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イラン・ザリーフ外相スピーチ

2018.02.22.

イランのザリーフ外相は、2月18日にはミュンヘン安全保障会議において、また、翌19日にはロシアで行われたヴァルダイ対話クラブにおいて、イランの対外政策に関するスピーチを行いました。
私は中東問題については「土地勘」がなく、特にイランについては何も分かりません。しかし、アメリカを中心とする西側が垂れ流すいわゆる「イラン報道」については、日本国内で垂れ流される「北朝鮮報道」と同じく、きわめてうさん臭いと感じてきました。しかも、イランの中東政治における重みは、イラク、シリア、イエメンを筆頭に近年ますます増すばかりです。イランの内外政策を少しでも分かりたいと、毎朝チェックするニュース検索でイラン放送日本語版WSをチェックし始めたのが2013年11月、今はイラン放送英語版WSに加え、IRNA英語版WSとイラン大統領府英語版WSと最高指導者ハメネイ師英語版WSも毎朝欠かさずチェックしています。4年以上続けてきたことにより、最近はイランの対外政策の動きについても何となく「土地勘」らしい感覚が身につき始めている手応えがあります。
 正直言って、イランの目指している「宗教的デモクラシー」(religious democracy)については相変わらず違和感が先立ちます。また、イランが核兵器開発を行わないことについては、最高指導者ハメネイ師が、核兵器の開発・製造・貯蔵・使用を禁止するファトワ(教令)を出していることに拠るものだからこれほど確実な保証はない、といった趣旨の発言が繰り返し行われることについても、ファトワについて何も知らない私にとっては「雲をつかむ」類いの手応えしか得られないのも正直なところです。
 しかし、あえて大雑把な印象をいうならば、そういう宗教的要素を組み込むことはできなくても、私の限られた他者感覚を働かせることによって、イラン政治を動かすロジックは理解できるというのが今の私のとりあえずの結論です。それだけ、イラン政治は理性的、合理的思考に導かれている、ということでもあります。
 特に、イラン核問題に関して2015年に達成された国際合意(JCPOA)に関しては、その最終段階での息詰まるような外交上の攻防の様子も身近に接することができましたし、合意実現後から今日に続くイランと米英仏独中ロとの丁々発止のやりとりについてもフォローすることができてきました。こうした過程で私が印象づけられたのは、イラン指導者たちの原則を堅持しながら現実の動きに対して柔軟に対応する能力の高さです。特に、私の見るところ、ザリーフ外相はロシアのラブロフ外相や中国の王毅外交部長と並んで傑出した外交官であると実感します。ちなみに3人に共通するのは、21世紀の国際環境は国際的相互依存によって規定されており、そこではゼロ・サム(権力政治)ではなく脱ゼロ・サム(非権力政治)が国際関係を規律する原則にならなければならないとする政治哲学をしっかり身につけていることです。
 今回、冒頭に紹介した2つのスピーチについて、IRNAが全文(英語版ですが)を紹介し、イラン外交の概要及びザリーフ外相の識見に触れることができました。ともにかなり長いので、要旨を紹介し、イランについて偏見のない目で理解することの重要性を皆さんにも分かっていただこうと思い立った次第です。

1.ミュンヘン安全保障会議でのスピーチ

2月18日付のIRNAは、今回の会議において、ザリーフ外相は会議最終日にイスラエルのネタニヤフ首相がイランを激しく攻撃するスピーチを行った後に登場して、以下の演説を行ったと前置きの上、全文を紹介しています。

 私は昨年のこのフォーラムでも、対話、ペルシャ湾における共通原則及び信頼醸成措置に基づく安全保障取り決めに関するイランの提案を繰り返した。近隣諸国のいくつかは去年の会議でもイランに対する批判を行ったが、今年も同じだ。皆さんは今朝の漫画にも接した(注:ネタニヤフのスピーチのこと)が、まじめに応答する価値もないものだ。私はもっとまじめな課題に触れることにする。
 私は、私が昨年この場で明らかにした前向きのアプローチを国連事務総長が評価したことをうれしく思う。私は今回このアプローチをもっと展開し、ペルシャ湾地域に包摂的な平和と安全をもたらす集団的な努力を行わないと、来たる何世代にもわたり、我々が混迷に飲み込まれることになるだろうと言いたい。そしてこの混迷は、この相互に結びついた世界においては、すべての者にとっての混迷になるのだ。そのことは、今世紀に入って以来のこの地域及び西側における出来事が示しているとおりだ。
 今日、ISISが領土的に敗北したことは、彼らがかつて支配した地域に若干の安定の回復を告げている。しかし、ISISという世界最悪の組織の敗北はこの地域及び世界から過激主義の脅威が取り除かれたということを意味しているわけではない。過激主義の根本、特にその憎しみと排除の思想は存在し続けているし、どこかで再び爆発するだろう。
 長期にわたり、軍事強国は戦争に勝つためのさまざまな戦略を講じてきた。ところがこれらの国々は平和を勝ち取るための戦略を長きにわたって無視してきた。軍事強国と地域の同盟国は、この地域で長きにわたって間違った選択を行っておきながら、彼らの短視眼で好戦的な戦略的へまによって引き起こされた結果についてはイランのせいだ、と非難してきた。
 1980年のサダム・フセインによるイランに対する侵略、サダムをクウェイトから追い出し、さらには完全に彼を除去した行動、最初はアル・カイダとタリバンを支持しておきながら、彼らを取り除くためにアフガニスタンで起こした戦争、同じ類いの過激主義がシリアを破滅しようとしたことを支持しておきながら、自分たちが武装させ、財政支援した彼らと戦うと称してシリアの一部を占領するという行動、イスラエルによるレバノンに対する侵略とパレスチナの不法占拠さらにはシリア空域に対する侵略、西側が提供した戦闘機によるイエメン空爆。これらの行動が世界に何をもたらしただろうか。
 アメリカ及びこの地域の代理人たちは、彼らが行った誤った選択による当然の報いに苦しめられている。ところが彼らは、この会議その他の機会を利用してイランの対外政策に対するヒステリーを繰り返し、真実を曖昧にしている。しかし、彼らが主張するように、イランが彼らをしてこれらの誤った選択を行うことを無理強いしたのだろうか。我々はサダム・フセイン、アル・カイダ、タリバン、ISIS、ヌスラ戦線等と戦うという歴史の正しい側にあり、彼らを財政的、軍事的に支援したのはアメリカだというのに、我々が非難されなければならないのか。
 私が昨年この場で述べたように、イランは、ペルシャ湾地域に必要なのは新しい安全保障の枠組みであると確信している。我々は、「地域のストロング・マン」とは反対の「ストロング・リージョン」と名付けるものを創造することを提案してきた。「ストロング・リージョン」とは、国の大小を問わず、歴史的なライバル関係にあったものを含め、すべての国々が安定に貢献するというものだ。
 この考え方は単純に、すべての関係国の利害を尊重する必要があることを承認するものである。そのことが本質的に安定へと導くのだ。これに対して、地域的世界的な覇権主義傾向は、その本質からいって、安全の破壊へ導くだけだ。この地域における軍備競争は、地域を安全から引き離す破壊的かつ不必要な対抗関係をもたらす一例である。
 「ストロング・リージョン」を追求するに当たっては、我々は現実的で、互いの違いを受け入れる必要がある。我々に必要なのは、集団的な安全保障及び同盟の形成から離れ、利益の多様性並びに力及びサイズにおける不均衡を扱うことができる安全保障ネットワークのごとき包摂的考え方に向かうことだ。安全保障ネットワークはゼロ・サムのアプローチではない。それは、本質的にゼロ・サムのアプローチである同盟及びブロックに対抗するものだ。同盟及びブロックは他国の安全を犠牲にすることで自らの安全を確保しようとするアプローチである。安全保障ネットワークにおいては、諸国の安全保障は互いに切り離すことができないという考え方に立っている。
 核合意(JCPOA)はゼロ・サムではない考え方の一例である。違いを承認すると同時に共通のゴールがあることを承認し、すべての関係国の利害を尊重することによって、困難な交渉がJCPOAの成功的終結へと導くことができた。それだからこそ、自分の利益でしか物事を見ないものはJCPOAに根っから反対するということになるのかもしれない。
 JCPOA締結直後から、イランは同じアプローチをペルシャ湾に適用し、「地域的対話フォーラム」を作ることを提案した。この提案には誰も耳を傾けなかったが、今もテーブルの上にある。これのみが解決への道だ。もし近隣諸国も加わるならば、このフォーラムは公式非公式すべてのレベルで対話を組織し、発展させることの手助けができる道具として利用されることになるだろう。
 イランが提案している地域委的枠組みが目指すのは単純ではあるが効果的なものだ。利害の衝突を無視しようとするよりも、違いの存在を受け入れる。包摂的という前提に立つことにより、この枠組みは大国による寡占状態の出現に対する防火壁として行動できる。そして重要なことは、小国が参加でき、その利害を保全することができるのだ。
 ペルシャ湾における将来の安全保障の枠組みは、ヘルシンキ合意のごとく、「チケット原則」と「信頼醸成措置バスケット」に基礎を置くべきだ。この戦略的でありながら流動的な水域(ペルシャ湾)の周囲のすべての国々は、国連憲章に定める一連の共通の基準(国家の主権的平等、武力の威嚇または行使を控えること、紛争の平和的解決、領土保全の尊重、国境不可侵、内政不干渉、国家内における自決の尊重)を誓約することにより、加入する(「チケットを買う」)ことができるようにするべきだ。我々はまた、ペルシャ湾における信頼醸成措置の必要性も認めている。それらの措置を積み上げていくことにより、最終的には地域的な不可侵条約へとつながっていくだろう。
 我々の後の世代に影響を及ぼす紛争のエスカレーションの瀬戸際の危険にある今、ペルシャ湾の国々がイランと一緒に以上の諸提案を現実のものにするよう呼びかける。

2.ヴァルダイ対話クラブでのスピーチ

ヴァルダイ対話クラブは、2004年にロシアで創設されたシンク・タンクであり、最初の会合がノヴゴグラードに近いヴァルダイ湖の地で開催されたことにちなんで命名されました。本年の会合は、「ロシアと中東」をメイン・テーマとして開催され、ラブロフ外相と並んでザリーフ外相がメイン・テーブルに座って発言しました。

 私の見解では、我々が注目すべき、緊急の解決を要する問題は7つだ。
 第一、ISIS及び他のテロリスト・グループは領土的には敗北し、かつて占領していたイラク及びシリアの土地の多くから撤退したが、我々は今なお過激主義による恐るべき挑戦に対して脆弱である。ISISの頭目や実行犯たちは、強力な武器と巨額の資金を持っている。彼らは、元々のテロリストの古巣に戻るか、秘密グループに加わっている。彼らのネットワークはほとんど無傷であり、その憎悪の思想は相変わらず同じ石油マネー(注:サウジアラビアやUAR)によって広められている。
 ISISがリビアからアフガニスタンにいたる広範な地域にばらまいた枝分かれのグループは、ロシア及びイランの入り口であるアフガニスタン北部を含め、猖獗を極める殺傷マシーンである。彼らはそういう能力を秘めて新たな根拠地を探している。したがって我々は手を携えて、今日の危機と課題に立ち向かうことによって彼らにとって肥沃な環境を与えないようにしなければならない。
 過激主義と戦う上では国内的要素が存在する。過激主義のアピール力を減らすためには、優良な統治の推進、法の支配の堅持、腐敗根絶、社会契約の再構築、そして貧困と社会的不平等の減少、さらには現実または認識における疎外及び排除を防止することに役立つ措置が必要だ。国によっては、人々の尊厳のための最小限の要求を満たすことにすら慢性的に失敗しており、そのことは人々のやる気を損ない、過激主義がつけ込む社会的ギャップを拡大することになっている。
 第二、シリアは引き続き西アジア及び世界における注目の焦点である。過去4年間、イランとロシアは、シリア危機はシリア人自身によってのみ政治的に解決できると主張してきた。ISISを打ち破るための両国による努力並びにロシア、イラン及びトルコによる敵対活動を減らし、措置における政治プロセスを開始するためのソチにおける協力は健全な前向きの戦略である。
 しかし、国際法を無視した新たな外部の干渉の波はシリアの安定に立ちはだかる主要な障害となっており、より恒久的な社会的及びエスニックの分裂をエスカレートさせ、創造する脅威となりつつある。
 アメリカはシリアに軍事的プレゼンスを維持し、そこに武装力を作ると発表したが、これは国際法上のあからさまな侵略である。それは誤った強迫観念と衝動的で無計算な反応に基づくものだが、局地的、国家的及び地域的な分裂という点では計り知れないものがある。
 同じことは過去数年間のイスラエルによるシリア空域に対するルーティン的な侵犯及び空爆にもいえる。ところが、そのことに対する国際的な注目が集まったのは、シリア軍がイスラエル軍不敗神話を2月10日のF-16撃墜で打ち破ることができたときになってからのことだ。
 アメリカが2月7日にシリア軍を攻撃したことは、アメリカが今や、テロとの戦いとはまったく無縁な、短視眼的、ほとんど投機的な地縁経済的な打算を追求していることをあらわにした。もしこの危険な政策が続くならば、過激主義にとって巨大な恩恵となるだけではなく、シリア国内における戦争のリスクはますます深刻になるだろう。
 同時に、我々はアメリカの冒険主義に対するトルコの懸念は理解するが、この懸念に対する適切にして合法的な対応はシリア政府を通じてのみ行うことができると確信する。現在の(トルコによる)軍事作戦はシリアを安定させるという大義に役立つものでもないし、地域全体の平和と安定という利益にも合致しない。重要なことは、すべての当事国がより多くの衝突につながる可能性を増大させるような状況を避けることである。
 第三、アメリカ直接のそしてにわか仕立ての代理勢力による衝動的なシリアの部分的占領は、地域全体の政治的安定化にとっての重要な前提条件である、シリアにおける政治的回復及び再建努力に対する主要な妨害となり、そしてイラクの再建に対してもマイナスの影響を及ぼす。我々が確信するのは、国際社会としては、戦争で壊された地域の再建に十分な注意を向ける必要があるということだ。というのは、そのことによって、駆逐されたテロリストの再組織化と人集めを妨げ、その憎悪の思想による人々に対する影響力を中和させることに役立つからだ。それはまた、イラク及びシリアの人々が全世界のために過激主義に対する闘いの全面に立ってくれたことに我々は借りがあるという意味で、道義的要請でもある。
 第四、シリア及びイラクの国家統一及び領土保全は我々の優先順位におけるトップを占めるべきだ。シリア及びイラクのエスニシティ面においてしまりが緩いという問題は、その分離主義的傾向と相まって、地域全体及び世界に対する脅威を構成している。この問題は、国家及び地域の当局並びに関係諸国すべてが対話を通じて、また、国家主権、領土保全及び各国憲法の基礎の上で慎重に向き合わなければならないものであり、エスニシティ問題による緊張を協力と統一に変えていかなければならない。
 同じ脈絡のことだが、国境及び国家システムに対する尊重を回復することが急務である。というのは、国境及び国家システムがテロリスト及びその過激思想によって深刻な打撃を被ったからだ。
 第五、占領に原因があるパレスチナ問題はこの地域及び全世界にとってもっとも重要な問題であり続けている。過去70年間にわたってパレスチナの人々に対して行われてきた不正義と残虐は、イスラム世界の中に根深い怒り、憤慨そして無力感を植え付けてきた。アメリカ大統領がアル・クッズ(エルサレム)をイスラエルの首都として承認したことは、トランプが自分の持ち物でもないものを所有する権利がないものに提供したに等しい。したがって、それは何らの法的または政治的な価値もないが、過激主義者たちが人集めをするための新たな材料を提供するものである。
 第六、イエメンの人々に対する侵略及び無差別空爆は、数週間で軍事的に勝利すると誤って考えられていたが、すでに第4年目に入っている。イエメンは、地域におけるもう一つの緊張要因であるとともに、過激主義を育む今ひとつの要素として、直接的関心を求めている。3年間にわたる無意味な空爆行動が明らかにしたのは戦略的失敗であり、軍事的解決はないということである。したがって、我々は即時休戦と緊急人道救援そして包摂的な政権樹立のためのイエメン当事者間の緊急全国対話を奨励しなければならない。
 第七、アメリカ及びその地域的な仲間による、自分たちによる慢性的な誤った選択による真の問題を、イラン非難によって注意をそらせようとするキャンペーンは、彼らの問題を解決もしないし、彼らの執拗な間違いの埋め合わせにもならない。
 イランの我々は、過去の囚人にとどまることによっては、そして安全保障を金で購入すること、ブロックの形成及び同盟という古いパラダイムを繰り返すことによっては、何も得られないと確信している。長年にわたり、我々はシリア及びイエメンの危機の政治的解決を探求することを主張してきた。直近のペルシャ湾諸国の問題に焦点を当て、我々は、数十年に及ぶ戦争と紛争を離れ、この地域に違った未来を形作るべく、「地域対話フォーラム」を提案してきた。この旅程においては、私が昨日のミュンヘン安全保障会議で強調したように、2つの基本的コンセプトに核心をおいている。一つは、我が隣国はイランとともに、「地域のストロング・マン」よりもペルシャ湾における「ストロング・リージョン」を目指すべきだということだ。地域的及び世界的なヘゲモニーの時代はとっくの昔に終わっており、ヘゲモニーを求めることは安全と安定に逆行するだけである。
 もう一つは、安全保障は外部から買うことができるとか、他国の犠牲によって獲得できるとかの幻想は捨てなければならないということだ。安全を他国の排除及び犠牲において実現するという前提に基づく連合及び同盟という過去の考え方から、我々は決別する必要がある。我々はまた、力とサイズの不均衡という事実及び利害の錯綜という事実にも向き合う必要がある。正にそうであるからこそ、包摂的でゼロ・サムではない、新しく創造的な考え方が必要なのだ。地域的な安全保障ネットワークはそうした方向への道のりだ。このネットワークは、大小さまざまな国々がすべての国々の安全を促進する地域的安全保障の枠組み作りに貢献することを可能にする。この枠組みに参加するためには、ペルシャ湾岸諸国は、共通の規範及び原則(国家の主権的平等、武力の威嚇または行使を控えること、紛争の平和的解決、領土保全の尊重、国境不可侵、内政不干渉、国家内における自決尊重等)を遵守することだけが求められる。
 我々はまた、ペルシャ湾における信頼醸成措置も必要だと考えている。それらは最終的に地域的な侵略禁止条約へと向かうだろう。
 地域におけるロシアの真剣な戦略的観点及びその増大する影響力により、ロシアはペルシャ湾におけるそうした歴史的なパラダイムの転換を現実のものにする上で重要な役割を担うことができる。