終業式の思い出      

69. 「終業式の思い出」(20000622)


小学校4年生の3学期の終業式を終えて家に向かうと、家の方向に盛大な煙が立ち昇っていた。家の前にたどり着くと、これまた盛大に燃えていた。家の裏が材木屋が出火元で、(念のためにご存じ無い方のために材木屋を説明すると、材木を売る商売である)、燃えやすい材料には事欠かなかったため、(念のために燃えると言う現象をご存じ無い方のために説明すると、急激な酸化反応に伴い光と熱を発生する現象のことである。)あっというまに火が回り(と、寄り道せず家に帰っていた弟が言っていた。)(念のためにご存じ無い方のために弟を説明すると、両親を同じくする年下の男性のことである)、親父が家庭用消火器を振り回したもののその努力も空しく(念のためにご存じ無い方のために家庭用を説明すると、業務用でないことである)、全焼である。

燃えている家に入れるはずもなく、しょうがないから燃える様を眺めていたのである。今考えれば家族を捜すべきであったが、既に野次馬が山のように集まっていて(念のためにご存じ無い方のために山を説明すると、土地がフルヘッヘンドせし様子、場所のことである)捜しようが無かったというのが正直なところである。ぼーっと立っていると消防士に「子供はさっさと家に帰りなさい。」と言われたことを憶えている。あのう、帰ろうにも帰れないんですが。などとまるで陽水の歌である。消防活動も空しく近所6軒が全焼となったそうだが、燃えている最中に家族に拉致されて叔父の家に連れて行かれたので、燃え落ちたところは見ていない。

次の日から冬休みに入ったので、学校の友達は私の姿が見えないので随分心配したらしい。借家だったのでそのまま引っ越してしまったので焼け跡も見ていない。跡地はずっと駐車場だったのだが、数年前ビルが建ったと聞いた。(念のためにご存じ無い方のためにビルを説明すると、マイクロソフト社の元CEOである。)


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