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70. 「35」(20000915)


 右側の人の眉毛が薄くて前後に身体を前後に動かしながら歌うことで知られている男性デュオの19は解散するまでずっと19であった。直木賞の由来である直木三十五は、年を取るに従いペンネームの数字を増やしていったが、三十六としたところ、間違いだと思った編集者が気を利かせ、直木三十五と訂正したため、その後は直木三十五で固定してしまったそうである。(って、よく考えると私より若いではないか。はじめてこの話を聞いたときはジジイの話だと思っていたのになあ。)

 19も直木三十五の例に従い、数字を増やしていけば良かったのではないか。70を越えた位からいい味を出して来るような気がする。惜しいことをした。多分、メンバー二人とも同じ年齢だと思うが、誕生日は違うであろうから、短期間は片方が23歳、もう片方が24歳という場合もあるであろう。そういう場合は年齢の平均を取って23.5とする必要が出てくる。更なる音楽性の追求のため、メンバーを増やしてしまったら大変である。25歳、25歳、24歳になってしまうと、平均をとると循環小数になってしまうため、正確にバンド名を紹介しようとすると無限の時間が必要になり、紹介は理論上不可能となる。元プリンスをどう読むかよりも深刻な問題である。妥協案としては小数点以下6桁を四捨五入して24.66667とするか、24カ三分の二とするかであろう。小学生に対しては約25としても良いと文部省の指導要領に載っている。

 代案としては、年は10進法であるが、月数で言うと12進法である点を利用する方法がある。すなわち24歳8カ月と主張するのである。他の解決法としては、割りやすいメンバー構成にすると言う方法もある。例えば、4人であれば割り算は簡単になる。しかし油断はできない。新メンバーが統計を専門としていた場合、相加平均ではなく相乗平均にすべしとの意見が出される可能性が有る。統計専門のミュージシャンが存在するかどうかは寡聞にして知らないが、統計的に相乗平均で正しいかどうかも知らないが、ここでは問題にしない。

 25歳、25歳、24歳、21歳だと(25×25×24×21)の4分の1乗は、ええと表計算で計算するとだいたい23.690686102687934である。パソコンもしくは関数電卓が必須である。こうなるとファンの人もアーティスト名を憶えるのも大変である。本人でさえ憶える気を無くす恐れがある。

 計算が面倒であるので日数で表記するというのはどうだろう。19というと大体19年×365日+4(閏年の分)で6939である。これでどうだろう>19いや6939よ。これで、どうか14649(ひとつヨロシク)。


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