政府による集団催眠にかけられた日本社会

2020.04.22.

新コロナ・ウィルスの感染者の増加が止まらず、行き倒れになって救急搬送されてウィルス感染が確認される人が二桁になるなどの事態を迎え、専門家の口からもようやく、米欧の事態が日本で起こってもおかしくないという発言が出るまでになりました。私からすれば、「何を今更」という気持ちにもなるのですが、政府(及び御用学者)の「政策」に口裏を合わせてきたこれら専門家も、これ以上口裏合わせを続けていると大変なことになる(爆発が起こってしまったときの申し開きができなくなる)ということで、「ホンネ発言」を行いはじめたということでしょうか。
 しかし、それでも専門家諸氏は、これまでの政府の対応(クラスター潰しに重点を置き、一匹狼・忍者は事実上放置)は正しかったと断った上で、「しかし」という言い方を続けています。テレビでたまたま、WHOのアジア太平洋地域担当者(日本人)の発言を見かけましたが、WHOを代表する彼までがこれまでの日本政府の対応について何の批判めいたこともいわないのです。政府の息がかかっているとしか思えません。
 もちろん、外出を控え、人との接触機会を減らすことは重要です。世界中がやっていることです。問題は、世界中の国々がやっているのは、何よりもまずしらみつぶしに感染者を見つけ出すことに全力を集中する(見つけ出した上は、できるだけ早く感染者を隔離するとともに、まだ症状が重くならない内から治療を施すことで、重症化して命を失う人の数をできる限り減らす)ということであり、それにプラスして、接触機会を減らすことで感染の危険性を極力減らすことを同時的に行う、ということなのです。
 安倍政権及び御用学者がやってきたことの犯罪性は、「しらみつぶしで見つけ出す」ことには力を注入しないで、私たち国民に対して接触機会を減らすことの重要性だけを強調する(接触8割減にならず、感染者が減らないのは国民のせいだといわんばかり)点にあります。PCR検査を受けたい人も受けられない、受けたときにはすでに重症化が進んでいる(ということは命を失う危険性がすでに高まっているということ)、受けられないままに行き倒れになってしまう人まで現れているという点に、その重大な犯罪性が存在するのです。これほど人命軽視の取り組み方を平然と行い続けているのは、世界を見渡しても日本だけです(貧しくて十分な取り組みを行いたくても行えない国は除きます)。私はそこが我慢できないのです。
 ところが、御用学者は論外として、御用学者ではない専門家諸氏までが、これまでの政府の対応そのものが間違っていることについては口をつぐみ、あるいは、「これまでは正しかったが」という言い方を続けることは、私にとっては本当に信じられない思いです。私と同じ以上に、これら専門家諸氏は世界における取り組みを見ているはずです。日本の安倍政権だけが人命軽視の取り組みをしていることについて、彼らはなんとも感じないのでしょうか。そうであるとすると、彼らは安倍政権による集団催眠にかけられているのだとしか思えません。
 しかし、御用学者によって国の行き方を誤らせるのをこれ以上許すわけにはいきません。原子力行政における御用学者の犯罪的役割は福島第一原発事故でようやく明らかになりました。しかし、今回の新コロナ・ウィルスに関しては、御用学者の犯罪的役割は日々実証されているのです。御用学者ではない良心的な専門家諸氏は、集団催眠から一刻も早く目を覚まし、警鐘を乱打して、安倍政権の犯罪を国民に知らしめ、人命第一の取り組みに大至急かつ抜本的に転換させなければなりません。
 これまでも指摘してきましたが、安倍政権の犯罪は、お隣の韓国の取り組みの成果と比べれば一目瞭然です。感染者数ではすでに日本が上回っています。韓国の感染者数はいまや一日で2~30人という低いレベルです。これも、早期発見、早期隔離、早期治療という韓国の取り組み故なのです。こんなに歴然とした違いが目の前で繰り広げられつつあることは、日本社会が集団催眠から目を覚ますことを促す、不幸中の幸いといわなければなりません。喝!!!!