47-1:福井県 勝山市 越前大仏 



所在地: 福井県勝山市片瀬50字

取材時期:2009年9月

ジャンル:お祈り系

珍スポ度:☆☆☆(☆五個が最高得点)
大阪のタクシー王・故多田清氏により建立された臨済宗妙心寺派のお寺。れっきとした宗教法人である。ここに巨大仏様がいらっしゃるということで、できなかった夏休み取材の代わり、ということで大渋滞の東名〜北陸道を使って勝山に行ってみた。市としても何とか有名観光地にしたいのだろう、案内看板には事欠かない。このため、迷うことなく清大寺に到着。昔は有料であったことが想像されるゲートを通り、巨大な駐車場へ。

かなり大きな寺であることは間違いない。しかも綺麗。参道もしっかり整備されているため、案内表示に従いすすむ。まずはその参道脇のお店が問題である。ほとんどシャッターが降りている、この連休の稼ぎ時に・・。といっても参拝客は非常にまばら。午前中に行った(正確には入ろうとして、入り口の長蛇の列で断念した)福井恐竜博物館とは大違いである。閑散とした参道を進むと境内入り口の料金所。参観料500円(JAF割で450円)、1987年の大仏開眼当時は拝観料3000円だったそうである。そ・それじゃ、誰も来ないわな・・。

  

巨大な門をくぐり、大仏殿に続く広場に出る。その広大さといったら、とても無駄に広い。珍スポとしては異常にお金がかかっているようだ。ちょっとネット調査したところによると300億円以上の資金がつぎ込まれているらしい。うーん、タクシー王ともなるとやることが違う。階段を登ると大仏殿入り口である。そこからすでに越前大仏さんが正面に見える。鋳造の座像としては日本一だ。まあ日本一といっても十数メートルなので、ぶっ飛ぶ大きさというわけではないが、大仏殿に納められているせいか、かなりの大きさに見える。

  

まずはお詣りをすませ、じっくりと拝観させていただく。大仏殿壁面には小さい白座像がびっちり張り付いている。これはなんだかちょっと不気味。横には羅漢像や観音立像もあり、とてもありがたい雰囲気。入り口横には二階に上がる階段もあり、そこからは大仏様が正面から拝めるのでお見逃し無く。ひんやりとする大仏殿内の取材を一通り終了し、次は五重塔へ。と、その前に、越前九龍壁のチェックを忘れてはならない。これは中国北京北海公園の九龍壁と同じであるそうな・・。と解説されてもあまりよくわからん。しかし、樹脂製のカバーに守られた巨大な置物を見てみると、確かにとても発色のよい、綺麗なものである。瓦ということですが、なるほど芸術品といわれれば、そう見えなくもないですな。これにもきっと何十億円もかかっているんだろうな。

  

さて、五重塔です。総工費26億6千万円です。エレベータで4階まで、そこからは階段で最上階へ。さすがに展望はばっちり。勝山城もしっかり見渡せますが、だから?といった感じ。下りは階段で降り、各階の仏像さん詣でをしながら出口にたどり着く仕掛け。中にいると外観の五重塔を実感できないのでつまらない。やはりこの手の建物は外から見て楽しむ物だな〜。いや、まて、北海道は北の京芦別にある五重塔は予約すれば宿泊OKのはず。これは一度泊まってみたいですね。

これで一通り参拝は済ませた。かなりバブリーなお寺であるのは間違いない。お金を掛けすぎて、その後の経営が立ち行かなくなったという点では、あの南紀白浜にあるホテル川久も分野は違えど、同じことであろう。ただし、越前大仏にはまったく借金を返済する当てがないことが大きな違いかもしれない。この先、越前大仏はどうなってしまうのだろうか?まさか取り壊すわけにもいかないだろうし・・・。境内、大仏殿、そして肝心の大仏様もしっかり造られているのだから何か良い施策がありそうなものだが・・。

補)現在、大阪にある「相互タクシー」は完全に別会社。勝山にある「相互タクシー(株)」は2008年に240億円あまりの負債を抱え、倒産してしまった。


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