21世紀の日本と国際社会 浅井基文Webサイト

目が見えにくくなったとお悩みの方へ

2018.03.15.

このコラムで私事を書くのは場違いかつ不適当かとも思うのですが、以前に何度も自らの目の不調について弱気な気持ちを書き、お話しに訪れた先で、「大丈夫ですか」と励ましの声もいただいた経緯もあり、最近目が見えにくくなったとお悩みの方も少なくないと思うので、私のケースについてご報告し、何かの参考にしていただけたらと思い立った次第です。
 私はほぼ1年前から、急激に目の調子が悪化し、以前は何時間パソコンに向かっていても苦にならなかったのが、1~2時間パソコンに向かっているだけで目がかすみ、疲労感も激しくなる症状に陥りました。最初は、パソコンのブルー・ライトをカットするフィルター膜が入っていないメガネのせいかと思い、メガネを新調しましたが、何の効き目もありませんでした。
 そこで、かかりつけの眼科で度数検査をしてもらい、その上でメガネを作ってみました。しかし、いっこうに改善しないばかりか、外出したときも目に入る景色がはっきりしないようにまでなりました。眼科の医師にも目の調子の悪さを何度も訴えましたが、パソコンに向かう時間を制限するようにというぐらいのアドヴァイスで、まともには取り合ってもらえませんでした。結局、3度メガネを買い換えましたがダメでした。
 私は緑内障も患っていて、定期的にOTC検査というのを受けているのですが、2月の検査の際、検査をしてくれていた専門家と雑談している際に、目の悩みを口にした私に、その方が「浅井さん、それは斜視かもよ」と言ってくれたのです。その人は大学で斜視のことも専攻した女性で、すぐさま斜視に関わる検査を行ってくれました。案の定、斜視でした。彼女が書いてくれた処方箋を持って、眼鏡屋に飛んでいき、とりあえず近距離用のプリズムを入れたメガネをあつらえました。その結果、パソコンに向かっても目はかすまず、疲労感に襲われることもなくなったのです。
 彼女によると、軽度の斜視の場合、若いときは眼球の周りにある筋肉が自動的に焦点を合わせるように調節してくれるのだそうです。しかし、年をとることによって筋肉の働きが衰える結果、私のような症状に陥る人は決して珍しくはないとのことでした。
 あつらえた近距離用のメガネについては、左眼はパソコンから4~50センチ離れてもくっきり見えるのですが、右眼の方は30センチぐらいまで画面に目を近づけないとはっきり見えないことが難点でした。私のパソコンに向かう通常の距離が4~50センチであり、30センチまで目を近づけるのは不自然な姿勢になって疲れるからです。他方、近距離用のプリズム入りメガネの基本的効果は圧倒的に大きかったので、遠距離用または遠近両用のメガネもあつらえたいと思いました。以前はくっきり見えていた自然や町並みが、ぼんやりとしか目に映じないというのは本当にストレスがたまっていたからです。
 昨日、その専門家と相談し、近距離用のメガネについては右の度数を若干強めることで改善できることが分かりました。しかし、遠近両用のメガネに関しては、私の場合、近距離では横の斜視であり、遠距離では縦の斜視ということで、無理があると言われました。したがって、遠距離用のプリズム入りメガネを作ることにしました。昨日、早速眼鏡屋に行き注文しました。一週間ぐらいかかるそうですが、今は、視界が広がることに胸をわくわくさせています。
 少し長く書きすぎました。私が申し上げておきたいことは主に2点あります。第一点は、目のかすみ、疲労感の原因はいろいろあり、人によって異なるのですが、年をとってから急激に不調に陥る場合は、斜視の可能性も考慮に入れる必要があるということです。第2点は、私自身がそうであったように、眼科医が「かくれ斜視」の患者を進んで見つけてくれるとは限らないということです。私もネットでいろいろ検索してみて分かったことですが、今日の眼科医の多くは「かくれ斜視」に関してはしっかりした訓練を経ていない人の方が多いようです。私の場合は、緑内障を定期検査してくれた専門家が斜視についても専門家だったことで救われました。ただし、私のかかっている眼科の名誉のために言いますと、この眼科は(彼女がいるおかげで)斜視に対して的確に対応する病院という評価は確立しているそうです(眼鏡屋担当者の話。その専門家自身も、遠くは九州から来てくれる患者さんがいると言っていました)。けれども、どの眼科医でも斜視に対応してくれるということではないので、私のような症状にお悩みの方は、事前にネットで斜視にも対応力のある眼科を探してから診察を受けることが大事ではないかと思います。