠するヨーロッパ統一を目指し、政敵や犯罪者を残虐な方法で処刑した。副副頭取は19世紀末イギリスで5人の女性を刃物で惨殺し、臓器を持ち去った。若頭筆頭はポーランド国王の従兄弟の名家の娘で美貌が衰えるのを恐れ、処女から血を絞り血液風呂に入った。若頭はサイコパスで被害者を拳銃や鈍器で殺害した後、借りていた倉庫で犠牲者を硫酸で溶かして証拠を隠滅した。若中頭は、帝銀銀行椎名町支店で11名を青酸カリで毒殺。若者頭は、初代国鉄総裁を誘拐し殺害、轢断死体として線路に放置。理事長は新興宗教の教祖として地下鉄で毒ガスを散布。手下八はアーミーナイフの不法所持。手下九はライトの無灯火運転。手下拾はタバコのポイ捨て。手下拾壱はマクドナルドのテーブルでコーラにメントスを入れて放置。手下拾弐はJR自動改札の強行突破。手下拾参は満員電車に沢庵の持込。手下拾四は通勤電車内における相手と合意の上の痴漢プレイ。手下拾五はスターバックス店内での喫煙行為。手下拾六はスターバックスのガムシロップの大量略奪。あろうことか、ドムドムでも!手下拾七はNHK受信料不払い。手下拾八は年賀状の返事を出さない。手下拾九は雑文書き。手下弐拾はシルバーシートに構わず着席。手下弐十壱はゴミの無分別廃棄。手下弐拾弐は亀を裏返して放置。手下弐拾参は車が来ていない事を確認した上で信号無視。手下弐拾四は白タク行為。手下弐拾五は自転車のサドルを窃盗。手下弐拾六は天気予報が雨にもかかわらず傘を持たずに外出。手下弐拾七はクールビズ終了にも係らずノーネクタイ。手下弐拾八は外線電話に出ても名乗らず。手下弐拾九は勤務中に私用の長電話。手下参拾は歯医者の予約をすっぽかし。手下参拾壱は黒板に爪を立てて引っかく。手下参拾弐はエレベーターに乗ったらとりあえず全部のボタンを押す。手下参拾参はナポリタンに粉チーズ一瓶振り掛ける。手下参拾四はペペロンチーノを食べたことが無い。手下参拾五は友達と道いっぱいに広がりながら歩いて人に道を譲らない、手下参拾六は右と左がとっさに答えられない。手下参拾七はVipper。手下参拾七はつい餌をやりすぎて金魚が死亡。手下参拾八は絶対音感は音楽に必要と勘違い。手下参拾九は的を得るのか的を射るなのか未だに区別つかない。手下四拾は鶏の鳴きまねが上手い。

孟嘗君が彼らを使って秦の函谷関を越えた故事は有名である。


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