ヤブミョウガとミョウガ

ヤブミョウガ

ヤブミョウガは8月から9月にかけて散歩道の所々にその小さな可愛い花を咲かせるので、この時期になると目立つが、食用になるミョウガの仲間ではなく、ツユクサの仲間である。
同じ頃に花を咲かせる薬味(やくみ)に使うミョウガの葉によく似て、林下や藪(ヤブ)に生える為、ヤブミョウガの名があり、どちらかと言うと、ミョウガが属するショウガ科の花に見えるものの、れっきとしたツユクサ科の花で、従ってミョウガとは別種の植物である。( 「ツユクサとその仲間」 の項参照)
アジア、アフリカ、中米の熱帯、亜熱帯に分布し、日本は北限に当たるが、学名を 「pollia japonica」 と呼ばれるように、日本の代表的な植物として知られている。
地下茎で増殖すると同時に秋に紫色の実を付け、種子でも繁殖するのでなかなか強い花であり、我が家の庭にも鳥が運んだ実から毎年花を咲かせ、放って置くとどんどん増殖する。
その独特な葉と白い小さな花と紫色の実で鑑賞用としても十分資格のある花であるが、あまり園芸用には出回っておらず、我が家のように鳥が運んでくれて咲く程度のようである。

ヤブミョウガの花      ヤブミョウガの葉      ヤブミョウガの果実

一方、ミョウガは 「魏志倭人伝」 に日本での栽培に言及した記述があるほど古くから知られた野菜で、その花芽を食用にし、 独特の香りと特有の紅色で薬味として利用され、又、天ぷらや酢の物等に使われる。
栽培もされているが、山裾等に自生もしており、自然生えの花も見ることができる。

ミョウガとミョウガの花

名前の由来は諸説あるが、大陸からショウガと共に持ち込まれた際、香りの強い方を 「兄香(セウカ)」 、 香りの弱い方を 「妹香(メウカ)」 と呼び、これが転じてショウガとミョウガになったとする説が面白い。

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